『ウィッチャー4』開発元ボス、「『サイバーパンク2077』リリース時に失った信頼を取り戻したい」との決意を語る。独自エンジンからUE5への切り替えも活かし名誉挽回へ

CD PROJEKT REDの共同CEOであるMichał Nowakowski氏は、『ウィッチャー4』のリリースに関して、『サイバーパンク2077』初期のトラブルで失った信頼を取り戻したいとの決意を語った。

CD PROJEKT RED(以下、CDPR)は現在『ウィッチャー4』を開発中だ。2027年以降の発売とされている。そんな本作に関し、CDPRの共同CEOであるMichał Nowakowski氏は『サイバーパンク2077』のリリース当初の話を持ち出し、当時失望させてしまったユーザーの信頼を『ウィッチャー4』で取り戻したいとの決意を語った。Knowledge誌内のインタビューにて伝えられている。

『ウィッチャー』シリーズは、ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキ氏の小説を題材とするアクションRPGだ。開発はCDPRが手がける。これまでナンバリング作品は3作品が展開されており、架空のファンタジー世界を舞台に、怪物退治の専門家ウィッチャーであるゲラルトの物語が繰り広げられてきた。凄惨あるいはセクシャルな描写も多く、大人向けな作風もシリーズの特徴となっている。

『ウィッチャー4』は、そんな『ウィッチャー』シリーズの最新作だ。シリーズお馴染みのキャラクターであるシリを新たな主人公とし、ダークファンタジーの世界を舞台とする新三部作の新章が始動する。現在対応プラットフォームや具体的な発売日は明かされていないものの、2027年以降の発売となることや、『4』を皮切りに展開される“新三部作”が、6年間で順次発売されることなどが伝えられていた(関連記事)。

今回ゲーム業界ニュースなどを報じるKnowledge誌内のインタビューにて、同氏がCDPRの共同CEOであるMichał Nowakowski氏に行ったインタビューの内容が掲載された。Nowakowski氏は『ウィッチャー4』の開発体制、そしてリリースに向けた歩みについて、『サイバーパンク2077』の例を持ち出しつつ語った。

『サイバーパンク2077』については、没入感のある街や自由度の高いゲームプレイなどが評価されており、昨年11月時点では3500万本の売上を突破したと明かされた(関連記事)。一方で、特にコンソール向けではリリース直後から不具合が相次ぎ、返金騒動にまで発展した過去があった。Nowakowski氏はこのことについて、発売当初の苦難に見舞われた時期を「胸が張り裂けるよう」と表現。同社の評判を守るため、『サイバーパンク2077』の軌道修正は最優先事項だったとのこと。そしてアップデートごとに改善されていき、現在に至るわけだ。

とはいえ、Nowakowski氏は「100%名誉挽回を果たせたわけではない」との見解を示している。先述のトラブルにて、会社として一部のユーザーの信頼を失い、“持ち直した”だけでは不十分であると確信していると語った。なおそうした信頼を回復することについては、『ウィッチャー4』に限定した話ではなく、どのタイトルでも継続して取り組んでいく決意を示している格好だ。

ちなみに、Nowakowski氏によれば、CDPRによる内製ゲームエンジン「REDengine」は、『サイバーパンク2077』『ウィッチャー3』などの開発実績があるものの、実はバージョンごとにほぼゼロから作り直す必要があったという。そのため人材採用/育成についてはコストがかかり、導入にも最低半年から9か月程度要していたとのこと。さらに独自エンジンであるため、社外に経験者がそもそも居らず、生産性が低くなっていたと当時の開発事情を明かした。

一方で、『ウィッチャー4』ではEpic GamesによるUnreal Engine 5を採用(関連記事)。既存のゲームエンジンへと環境を切り替えただけでなく、Epic Gamesと協力のもと、オープンワールド開発機能の拡張や、ツールの開発と既存機能の拡張にも取り組めることとなった。Nowakowski氏は「Epic GamesがUEのブラックボックスに踏み込み、弄り回すことを許可してくれた」と語っており、独自にチューンアップされた環境で開発に取り掛かっている様子もうかがえる。専門家の欠如などに悩まされていたというREDengineでの開発に比べれば、その導入/学習コストは低減できているようだ。

『ウィッチャー4』に関して、UE5への乗り換え、『サイバーパンク2077』での反省などについては以前より語られていたことではあった。しかし今回は同作の制作/リリースにあたって、CDPRとしての“名誉挽回”を目指していることが同社のボスから明かされたという点で興味深い。複数タイトルの開発ラインを抱えつつも“完璧”を目指し、ユーザーの信頼を取り戻そうとする姿勢からは、同社の決意が感じられる。なおUnreal Engineについては先日「Unreal Engine 5.8」がリリース(関連記事)。広大なオープンワールドを作成しやすくなったと謳われている。『ウィッチャー4』がどのバージョンのUE5をベースに開発を進められているのかは不明だが、そうした進化点が今後の開発で活かされていくのかもしれない。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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