薄給少女・国防STG『救国のスネジンカ』Steamにて配信されるや否や人気爆発。中抜きいっぱい世知辛要素も話題博す


hinyari9氏は8月27日、防衛STG『救国のスネジンカ』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)。リリース後さっそく、本作は多くのプレイヤーと高評価を集め、盛況を見せている。

『救国のスネジンカ』は、防衛シューティングアクションゲーム。主人公はディストピア世界における有期契約社員スネジンカ。ある日突然連絡がつかなくなってしまった姉であるマルフーシャを戦場から連れ戻す為、民間軍事企業ブルーピーコックへと入社し、さまざまな戦場へと向かう。徐々に悪化する戦況において、税金控除により少なくなった手取りにあえぎながらも少女は終わりの見えない戦場に身を投じていくことになる。

本作は2.5Dのドット絵で描かれるアクションシューティングとなっている。戦闘においては防衛拠点に押し寄せる敵を撃退することになる。戦闘が終わるごとに3枚のカードから1枚を少ない手取から購入し、取捨選択を繰り返しながらキャラを強化していく。アクションパートでの操作は「移動」「狙う」「射撃」「ガジェットの使用」だけとなっており、シンプルな操作性でハイテンポなシューティングが楽しめる。

本作はリリース後さっそく高い評価を得ており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約360件中98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。SteamDBによると同時接続プレイヤー数はピーク時で約5400人を記録。前作にあたる『溶鉄のマルフーシャ』もSteamユーザーレビューにおいて「非常に好評」ステータスを獲得するなど高評価を得ている作品。そんな作品の続編ということもあり、配信開始直後に多くのユーザーが本作をプレイしたようだ。


レビュー内容においても、テンポの良い操作感に加えて、新たな武器やゲームプレイにおける改善などの要素をあげ、前作からの正統進化を遂げているとして評価する声が多く上がっている。また前作から引き続きとなる救いようのない世界で、銃を手に取り世知辛い状況下でも戦う、儚い少女たちによって繰り広げられるストーリー描写も魅力のようだ。なお前作を遊んでいなくても、今作からのプレイでも十分に楽しめるつくりとなっている。とはいえ、前作『溶鉄のマルフーシャ』を遊んでいれば、前作からの流れを踏まえた、マルフーシャとスネジンカを巡る姉妹の物語もより楽しめるだろう。

またプレイしたユーザーのあいだでは、本作における「世知辛さ」を感じる描写も話題を呼んでいる。軍事企業による中抜き、支給額面から様々な名目で容赦なく差し引かれる各種控除、日ごとに増えていく支払い義務の発生通知、「制度改定」という名の増税、あっさりと却下される有給申請、悪化していく戦況とは裏腹に国威発揚をはかろうとするプロパガンダ放送などなど、そういった生々しさも本作におけるディストピア世界の描写の魅力のひとつとなっているようだ。

本作を手がけるのは個人開発者のhinyari9氏。以前はゲーム会社に勤務していたとのことで、現在はイラストレーターやコンセプトアーティストとして活動しながらゲーム開発を行っているという。また本作の発売に合わせて、Steamでは本作のアートブックも発売中。開発用のラフやコンセプトアートなどが収録されている。ストアページによればSNSで公開済みのイラストがほとんどであるとの断りはあるものの、同氏の活動を支援したい方は購入してみてもよいだろう。

救国のスネジンカ』は、PC(Steam)向けに販売中。価格は税込790円。現在はリリース記念セールとして9月3日まで10%オフの税込711円で購入可能だ。また前作となる『溶鉄のマルフーシャ』はPC(Steam)及びPS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに販売中。