「モンスターハンター」映画の設定は『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のモンハンクエストから着想を得た。映画監督が明かす

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国内では2021年3月26日の上映開始が予定されている、映画「モンスターハンター」。『バイオハザード』シリーズの映画版監督として知られるポール・W・S・アンダーソン氏が監督・脚本を担当するハリウッド実写作だ。映画「バイオハザード」シリーズでおなじみのミラ・ジョヴォヴィッチ氏が主人公アルテミス役を演じる。アルテミス率いるエリート隊が砂漠での偵察任務に就いていたところ、砂嵐に飲み込まれモンスターのいる異世界に迷いこむという筋書きだ。

この現代兵器で戦う兵士が『モンスターハンター』の世界にやってくるという設定は、『メタルギアソリッド ピースウォーカー(以下、MGSPW)』のクロスオーバーコンテンツから着想を得て生まれたものだという。映画の監督・脚本を担当するポール・W・S・アンダーソン氏が、Capcom USAのTwitchチャンネルで実施されたインタビューにて明かした。


そもそもアンダーソン氏は、『モンスターハンター』シリーズがまだ海外ではあまり知られていなかったころから同シリーズを知るファンであり、2009年ごろにはカプコンと映画化に向けた交渉を始めていたという(/Film)。そして現在の映画の脚本は、2010年に発売されたPlayStation Portable用タイトル『MGSPW』に含まれた、『モンスターハンターポータブル 2nd G』とのコラボコンテンツから着想を得たものだと明かした。『MGSPW』には、『モンスターハンターポータブル 2nd G』とのコラボコンテンツとして、リオレウスやティガレックスと戦うEXTRA OPSの狩猟クエストが存在する。現代兵器を操る人間と巨大なモンスターたち。それらを並列してみせる映像に魅力を感じたという。


現代兵器で戦う軍人を主人公にしたもうひとつの意図として、人間のテクノロジー依存を強調したかったとも、アンダーソン氏は語っている。映画で登場するモンスターには、主人公アルテミス率いる兵士たちが使うような現代兵器は効かない。そこでアルテミスたちは銃ではなく『モンスターハンター』シリーズでおなじみの武器類を手に取り、巨大なモンスターたちに立ち向かっていくことになる。同世界のハンターたちはエコロジカルな生き方をしており、現実世界よりも多くの点で優れているという見解も述べた。さらに、映画版のオリジナル主人公を登場させることで、ゲームを遊んだことがない人でも映画を楽しみやすいようにしつつ、シリーズファンに向けても、新しいキャラクターとして同世界に初めて足を踏み入れた時の体験を再現したかったと伝えている。

なお主人公アルテミスが双剣使いである理由は、同キャラクターを演じるミラ・ジョヴォヴィッチ氏自身が『モンスターハンター』をプレイする際に愛用しているからであると、過去のインタビューにて判明している。この点についても、今回のアンダーソン氏のインタビューにて改めて言及された。ジョヴォヴィッチ氏は『モンスターハンター:ワールド』もプレイしており、他の武器も試してみたが、アンダーソン氏いわく、実生活のジョヴォヴィッチ氏のようにスピーディーに動きまわれる、双剣による軽快なバトルが一番のお気に入りになったとのこと。なおアンダーソン氏自身のお気に入りは、ヘビィボウガンだという。


アンダーソン氏は同シリーズの料理要素もひそかに気に入っており、映画「モンスターハンター」ではジョヴォヴィッチ氏と、ハンターのひとりを演じるトニー・ジャー氏の料理シーンが含まれるとのこと。ちなみに現実世界での肉はミディアムレアを好むという。ゲーム好きなアンダーソン氏ではあるが、「ゲームを遊べる時間と子供の数は反比例する」とのことで(妻であるジョヴォヴィッチ氏は今年2月に第3子を出産している)、現在はそれほどゲームに時間を割けていないそうだ。ただ映画の製作時には、我が子の1日のゲーム時間を制限しつつ、自らは仕事のための研究だと主張し、何時間もプレイし続けたというエピソードも、爽やかな微笑みとともに披露している。

脚本やロケーション、モンスターのモデリング、サウンドデザインなど多分野に渡り『モンスターハンター』シリーズの辻本良三氏と藤岡要氏の監修を受けながら製作された映画「モンスターハンター」。日本では2021年3月26日公開予定だ。なお12月4日には、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の無料アップデート(Ver.15.10/Ver.15.10.00)の配信が開始。映画「モンスターハンター」とのスペシャルコラボクエストが追加された(関連記事)。

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