『オーバーウォッチ2』の次の“ストーリー任務”は少なくとも来年か。開発者が今後の展望をいろいろ明かす

 

オーバーウォッチ2』のエグゼクティブプロデューサーJared Neuss氏は6月30日、ストリーマーのEmongg氏のTwitch配信に出演。PvEモードなどに関するQ&Aがおこなわれ、Neuss氏より現時点でのさまざまな情報が明かされている。


『オーバーウォッチ2』はBlizzard Entertainmentが手がけるオンライン対戦FPSゲーム。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、基本プレイ無料タイトルとして配信中。本作は当初、PvPモードと本格的なPvEモードを備えた2軸での展開を計画。まずはPvPモードを軸にして、昨年10月5日にリリースされた。

その後『オーバーウォッチ2』のPvEモードでは、開発方針が大きく変更されたことが伝えられた(関連記事)。スキルツリーのカスタマイズなどの強化要素を備えたリプレイ性のある常設モード「ヒーローミッション」は開発中止。一方でストーリー要素のある大規模PvEモード「ストーリー任務」が、日本時間8月11日から開幕予定のシーズン6にて実装されることが明かされた。ストーリー任務は15ドル(約2100円)の「オーバーウォッチ 2:インベージョン」バンドル購入者向けのコンテンツとなる見込み。

今回、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるJared Neuss氏がEmongg氏のTwitch配信に登場。オーバーウォッチ2の今後について約1時間のQ&Aが行われた。Q&AはEmongg氏が個人的に気になるトピックとチャット欄に寄せられた質問を交えながら進行し、中でも数多く言及されたのは、有料コンテンツであると発表後にユーザー間で大きな反響をよんだPvEモードに関する話題だ。


まずEmongg氏はPvEコンテンツが単体での購入方法が存在しない理由やバンドルという販売形態が採用された理由を質問。また今後単体購入が可能となる予定についても尋ねた。これに対しNeuss氏は今後のフィードバック次第で変更される可能性もあると断った上で、次のように答えた。同氏によると、開発当初の計画では、ストーリー任務は通常のバトルパス所有者に数ドルで追加できるプレミアム特典という位置付けになる予定だったとのこと。その後チームで話し合いを進める過程で現在のかたちが採用されたそうだ。より多くのプレイヤーがPvEコンテンツにアクセス可能となるといった狙いも説明されている。なおストーリー任務は初の試みであり、フィードバックは大歓迎だという。単独販売のほか、将来のストーリー任務へのアクセス権を含む販売形態も検討されないわけではないと伝えられている。

さらに、すでに発表されているシーズン6のINVASION以降のストーリー任務は、どのくらいの間隔で追加されるのかという質問もおこなわれた。これに対しNeuss氏は「期待に沿える回答ではないだろう」と前置いた上で、少なくとも(シーズン6の)次のシーズン、そのまた次のシーズンのリリースは期待しないでほしいといった旨を伝えている。

『オーバーウォッチ2』のシーズンは9週間間隔であることから、次のストーリー任務の公開は2024年以降となるものと思われる。この回答についてNeuss氏は将来のコンテンツ開発の大半をあらかじめ進めておいたとしても、リリース後にフィードバックを集めてサービスに反映していくために時間を要すると説明した。


なおその後も続くやりとりの中では、6月12日公開されたシーズン6「INVASION」のトレイラーで紹介された要素に関して、Neuss氏の回答からいくつかの新情報も紹介された(関連記事)。まずヒーロー固有のエンブレムが獲得出来る「プレイヤープログレッション」については、キルやアシストといった総合的な戦績のほか、アナのスリープ・ダーツのように「効果的に扱えることがそのヒーローの熟練度を象徴する」ようなアビリティを中心に参照されるという。このシステムはプロフィールを参照した際にプレイヤーのヒーロー熟練度をより簡潔に表す機能となるようだ。


こうした約1時間のやりとりを通して、Neuss氏は折に触れてプレイヤーから寄せられるフィードバックを重視していると伝えていた。5月のPvEモードの大幅な方針転換や、ストーリー任務が有料提供であることなどを受けてユーザー間には賛否が渦巻いた。そうしたユーザーの声を取り入れつつ、PvEモードについてはじっくりと検討されていくわけだろう。今後の動向にも注目しつつ、まずは第1弾となるストーリー任務の登場を待ちたい。

『オーバーウォッチ2』はPC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中だ。