『とびだせ どうぶつの森』にて登場して以来、ファンから絶大な支持を誇るしずえさん（以下、しずえ）。秘書として役所に働いており、勤勉でお茶目。愛嬌がありつつも優しさも見せる、なんとも母性的で可憐なキャラ性が人気を博しており、とうとう『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ではファイターとして参戦。その愛情を抑えられず、怪文章じみた恋文を書き始める人間の大人たちが後をたたない。しかしながら世の中は広く、そんなしずえを嫌うユーザーもいるようだ。Nintendo Soupなどが報じている。
シンガポールに住まうVera氏は、しずえを忌み嫌っているという。しずえについては「役立たずな秘書」「何もしていないくせに村からお金を搾取する、厚かましく腐敗した役人」「途中参加のくせに初期キャラみたいな顔をしている」「責任者顔しながら、トラブルに対応できない」といった印象を抱いており、かなり言いたい放題である。そんなVera氏の夫Ian Cheng氏は、妻のスタンスにはやや異論がありながらも、仲良く暮らしていたという。クリスマスが差し迫り、小売店のゲームコーナーに寄ったIan氏は、いたずらな子供たちが1ドル（おそらくシンガポールドル、1ドル＝80円）で売られているしずえのamiiboにちょっかいを出しているのを発見。しずえが大量に叩き売られているのを見て切なくなったようで、近所の小売店もまわり36体のしずえを購入したのだという。
Ian氏はしずえを使ったある案を思いついたようで、ミニチュアなサンタ帽を大量に購入し、クリスマスの夜に備えた。しかし家には、しずえ嫌いの妻がいるので、36体を隠さなければならない。妻が寝るまでじっと待つ夫。Vera氏が寝静まった後、準備が始まった。作業のプラスティック音で起きてしまわないだろうか。そんな不安に駆られながら、準備を進めていく。ハサミがなく付箋を免許証で切ったり、マーカーが滲んでアルコールで急いで拭いたりと、ハプニングがありながらも乗り切った。カードをもたせ、サンタ帽をかぶせできあがったのが、大量のしずえで祝う「メリークリスマス」である。
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「MERRY CHRISTMAS AND A HAPPY NEW YEAR」。スペースをあわせて36字。それぞれのアルファベットやスペースの文字カードを36体のしずえに持たせれば、クリスマスと新年を祝うサプライズのできあがり。2時間かけたというお祝いは、その作業の労力にふさわしく、凝っていてかわいらしい。唯一無二のサプライズに仕上がっている。妻のVera氏は、朝方起きてキッチンに行く際にはリビングにいるしずえ達には気が付かず、素通り。リビングに戻った時にサプライズを見たそうだ。
大量のしずえ達を見た場面を振り返り、Vera氏は「恐ろしかった（horrific）」と素直にコメントしている。そして「やっぱり役立たずで、マジでイライラする印象だわ」と相変わらずのけなしよう。一方で「私が結婚した相手らしい、ジョークプレゼント」ともコメントしており、Ian氏からサプライズでプレゼントされたことについてはまんざらではなさそうだ。しかしクリスマスが終わってもリビングルームに居座るしずえ達に、Vera氏の皮肉は止まらない。しずえを役立たずの秘書たちと呼び、彼女の怠惰により村の雑草抜きが一向に進まないことを嘆く。『どうぶつの森』にて、村長が自ら雑草対応しなくてはならないことを皮肉り、「村長の私がやらなくてもいいはずなのよ。いい加減しっかりしてよ、しずえ」とキレまくっている。プレゼントには成功しても、妻の心境を変化させることはできなかったようだ。
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ちなみにこのしずえについては、Wii U向け『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』に同梱発売され、その後単独でも発売された「amiibo しずえ【冬服】」であることが濃厚だ。『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』は国内外で大きく値崩れしていた背景も考えると、1ドルで販売されていた理由もなんとなく察することができるだろう。ゲームショップの店員は、店の在庫から根こそぎ買わんばかりの、大量のしずえamiiboを購入しようとするIan氏の目をまっすぐ見て、「いくつ必要なんだ？大口発注か？」と聞いてきたそうだ。それに怖じ気ついてしまったというエピソードが面白かったと氏は振り返っている。しばらくしずえ達は夫婦のリビングルームに居座っているようだが、シーズンが終わった際に、Vera氏からどのような処遇を受けるのか。36人のしずえ達の行く末が気になるところである。
