『ドラゴンボール ファイターズ』対戦会にて親子対決が実現。9歳少年の「父超え」の達成に観戦者も盛り上がる


体格差や身体能力の影響が少なく、年齢人種問わずに競技に挑めるeスポーツの世界においては若いプレイヤーが多く活躍しており、10代のプロも珍しくない。そんな中、弱冠9歳にして『ドラゴンボール ファイターズ』にて「父超え」の偉業を成し遂げた少年が現れた。

中野のRed Bull Gaming Sphere Tokyoでは毎週火曜日に「ファイティングチューズデー」と呼ばれる対戦会が開催されており、9歳のTsuyoshi氏はそこの常連だ。毎週父親であるわさ氏と共に現れ、『ドラゴンボール ファイターズ』のミニトーナメントなどに出場し、『ストリートファイターV』のEVOファイナリストとしても知られるもけ氏と対戦するなど、上級者も多くいる環境で着々とその実力を磨いている。「ファイティングチューズデー」の内容は配信もされており、Tsuyoshi氏が勝敗に関わらずゲームを楽しんでいる様子はTwitchのコメント欄でも人気となっている。

今週の「ファイティングチューズデー」では『ドラゴンボール ファイターズ』の初中級者限定大会が開催された。Tsuyoshi氏がいつものようにそれにエントリーした所、なんといつもは息子の応援に徹するわさ氏も同じ大会にエントリーしたのだ。くじ引きによっては親子対決もありえるだろうと期待が高まる中、神のいたずらとでも言うべきか、なんと1回戦にしてわさ氏とTsuyoshi氏が当たってしまったのである。

降って湧いた親子対決に、実況を担当するMajinObama氏とJiyuna氏も大興奮。対戦が始まる前から「すべての男子の目標は父を超えることだが、さすがに9歳に負けるわけにはいかないだろう」や「この親子は一体どんな気持ちで帰りの電車に一緒に乗るのか?」などの発言が飛び交っていた。Twitchのコメント欄も父親応援派と息子応援派にわかれて野次を飛ばす中、いざ始まった試合は最終戦にもつれ込み、最終的には2-1でTsuyoshi氏が勝利を飾った。配信に映し出されたのは思わずのけぞって額に手を当てるわさ氏と、席を立ち上がり父親に軽く礼をするTsuyoshi氏の姿。若すぎる「父超え」の瞬間であった。

親子が対戦台を立った後は、わさ氏がTsuyoshi氏の背中を叩き、「対戦ありがとうございました」の握手。仲の良い親子の様子に観戦者達の心も温まったが、やはり父であるわさ氏としては負けたままではいられない所。後日Twitterにて「つよしに負けました」と泣き顔の絵文字付きで報告した後「次は俺が勝つからな」とリベンジへの意気込みを表明していた。

全体的にプレイヤーの入れ替わりが早いeスポーツの世界において、格闘ゲームは比較的選手生命が長い部類に入り、30代後半で現役のプレイヤーも多い。しかしそんな格闘ゲーム界にもじわじわと「世代交代」の波が押し寄せてきていることは間違いない。9歳にして優れたプレイヤーとしての片鱗を垣間見せ始めているTsuyoshi氏はそんな次世代プレイヤー候補の一人と言えるだろう。いつか彼がEVOの壇上へと登り、この「父超え」の瞬間がTsuyoshi氏の格闘ゲームキャリア第一歩の思い出として語られる、そんな日が来るのかもしれない。