久々の”戦う”地獄ホラーFPS『Inner Chains』正式始動。Unreal Engine 4の凄まじい生体機械ビジュアル、EpicやFlying Wild Hogの元スタッフ集う


新興ゲーム開発スタジオ「Telepaths Tree」は、ホラーFPS『Innner Chains』を開発中だ。同作は昨年9月にティーザートレイラーが公開され、その凄まじいビジュアルとダークな世界観が一部で注目を集めていたタイトル。アニメーションやFX効果をさらに磨くため1万ドルの開発資金獲得を目指すKickstarterキャンペーンを現在実施しており、ゲームプレイ映像と具体的な内容がついに披露されている。まずはUnreal Engine 4で描かれるダークでグロテスクな地獄のビジュアルをチェックして欲しい。

『Inner Chains』は、一度人類が滅んだあとに新たに築かれた「いびつな人類文明」を描くホラーFPSタイトルだ。先の文明が滅んだあと、自然界は残されたテクノロジーを飲み込みつつ、数万年にわたり進化を続けてきた。自然と機械が混ざり合いながら発展した結果、なにが”生きている”のか、なにが”機械”なのかを判断することが難しい「バイオメカニクス(生体機械)」の世界が『Inner Chains』では広がっている。

この新たな世界においても人類はふたたび誕生し進化を続け、中世ほどの歴史を迎えた時点で生態系の頂点にたどりついていた。信仰や弾圧、支配も歴史通りに繰り返されてきたが、先の文明と唯一異なるのは、彼らには分不相応なテクノロジーが残されていること。人類はこの強大な力をコントロールできず、むしろ大半はそれが自然なことだと納得し、星の死を招くと理解しながら資源の採掘を進めているという。生体機械や惑星の死という自然の摂理、さらにカースト制度が蔓延するこの『Inner Chains』のいびつな世界。この世界に住む1人の人間となったプレイヤーは、カーストの教えに登場するすべての災厄を解決してくれる地「最後の希望(Last Hope)」にたどり着くことを目指す。

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武器は3種類の形態「エレクトロガン」「フレイムスロワー」「ボーンガン」へと変化する。いずれも生命体と機械が混ざり合ったような独特なデザインだ

ゲームプレイ面で『Inner Chains』のユニークな要素となっているのが、プレイヤーが使用する武器だ。この世界の武器はある種の寄生虫のような性質を持っており、装着者の生命エネルギーを吸収しながら動作するという。詳しいシステムはまだ明らかにされていないが、「プレイヤーは自身の力を取り戻し武器をリチャージするための場所を見つけることになる」という説明もあり、ヘルスあるいはスタミナを消費しながら戦うような仕様となっているのかもしれない。また開発を手掛ける「Telepaths Tree」には、そうそうたる経歴を持つメンバーたちが集まっている。「CD Prokect RED」「People Can Fly」「Epic Games」「Flying Wild Hog」「Platige Image」「CreativeForge Games」「Techland」。いずれもアクション性の高い作品を輩出してきたスタジオばかりで、『Inner Chains』の基本的なゲームメカニックを心配する必要はほぼないだろう。

またUnreal Engine 4を採用し開発が進められている同作は、そのダークなビジュアルにも注目だ。アートディレクションはスタジオ設立者であるTomasz Strzalkowski氏が1人で担当しており、「サルバドール・ダリ」「H.R. ギーガー」「ズジスワフ・ベクシンスキー」「ヒエロニムス・ボス」といったアーティストたちから影響を受けたことが明らかにされている。

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ゲーム中には5種類の敵キャラクタークラスが登場、いずれも独自の行動パターンを有している。これ以外にも生体機械で味付けされた「犬」や「植物」も存在する

近年、一人称視点のホラーゲームは特にインディーゲーム界隈で人気のジャンルだが、主人公は攻撃できず探索や謎解きが中心となる作品が圧倒的に多かった印象だ。そういったなかで久々に登場した”戦う”ホラーFPS『Innter Chains』は、開発スタッフたちの豪華な経歴も相まって、思わず期待してしまうところ。現時点で『Inner Chains』のリリース時期や対象プラットフォームはまだ明らかにされておらず、今後の続報に期待したい。