『地獄の黙示録』ビデオゲーム化が正式発表、ベトナム戦争の恐怖と壮大さを描く一人称視点ホラーRPGに

 

「ゴッドファーザー」などで知られる米国の映画監督フランシス・フォード・コッポラ氏は、自身の作品『地獄の黙示録(Apocalypse Now)』のビデオゲーム化を正式発表した。ジャンルはRPGとされており、Kickstarterにて90万ドルの開発資金獲得を目指すクラウドファンディングが実施されている。

ゲーム版『地獄の黙示録』で描かれる物語は、映画本編とほぼ同じだ。ベンジャミン・L・ウィラード大尉がウォルター・E・カーツ大佐の暗殺任務を通じ、ベトナム戦争の恐怖と壮大さを目の当たりにすることになる。ストーリーは映画本編で語られたものから大きく変動はしないものの、ゲーム中にはインタラクティブな要素が用意されており、この際にプレイヤーが取った決断によって“ゆるい”範囲でストーリーが変化するとのこと。たとえば残虐行為や高慢な態度を取ると、原作にも登場する仲間たち「PBR Streetgang」との関係に悪影響がでるという。こういった関係性は、選択肢付きのダイアログというよりも、プレイヤーが取った行動や態度によって変化すると伝えられている。

一人称視点のステルスアクションを意識させる公式画像
一人称視点のステルスアクションを意識させる公式画像

どのようなゲームプレイが用意されているのかは明確に語られていないが、まず単純な「Call of Duty in Vetnam」とはならないことが明言されている。ベトナム戦争の恐怖を描くサバイバルホラー要素から、敵との戦闘を避けるステルスアクションまで。また食料・水・薬・ガソリン・弾薬・医療品といったリソースマネージメント要素も盛り込まれており、サブミッションをクリアしたり敵を倒したりすることでこれらを入手する。とはいえアイテムの数は限られている模様で、プレイヤーはこれらを慎重に使わなければならない。

またPC Gamerの取材では、本作は一人称視点のホラーゲームであることも強調されている。ともかく『地獄の黙示録』という名の撃ちまくり系ミリタリーシューターとはならず、原作のサイケデリック感やホラー感を尊重していることは間違いないようだ。

Kickstarterでの各種リワードの出荷時期は2020年が想定されており、トレイラーを見る限りではまだコンセプトのCG映像という感も強く、開発はこれから実際に進んでいくという段階なのだろう。ただし近日中にもプロトタイプ版の映像が解禁される予定とのことで、そちらも楽しみにして待っておきたい。なお開発チームは『Gears of War』『Battlefield』に携わったデザイナーRob Auten氏を筆頭に、『Fallout: New Vegas』『The Witcher』『Wasteland 2』などの制作に関わったメンバーらが参加している。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。