期待のSRPG『ラングリッサー:剣の海』は“まるで買い切り型ゲーム”、約20時間どっぷり遊べたCBT感想。より「RPGらしく」進化した、野心的『ラングリッサー』新作

『ラングリッサー:剣の海』をクローズドベータテストでじっくりプレイしてきた。

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1991年に誕生した老舗シミュレーションRPG『ラングリッサー』シリーズ。中国のZlongameがライセンスを獲得し、BlackJack Studioの開発による『ラングリッサー モバイル』が2018年に中国で、2019年には日本でもリリース。同作は成功を収め、今なおシミュレーションRPGアプリの代表格として人気を誇っている。そして先日、Zlongameは完全新作『ラングリッサー:剣の海』を発表し、小規模なクローズドベータテスト(CBT)を実施した。今回、筆者もこのテストに参加する機会を得たので、本作が果たしてどのようなゲームに仕上がっているのか、プレイレポートをお届けしよう。


真の意味での「SRPG」

まず明言しておきたいのは、本作が『ラングリッサー』IPを受け継ぐ王道のSRPGであるということだ。一般的なSRPGはステージクリア型を採用しており、プレイヤーは戦場を渡り歩きながら部隊を指揮して勝利を目指す。しかし本作は「RPG」という要素を非常に強く押し出しており、まさに「SRPG」というジャンル名が示す通りのゲーム体験を実現している。広大なワールドマップが存在し、オーソドックスなRPGのように主人公を直接操作して各地を探索することが可能だ。特定の場所に到達するとストーリーが展開し、また次の目的地へと自らの足で向かうという形式をとっている。

マップ上の探索要素も豊富で、ショップや宝箱、サブクエスト、謎解きギミックのほか、「ミニ兄貴」のような収集要素も用意されている。これらをこなすことで資金や装備、アイテム交換用素材を獲得できる。さらには、サブクエストを通じて隠しキャラクターやクラスの分岐ルートが解放されることもあるのだ。


キャラクター育成システムの大きな変化

キャラクターについてだが、今回のテスト版には課金要素が含まれていなかったため、主な入手手段は「ストーリー進行」「サブクエスト報酬」「トークン交換」のいずれかとなっていた。『ラングリッサー』シリーズでお馴染みのキャラクターたちも登場するが、設定上、メインストーリーに関わる人物は「自分の本名を失っている」ため、初登場時は仮名で名乗ることになる。一方、CBTではメインストーリーに関わらないシェリーやエルウィンといった面々は本名のまま登場する。(※本稿では分かりやすさを考慮して、以降は本名で表記する)

本作のキャラクターイラストはZlongameオリジナルのアートスタイルが採用されている。『ラングリッサー モバイル』がうるし原智志氏のテイストに寄せたデザインだったのを考えると、本作は大胆なイノベーションを遂げたと言える。全体的にレトロな雰囲気が漂い、1990年代末から21世紀初頭にかけての中国産PCゲームでよく見られたようなアートスタイルを彷彿とさせる。特筆すべきは、ストーリーや戦闘におけるキャラクターの表現だ。リアル等身に近い2Dグラフィックが採用されており、ヴァニラウェア社作品のようなリッチでダイナミックな演出が戦闘の臨場感を高めている。

クラスシステムは健在だが、初期状態では各キャラクターに1つのクラスルートしか存在せず、別ルートの解放には追加のリソースが必要となる。現状、各ルートは完全に独立しており、「ルートAのスキルをルートBで使う」といったことはできないため、同じキャラクターでもルートによって全く異なるプレイスタイルを楽しめる。ただし、同一キャラクターとして扱われるため、別のルートを同時に出撃させることは不可能だ。

育成要素は「レベル上げ」「クラスチェンジ」「兵士の強化」「装備」といった具合で、大枠は前作と似ているものの、細かな仕様変更が多く見られる。

最大の違いは、汎用の経験値アイテムが存在せず、戦闘に出撃して直接経験値を稼がなければならない点だ。メインストーリーだけを追っているとレベルが足りなくなるため、スタミナを消費しないフリークエストでのレベル上げが必須となる。今回のテスト版ではレベリングに少々時間を要した。しかし救済措置として、上位8番目のキャラのレベルに合わせて9人目以降のレベルが自動的に同期されるシステムが用意されているため、少なくともレベルについて実際に育てる必要があるのは8人だけで済む。

装備システムは従来通り4部位構成でセット効果も存在するが、テスト版をプレイした限りでは「エンチャント」機能は廃止された模様だ。代わりに装備のサブステータスはドロップ時にランダム生成されるハクスラ仕様へと変更された。大量の装備がドロップする日課ダンジョンが存在するため、良質なサブステータスの装備を引けるかどうかは運次第となる。また、装備品のレベル上げは個別の強化から「鍛冶レベルの共通化」に変更された。例えば「武器の鍛冶レベル」を10に上げれば、手持ちのすべての武器がレベル10として扱われる。

これらの仕様変更により、新しいキャラクターや装備を入手した際、追加のリソースをあまり消費することなく即戦力として投入しやすいという大きなメリットが生まれている。


戦略性を倍増させる「2人1組」の部隊編成

本作最大の目玉は、戦場の1ユニットを「2人のキャラクターで編成」できるシステムだ。隊長と副隊長のタレントパッシブスキルが両方とも発動し、隊長は2つ、副隊長は1つのスキルをセット可能。戦闘時は2人が前衛・後衛として並び立ち、同時に出撃する。このシステムが部隊編成に極めて深い戦略性をもたらしているのだ。ユニットの移動力は隊長に依存するため、「移動力の高い飛兵や騎兵を隊長にし、移動の遅い歩兵や槍兵を副隊長にする」といった組み合わせが非常に有効となる。また、「タンク役とヒーラー役」を組ませて自己完結型の部隊を作ることも可能だ。さらに、特定の条件を満たすと強力な「協力技」が使用できるほか、シェリー×エルウィンや、主人公×ディハルトなど、ストーリー上で関係の深いキャラクター同士を組ませることで特殊な「協力技」も発動できる。

『ラングリッサー』の醍醐味といえば、「歩兵は槍兵に強く、槍兵は騎兵に強く、騎兵は歩兵に強い」という三すくみの属性相性だ。過去作でも「歩兵の指揮官に槍兵の兵士を帯同させる」といった混合属性の概念は存在し、兵士が生き残っている限り指揮官が不利属性からの被害を抑える戦術が定石だった。本作ではさらに踏み込み、2人の指揮官を同一ユニットとして直接組み合わせられるようになった。ただしCBTバージョンでは、指揮官と異なる属性の兵士を連れて行くことはできない(歩兵指揮官は歩兵兵士しか雇えない)ため、4属性が入り乱れる大混合部隊を構築することは現時点ではできない。

バトル自体はお馴染みのSRPGだが、マップ環境にも新たな変化が加わっている。まず、一部の地形に「高低差」の概念が導入され、高所を陣取ることで有利に立ち回れるようになった。また、『ラングリッサー モバイル』にもあった「地形効果」スキルに加え、氷魔法で川を凍らせて渡れるようにしたり、橋を爆破して敵の進軍を食い止めたりと、地形そのものに直接干渉するギミックが増え、戦術の幅が一段と広がっている。


テスト版はまるで「買い切り型RPG」のようなプレイ感

今回のCBTはわずか3日半の開催だったが、約20時間ほどのボリュームが用意されており、マルチプレイ要素や課金要素の全くない純粋な「ソロプレイ体験」を堪能できた。もしこれが一本のコンシューマーゲームだとしても、メインストーリー、サブクエスト、探索要素など十分に遊び応えがあり、システムにも一定の深みがあると言える。とはいえ、本作はあくまで運営型のタイトルであるため、今後のテストや情報解禁に伴い、新たなコンテンツが順次明かされていくだろう。

『ラングリッサー モバイル』がリリースされてからの8年間、数多のメーカーがシミュレーションRPGアプリというジャンルに挑んできたが、成功を収めたタイトルは数少ない。もはやZlongame自身にとっても、『ラングリッサー モバイル』は乗り越えることの困難な巨大な山として君臨している。しかし今回の『ラングリッサー:剣の海』からは、ZlongameとBlackJack Studioが大胆なイノベーションを起こし、『ラングリッサー』というIPに新たな息吹を吹き込もうとする野心が見て取れる。シリーズの「王道」と「革新」のバランスを今後どのように取っていくのかが見どころとなるだろう。

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Nep333
Nep333

AUTOMATON中国語版編集長。

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