オープンワールドRPG『Kenshi 2』の開発がスタート。続編開発で培った技術は、初代に無料で反映される予定

 

イギリスのインディースタジオLo-Fi GamesのChris Hunt氏は、『Kenshi 2』の開発がスタートしていることを発表した。当初は何も発表せず、プレッシャーのないまま『Kenshi 2』の開発を進め、見せられるものができた際に大々的に発表する予定だったという。しかしながら、開発陣が『Kenshi』正式リリース後に大きなアップデートをしていないことや、世界をおざなりにしていることに対し、怒ったり混乱したりしている人が多くいるという。そこで、人々を安心させるために『Kenshi 2』を開発していることを公表したそうだ。公開された情報は以下のとおり。

・新作の舞台は『Kenshi』から1000年前の「旧帝国」に設定されている。『Kenshi』の世界の歴史や伝承がさらに明かされる。

・新作は『Kenshi』と同じコードとエンジンにて開発されている。
※『Kenshi』のゲームエンジンは、Object-Oriented Graphics Rendering Engine (OGRE)と呼ばれる3Dゲームエンジン。

・『Kenshi 2』ではアップデートされた最新のOGREエンジンを使用。パフォーマンスが著しく向上するはずであるとのこと。

・同じエンジンを使う理由としては、まったく異なるエンジンを使用すると今まで築き上げたすべてが壊れてしまい、完成に“さらに100万年かかってしまう”可能性があるからだという。また同じコードを使うことで、グラフィックよりもゲームプレイに優先度順位をおくという決断したそうだ。開発のスピードも早まるという。

・なお、アップデートされたエンジンは『Kenshi』の方にも無料アップデートで適用されるという。そのほか、『Kenshi 2』開発中に培った核となる改善や小さな要素もまた、『Kenshi』に反映される可能性もあるそうだ。

今回の発表は、『Kenshi 2』の開発をしているという表明だけでなく、『Kenshi』ユーザーも続編開発の恩恵を得られる可能性があることを示している。オープンワールドRPG『Kenshi』は2013年より早期アクセス販売されていたが、実はプレイヤーベースは右肩上がりに伸び続けるという、かなり特殊な数字傾向を持つ作品。2016年まで月間平均ユーザーは2桁であったがそこから3桁に。2018年5月に入ってからは4桁。そして直近での30日は、月間平均ユーザー5500を記録している。早期アクセス発売から6年後に人気のピークを更新し続けるというのは、ほかのタイトルではそうそうお目にかかれない現象だ。

そしてその人気を支えるのは、多彩で自由な生き方を実現するゲームプレイだ。だからこそ、グラフィックが一昔前のものでも多くのユーザーが遊ぶのだろう。ユーザーベースが増え続けるこの段階での『Kenshi 2』の開発表明と、ゲームプレイを重視したOGREエンジンの継続採用。そして初代『Kenshi』への技術反映。今回の発表は、ユーザーの心情をしっかりと把握したうえで下した、的確で巧みな判断だと言えそうだ。