FPSゲーム『DOOM』や『Quake』などの開発元であるid Softwareが、次世代エンジン「id Tech 8」を開発中なのではないかと話題になっている。同スタジオのある開発者のSNSプロフィールにて同エンジンの開発が示唆され、注目を集めている。wccftechなどが伝えている。
id Softwareは『Wolfenstein』『DOOM』『Quake』といったFPSゲームシリーズを手がけるデベロッパーだ。同社はゲームエンジン「id Tech」シリーズを開発しており、各タイトルは同エンジンを代替わりさせつつ、開発されている。たとえば「id Tech 6」はリブート版の『DOOM』や『Wolfenstein II』といったタイトルに搭載されていた。同エンジンの現在最新世代となるのは、2020年3月にリリースされた『DOOM Eternal』の開発に採用された「id Tech 7」だ。同エンジンは2018年にアメリカ・ダラスで開催された「QuakeCon 2018」で発表された。前世代の「id Tech 6」と比較すると、3Dモデルの形状のディテールについて10倍の表現力を持っているとされており、ダメージを与えた敵の肉体が徐々に破壊される描写も可能になった。
そんな「id Tech」シリーズの次世代版「id Tech 8」が出るという噂が流れている。発端となったのは、id Softwareのプリンシパル・エンジンプログラマーPhilip Hammer氏のSNSプロフィールに「id Tech 8」の記述が発見されたとの報告だ。
報道およびユーザーのスクリーンショットによれば、Hammer氏のプロフィールに「id Tech 8」と記載されていたという（現在は記述削除済）。本稿執筆時点では、Philip Hammer氏のプロフィールの記述は「Engine, graphics, GPU | idTech」と修正されている。また、ユーザーによりX（旧Twitter）上に投稿された同記述のスクリーンショットについてもすでに削除されており、同ユーザーは「decided to remove the Id tech 8 post of mine. Been asked（頼まれたので、id Tech 8の投稿を削除することにした）」と伝えている。同ユーザーの報告が事実だとすれば、なんらかの取り下げ要請があったのではないかとみられる。
こうして速やかに記述が削除されたことで、かえって「id Tech 8」が開発中であるという噂はSNS上で話題となっているようだ。ほかにも海外掲示板Redditでは今回の噂についての投稿に対し、『DOOM』や『Quake』の新作を期待する声や、すでにディテールの描画や表現力において一定の評価を得ている「id Tech 7」から、どれほどの性能が向上するのか興味深いとする声がみられた。
現時点では、id Software公式からは本件についてのコメントは筆者観測範囲内では見られない。しかし今回の噂の急速な広まりは、コミュニティが同スタジオに寄せる期待度の高さを示してもいるだろう。
