『サイバーパンク2077』無料アプデで「メニューでアイテムを食べる音」ひっそりと追加。“担当違うスタッフ”の頑張りでついに実装

 

CD PROJEKT REDは1月31日、『サイバーパンク2077』PC/PS5/Xbox Series X|S版に向けた無料アップデート2.11を配信開始した。今回のアップデートでは、パッチノートに記載のない変更もあるという。実装を担当したという開発者が、細かいながらあると嬉しいかもしれない新要素を紹介している。


『サイバーパンク2077』はCD PROJEKT REDが手がけ、2020年12月に発売された一人称視点のオープンワールドアクションゲームだ。舞台となるのはサイバーウェアと呼ばれる技術による肉体改造が一般的になった近未来。欲望渦巻く都市ナイトシティにて、主人公Vが生存をかけた戦いを繰り広げる。

本作はPC/PS5/Xbox Series X|S版に向けて、2月1日に無料アップデート2.11が配信開始された。近接武器でのフィニッシャーの不具合などの報告例が多かった不具合の修正に加え、レイフィールド社製の車のカラー変更できる機能も追加された(関連記事)。

そして本作の開発者によると、今回のアップデートではパッチノートにないある機能が実装されているという。細かいながらも没入感を高めてくれそうな機能を紹介したのは、本作のオンラインサービス部門でリードソフトウェアエンジニアを務めるLeszek Krupinski氏だ。同氏は自身が手がけたという新要素を紹介。アップデート後に、インベントリ画面で飲食系アイテムを使用すると、アイテムの種類に応じたサウンドが再生されるようになったことを報告した。


アップデート以前は、インベントリ画面で飲食系アイテムを使用した際のサウンドが用意されておらず、無音で効果が適用されるだけであった。ただし本作ではフィールド上の飲食系アイテムを拾わずに直接使用することも可能。その場合には以前より飲食サウンドが用意されていた。

この小さな矛盾点について、ポッドキャスト配信者Dominik Gąska氏が注目。Dominik氏は本作のアップデートのたびに、インベントリにも飲食サウンドが用意されたかどうかをチェックしつづけていたという。これに気づいたLeszek氏が、小さいながらも放置され続けた問題に対処する運びとなったそうだ。

とはいえLeszek氏は先述のとおりオンラインサービス部門であり、インベントリの飲食サウンド実装は同氏の担当範囲外の問題だったという。また時期としても昨年9月のアップデート2.0実装後であったそうだ。当初アップデート2.0は最後の大型アップデート(last big update)とされており、同氏はプロデューサーやリリースマネージャーにインベントリの飲食サウンドを新実装するタイミングとして遅くないかを確認したという。


結果として飲食サウンド実装の許可が下りたようで、Leszek氏自ら“プロデューサー役”として実装に向けた取り組みを進めたという。サウンドデザイナーやUIチームと話し合いをおこない、晴れてアップデート2.11にて実装に至ったかたちだ。同氏はインベントリで何か食べるとむしゃむしゃと聴こえるようになったことを報告しつつ「これで安心して死ねる(I can die in peace now)」として、担当とまったく違う仕事をやりきった心境を綴った。

なお『サイバーパンク2077』では先述のとおり当初はアップデート2.0が最後の大型アップデートとされたものの、12月にはさまざまな新要素を実装するアップデート2.1が配信。その際に改めて最後の大型アップデート(major update)であると明言された。

その後の配信となった今回のアップデート2.11は小規模であり不具合修正が中心ながらも、新要素としてレイフィールド社の車のカラーリング変更が実装された。また担当部署の違う開発者のサービス精神により飲食サウンドも用意されるかたちとなったわけだ。小規模アップデートで実装された細やかなこだわりはファンにとって嬉しいサプライズといえるだろう。

サイバーパンク2077』および拡張パック「仮初めの自由」は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。また本編と「仮初めの自由」をセットにした『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』ダウンロード版がPC/PS5/Xbox Series X|S向けに発売されている。同エディションはPS5向けにパッケージ版も2024年2月15日発売予定だ。