『ストリートファイター6』体験版、最高レベルCPUの“上手い人間みたいな強さ”にプロが称賛、注目集まる。俺より強いやつがゲームの中にいる
株式会社カプコンは4月21日、『ストリートファイター6』の無料体験版をPS4/PS5向けに配信開始した。本体験版では製品版の一部コンテンツを遊ぶことができる。そのうちのひとつであるCPU戦において、最大レベルであるLv8のCPUの「お手本にできるほどの強さ」が注目を集めているようだ。
『ストリートファイター6』は、前作『ストリートファイターV』発売から7年ぶりとなるシリーズ最新作。『ストリートファイター』シリーズは、2D対戦格闘ゲームの基礎を築き上げた人気シリーズだ。昨年12月末時点でシリーズ累計で4900万本以上を売り上げている。最新作となる『ストリートファイター6』ではキャラクターを使い対戦するファイティンググラウンドのほか、プレイヤーの分身となるアバターを作成してストリートファイターの世界を旅するワールドツアー、プレイヤー同士が交流するバトルハブといったゲームモードが収録。新システムやバトル自動実況機能なども実装される。
今回の『ストリートファイター6』体験版配信をうけ、プロゲーマーたちがこぞってCPU Lv8に挑戦している。プロゲーマーであっても、今作のCPU Lv8に勝つのは一筋縄ではいかない様子だ。国内格闘ゲームメディアのFuriousは、プロゲーマーであるネモ氏の挑戦時の様子を紹介。同氏は本作のCPU Lv8のプレイを「お手本のような動き」と評している。また同氏はCPU Lv8との対戦を通じて使用キャラの動きを学ぶことができると述べている。人間でも参考にできる強さを備えているとの見方だろう。ほか、同氏は自身のTwitterアカウントでも本作体験版におけるCPUの出来の良さを伝えている。
前作にあたる『ストリートファイターV』を含め、これまで格闘ゲームにおけるCPUの強さは、理不尽さと紙一重だったといえる。CPUの強さは、人間離れした反応速度と入力速度を由来としたものが多く、いわば“CPUらしい”強さが大半だった。動きはぎこちないがやたらと反応がよく、ガードも非常に正確で、こちらが何かをすると問答無用で反撃してくる、といったイメージだ。そうしたCPUはたしかに強いのだが、こちらから手を出すことが無意味に感じられるほどの超反応に、理不尽さを感じることも多かった。CPU特有のクセを見抜きそこを突くといった攻略法となり、対人戦とは別物だったといえる。
では『ストリートファイター6』のCPUはどうか。筆者も実際に体験版をプレイしてみたところ、今作のCPU Lv8はものすごく強いうえ“人間らしさ”を備えている印象だ。今作でも前述のような“CPUらしい”挙動も見られるものの、そこまでの理不尽さ・不自然さは感じられず、とても上手いプレイヤーと戦っているような感覚だった。
まず今作のCPU Lv8は、ジリジリした間合いの取り合いをしてくる、さまざまな攻め方をしてくるといった“人間らしい”動きをする。なにより「操作キャラクターへの理解」「相手との距離に応じた行動の選択」「コンボの判断・精度の高さ」「システムの使い方」が長けているように感じた。これらの要素はCPU特有の反応速度や入力速度にはあまり左右されず、人間であっても練習次第で鍛えることのできる知識や技術といえる。そのため今作のCPU Lv8からは、ただ強いというよりは、「そのキャラクターの上手な使い手」であるかのような印象も受ける。
また、「ガードの精度」「こちらの攻撃に対する対応」といった理不尽に感じやすい強さは幾分か抑えられており、こちらから攻撃をしかける意義も生まれている。もちろんうかつに飛び込めば対空技で撃ち落とされてしまうのだが、その精度も100%ではない。
総じて今作のCPU Lv8は強烈な強さをもつものの、その強さには“人間らしさ”を感じる。理不尽さを感じる要素が少なく、こちらから攻めるプレイも有効。勝てるかどうかはともかく、上手いプレイヤーとの対人戦の雰囲気をつかむのにはもってこいといえるだろう。
ゲームシステムやキャラクターの多くが一新される『ストリートファイター6』では、CPUを練習相手あるいは先生にして、いろいろと学んでみるのもよいかもしれない。なお筆者はというと、たまたまラウンドを取れたことはあったが、いまだCPU Lv8相手の試合に勝利することはできていない。
『ストリートファイター6』無料体験版は、PS4/PS5向けに配信中。4月26日より、Xbox Series X|S/PC(Steam)向けにも無料体験版が配信予定。製品版は、PC(Steam) /PS4/PS5 /Xbox Series X|S向けに6月2日発売予定だ。
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