マイクロソフト、Bethesda Softworksの親会社の買収が完了したことを正式発表。将来の新作の独占化についてもコメント

 

マイクロソフトは3月9日、Bethesda Softworksの親会社であるZeniMax Mediaの買収を、正式に完了したと発表した。マイクロソフトは昨年9月に、現金75億ドル(約8150億円)にて買収する方針を発表。大型買収であることから、米国およびEUの規制当局の審査通過を待ってから、今回の正式発表を迎えた。

今回の買収によって、ZeniMax Mediaが抱える以下の開発スタジオおよびパブリッシングブランドのBethesda Softworksが、マイクロソフトのファーストパーティとして傘下に入る(括弧内は代表作の一部)。

・Bethesda Softworks
・Bethesda Game Studios(Fallout・The Elder Scrolls)
・id Software(DOOM・Quake)
・ZeniMax Online Studios(The Elder Scrolls Online)
・Arkane(Dishonored)
・MachineGames(Wolfenstein: The New Order)
・Tango Gameworks(サイコブレイク)
・Alpha Dog(Wraithborne)
・Roundhouse Studios(Rune)

マイクロソフトのXbox事業を率いるPhil Spencer氏は、今回の買収は業界をリードするファーストパーティスタジオチームを構築する上での次なるステップであるとし、XboxコンソールとPC、そしてサブスクリプションサービスのXbox Game Passは、Bethesdaタイトルを体験するにあたって最高の場所になるとコメント。また、将来のいくつかの新作(some new titles in the future)については、XboxとPCの独占タイトルにする方針であることを明言した。なお、PS5向けの時限独占タイトルとして発表された『Ghostwire: Tokyo』や『DEATHLOOP』については、SIEとBethesdaの契約を尊重するとSpencer氏は以前述べている。

Bethesda SoftworksのPR/マーケティング担当バイス・プレジデントPete Hines氏も、今回の買収完了を受けてコメントを発表した。同氏は、BethesdaがXboxチームの一員になることは、新たな章の始まりであると表現。その上で、Bethesda Softworksはさらなるサポートとリソースを得ながら、これまでと同じように活動を続けるとした。また、Xbox Game PassはXboxにとって重要な位置を占めているとし、同サービスに向けてBethesdaタイトルをさらに提供していく考えを明らかにした。今週内にもタイトルを追加するとのこと。

近年マイクロソフトは開発スタジオの買収に積極的で、傘下スタジオを構成するXbox Game Studiosは15スタジオ。そして、今回Bethesdaの買収が完了したことで、ファーストパーティはさらに拡大した。とはいえ、Bethesdaタイトルの多くはこれまでマルチプラットフォームで展開しており、それぞれの作品のファンも多い。『The Elder Scrolls VI』や『Starfield』といった注目作が控えているなか、どのようなかたちでリリースされるのか興味深い。Phil Spencer氏は、今後の方針については年内にも情報を共有する機会を設けると約束しており、幅広いゲーマーの注目が集まることだろう。