『フォートナイト』『ロケットリーグ』のルートボックス集団訴訟が和解。Epic Gamesが補償として“ゲーム内通貨”を特定プレイヤーに配布へ

 

Epic Gamesは2月23日、ノースカロライナ州ウェイク郡高等裁判所にて係争中だった集団訴訟(クラスアクション)について、原告との間で和解が成立したと発表した。

本件は、同社の『フォートナイト 世界を救え』と、傘下のPsyonixが手がけた『ロケットリーグ』にてかつて提供されていた、いわゆるルートボックスの違法性を問う訴訟。今回、裁判所によって和解案の仮承認がおこなわれ、Epic Gamesは最大2650万ドル(27億8500万円)相当を、米国内の両タイトルのプレイヤーに還元することとなった。さらに同社は、この対象を全世界のプレイヤーに拡大することを決定し、その内容を明らかにした。

PvEモードである『フォートナイト 世界を救え』では、設計図などをランダムで入手できる戦利品ラマが販売されていたが、2019年に廃止。購入前に何を入手できるのかを確認できるX線ラマに置き換える、大きなアップデートが実施された。この廃止以前に戦利品ラマを購入したことのあるプレイヤーには、今回の集団訴訟の和解を受けて「1000 V-Bucks」がプレゼントされるという。訴訟への関与にかかわらず、全世界のプレイヤーが対象だ。特に手続きは必要なく、今後数日以内に対象プレイヤーのアカウントに1000 V-Bucksが追加される予定となっている。

そして『ロケットリーグ』でも、カスタマイズアイテムをランダムで獲得できる木箱が2019年に廃止され、入手できる可能性のあるアイテムをあらかじめ確認できるブループリントに置き換えられた。当時、その木箱を開けるための鍵が少額課金アイテムとして販売されており、購入したことのあるプレイヤーには、今回の和解により「1000クレジット」が提供される。こちらも全世界のプレイヤーが対象であり、手続きも不要。数日以内にアカウントに反映される。

ただ『ロケットリーグ』については、昨年の基本プレイ無料化まで日本ではクレジットが販売されていなかったため、対象となる国内プレイヤーはほとんどいないだろう。

なお今回の集団訴訟において、Epic Gamesはルートボックスに関する違法性は認めておらず、裁判所も判断を下していない。ただ、訴訟にかかる時間や費用などを考慮し、同社は最大2650万ドル相当を支払うことで原告と和解することにしたそうだ。通常であれば、裁判がおこなわれた米国以外のプレイヤーには関係のない話ではあるが、ルートボックス廃止へと舵を切る判断を下した同社の姿勢を、全世界のプレイヤーに示す狙いがあったのかもしれない。