極限状態で戦う傑作シミュレーション『Into the Breach』Nintendo Switch版発表。なんと日本でも発売予定

インディースタジオSubset Gamesは本日8月29日、『Into the Breach』をNintendo Switch向けに発売すると発表した。『Into the Breach』はSteamで高い評価を獲得した、高難易度シミュレーションゲームだ。Nintendo Switch版は、なんと日本国内での発売も予定しているという。

インディースタジオSubset Gamesは本日8月29日、『Into the Breach』のNintendo Switch版を発表した。海外版はニンテンドーeショップにて、すでに配信が開始されている。公式FAQによると、時期は未定であるものの、日本での配信も予定しているという。Nintendo Switch版は、現時点ではゲームパッドによる操作にのみ対応。Subset Gamesは、将来的にはタッチ操作に対応したいとしながらも、現時点では公式には計画していないと語っている。

『Into the Breach』は、今年2月にSteamで発売されたターン制シミュレーションゲームだ。ゲームの舞台となるのは、荒廃した地球。繁殖を続ける巨大怪獣Vekの侵攻により、人類は文明消滅の危機に瀕していた。プレイヤーは未来の世界から時空を超えて、人類の希望である3体のロボットを操作する。最終目標はVekを消し去ることであるが、同時に地球の人々を守る必要もある。さまざまな大陸を渡り、ランダム生成されるマップでミッションをこなし、人類を救うのだ。

本作はターン制のシミュレーションゲームであり、味方と敵のターンが交互に回ってくる。プレイヤーは3体の味方ユニットを動かし、地中から湧き続けるVekを倒し、街を守り続ける。街が壊されてしまうとユニットへの給電量が減っていき、ゼロになるとゲームオーバー。ユニットが倒されてしまうと、中のパイロットは死んでしまい経験値などが失われるが、ゲームは続く。ゲームオーバーになってしまっても、パイロットがひとりでも生きていれば“時間軸を変える”ことで、そのパイロットの経験値を保持したまま再スタートすることが可能。

ステージによってそれぞれ異なる条件が存在するが、基本的にはVekを倒して街を守ることが目標となる。『Into the Breach』は、詰将棋と表現されることが多いように、状況把握と的確な決断がゲーム展開を大きく左右する。というのも、本作では、次のターンに何が起こるのかが可視化されているのだ。Vekがどの街を攻撃しようとするのか、いつどこに波がくるのか、どこに新たなVekが出現するのかがはっきりと見える。生き抜くために、必要な情報がゲームから提供されている。それらの状況を把握し、的確な判断を下さなければならない。ランダム性が極めて低いという意味でも、詰将棋という表現は適切だろう。

ただし、情報が可視化されておりランダム性が低い分、ゲームの難易度は高い。Vekは異常ともいえるスピードでターン毎に繁殖を続けるので、単調に敵を一匹ずつ殲滅していては、街はすぐに倒壊してしまう。極限状態にて、自ユニットと敵の位置関係だけでなく、点在する街や地形を考慮した一手が求められる、シミュレーションゲームなのだ。

開発元のSubset Gamesは、同じく高難易度の宇宙シミュレーション『FTL: Faster Than Light』を手がけており、『Into the Breach』は発売前から期待を集めていた。『Into the Breach』は、その期待に見合ったクオリティに仕上がっており、Steamのレビューステータスも「非常に好評」と高い評価を獲得している。マシンパワーを要さない、じっくりと考えて遊ぶシミュレーションゲームということで、いつでもどこでもプレイできるNintendo Switchとの相性のよさを感じたプレイヤーもいただろう。タッチ操作には対応していないながら、出先でも詰将棋を楽しめるようになる。

Subset Gamesは、『FTL: Faster Than Light』を含めて、これまで自作品のローカライズには消極的であり、PC版を遊ぶユーザーは有志により作られたModを導入して自言語で遊ぶという形態が一般的だった。日本国内向けにNintendo Switch版が配信される際には、英語のまま発売されるのだろうか。それとも、Subset作品としては極めて珍しい、公式の日本語ローカライズが実現されるのだろうか。ベクトルは異なるものの、『ファイアーエムブレム』や『ファミコンウォーズ』に並ぶほど“手強いシミュレーション”が、日本に上陸する日を待ちわびたい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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