Nintendo Switchゲーム『スイカゲーム』が突如人気急上昇。2021年に発売された低価格フルーツ落ち物パズル

 

Nintendo Switch向けに配信された落ちものパズルゲーム『スイカゲーム』が、今人気を博している。本作は2021年12月9日に、popIn株式会社によって発売された作品だ。本作は、発売から2年弱の時を経て、配信者などのインフルエンサーによって人気が沸騰。本稿執筆現在での国内ニンテンドーeショップのダウンロードソフトランキングでは、2位に位置している。


『スイカゲーム』はその名の通り、スイカをはじめとするフルーツを題材とした落ち物パズルゲームだ。本作では縦長のフィールド上に、イチゴ、リンゴ、ブドウなどのフルーツをフィールド上部にある線にはみ出ない形で積み上げていく。同じ種類のフルーツは2つ組み合わせることで、大きなフルーツへと進化。たくさんのフルーツを組み合わせ、進化させていくことで、スコアを加算させていくシステムとなっている。


本作は『合成大西瓜』という中国のゲームがベースとなっている。『合成大西瓜』は、中国のソーシャルメディア会社である米兜科技がリリースしたWebブラウザで遊べるミニゲーム作品。2021年1月ごろから、中国国内で人気となり、中国のSNS微博(Weibo)では、関連話題のヒット数が14億件以上に達した模様(人民網日本語版)。

その『合成大西瓜』のアレンジ作品が『スイカゲーム』だ。本作は元々popIn株式会社の販売する照明一体型3in1プロジェクター「popIn Aladdin」内蔵アプリとしてリリース。それがユーザーに評価され、Nintendo Switch版がリリースされたかたちとなる。


『スイカゲーム』は2021年にリリースされたゲームだが、今年5月より配信者/YouTuberによる本作の生放送配信が活性化。そして今年9月には、布団ちゃん氏含めたインフルエンサーさんが本作を再びプレイ。それにちなんで、多くのユーザーによる実況動画や生放送の切り抜きなどが投稿されることとなった。一部動画は本稿執筆現在、10万回再生を突破するなど、配信をきっかけに本作が国内で注目を集めることとなったかたちだ。配信での人気もあってか本作は、国内ニンテンドーeショップのダウンロードランキングにて、第2位を獲得している(本稿執筆現在)。

本作が多くのユーザーにダウンロードされた理由としては、まず240円というお手頃な価格にあるだろう。Nintendo Switchのニンテンドーeショップのダウンロードソフトランキングは、売上ベースではなく本数ベースで計算される。つまり、安いゲームが多く売れると、注目される仕組み。安いことで売れ、売れることで目立つ循環になっているだろう。


また、カジュアルな割に奥深い点も魅力。フルーツのデザインがポップでかわいらしいものになっている一方で、パズル要素としては手堅い。ゲーム部分では、大きなフルーツの配置に気を付けつつ、フルーツを組み合わせて、さらに大きなフルーツを作りあげ高いスコアを目指していくシンプルでありながらも思考力が問われるゲームシステムが評価されているようだ。

また、本作にはオンラインスコアランキングが、本日・今月・総合別で搭載されているというのも魅力の1つだ。人気の火付け役となったインフルエンサーたちも、配信内で本日・今月のハイスコアランキング上位を狙って、何度もリトライしながら切磋琢磨する姿を見かける。一般的にスコアランキングとは、ベテランプレイヤーが上位に並びやすいようなシステムになりがちだ。しかし、本作はここ数日で始めたプレイヤーが多いため、まだスコア常連者などが形成されきっていない印象。そのため本作は誰でもスコア上位を狙いやすいような環境になっているというのも、本作に熱中しやすい理由のひとつと考えられる。

さまざまなインフルエンサーが本作をプレイしており、彼らがゲームに熱中することで、自分も遊びたくなる、そして低価格で買いやすい、といった流れが、本作の人気を呼んでいるのであろう。


繰り返すように本作の配信は2021年12月。そこから2年弱の時を経て日本で流行となりつつある。インフルエンサーによるゲームのバイラル化現象は、常に興味深いものである。

『スイカゲーム』はNintendo Switch向けに配信中だ。