“スクエニが作ったわけのわからないゲーム”『資産性ミリオンアーサー』が本格サービス開始。脱力シール集めてNFT作り

 

スクウェア・エニックスは4月20日、NFTプロジェクト『資産性ミリオンアーサー』におけるコアとなるゲーム部分「シール研究所」をリリースした。本作はブラウザから基本プレイ無料で遊べる。

「ミリオンアーサー」シリーズは、スクウェア・エニックスが手がけるメディアミックスプロジェクトだ。2012年にiOS/Androidおよび配信されたカードバトルRPG『拡散性ミリオンアーサー』を皮切りに、関連作品がさまざまなジャンル・媒体に展開されている。展開先としてはアニメ・コミック・スピンオフゲームなど多岐にわたり、一見無鉄砲なほどの振り幅の広さも特色だ。

たとえば、ゲーム内4コマ漫画としてスタートした「弱酸性ミリオンアーサー」は、漫画家のちょぼらうにょぽみ氏が執筆。メタ的ギャグも含む、本シリーズの世界観と現実の倫理観に挑戦するかのようなユーモアを展開し、シリーズ自体のイメージにも多大な影響を与えた。また、テレビ番組「実在性ミリオンアーサー」では女性キャストたちが実写形式で『拡散性ミリオンアーサー』を再現。歌のコーナーなどが視聴者に多大なインパクトを与え、劇中歌を発端として「(王の)UTSUWA」なるワードが謎の流行を見せた一幕もあった。“尖った”取り組みが特徴のシリーズなわけだ。

※ 「実在性ミリオンアーサー」の60秒CM

このたびゲームサービスが開始された『資産性ミリオンアーサー』も、そうした取り組みの一つのようだ。本作は基本プレイ無料でブラウザ上でプレイ可能なNFTゲームとなる。本作の発端となるのは、過去作からのキャラ「アーサー -技巧の場-(通称、技ーサー)」の悪行だ。

彼女はひょんなことから警察に追われる身となり、自身が所有する大量の非合法パンツの処分に追われていた。非合法パンツの処分方法を模索するうちに、パンツをシール化できることが判明。また、寿司をパンツにするテクノロジーも発明される。プレイヤーは、そうして寿司をパンツにし、シール(およびNFT)に変換する遊びに興じることになる。なお筆者は、できるだけ正確に、本作の設定を記述している。


本作はゲームシステムとしては、戦闘によるリソース集めと製造のループとなるシンプルな流れだ。「ミリオンアーサー」シリーズのキャラたちを動員して冒険させて、リソース(寿司)を収集。寿司が集まったら、キャラに今度は寿司を材料としたパンツの製造をさせるわけだ。戦闘後の休憩や、製造には一定時間がかかるため、その間はキャラが行動可能となるまでの待ち時間となる。パンツが貯まれば、池に投げ込んでシールとする。設定こそ意味不明なものの、スキマ時間にできそうな放置系のゲームシステムとなっている。

本作のテイストは上述のちょぼらうにょぽみ氏の作品に準拠しており、イラストの多くも同氏が手がけている様子である。なお、ちょぼらう氏は本作サービス開始にあたり「スクエニがわけのわからないゲームを作ったんで是非プレイしてみてください」と本作に声援を送っている。

なお、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とはデジタルデータに個別識別情報を与える技術だ。ブロックチェーン技術を用いることで、デジタルデータに識別情報を付与し、希少性をもたせることが可能となる。同技術については、いわゆる「金儲け目的の運用・悪用」も目立ち、ゲーマーの懸案の対象でもあるだろう(関連記事)。『資産性ミリオンアーサー』の運営方針はまだ未知数なものの、「ただ面白そうだからNFTゲームを作った」といった「ミリオンアーサー」らしいフットワークの軽さも見て取れる。

※ 先日には生放送も実施され、ユーザーらの疑問に回答

資産性ミリオンアーサー』は、基本プレイ無料でブラウザ上から遊べる。プレイおよびNFT作成にはLINEアカウント連携/ウォレットの登録が必要となるようだ。





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