コナミデジタルエンタテインメントは10月8日、 PS5/PC(Steam)向けに『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版の発売を予定している。これに先駆けて10月6日からは、本作のデジタルデラックス版の特典として先行プレイが可能となっている。
本作は発売前の情報から一部シリーズファンからリメイク後の内容の変化などを不安視する声が挙がっていたものの、先行プレイ開始後にはさっそくSteamユーザーレビューにおいて「圧倒的に好評」ステータスを獲得し、好調な滑り出しとなっている。
原作となるPlayStation 2版『SILENT HILL 2』は、2001年にコナミから発売されたサイコロジカルホラーゲームだ。死んだはずの妻からの手紙を頼りに訪れた町「サイレントヒル」において主人公ジェイムスが巻き込まれる悪夢のような恐怖体験や苦悩が描かれ、シリーズ屈指の評価を誇っている。リメイク版の開発を手がけるのは、『Layers of Fear』シリーズなどホラーゲームの開発を得意とするポーランドのスタジオBloober Teamだ。
リメイクにあたってはゲームエンジンとしてUnreal Engine 5が採用され、グラフィックスおよびサウンドが現代向けに再構築。さらにレイトレーシングなどの技術に対応し、よりリアルで臨場感のある世界を表現しているとアピールされている。
またカメラ視点は、オリジナル版の俯瞰視点から肩越しのTPS視点へと変化。照準をあわせて銃撃したり、敵の攻撃を回避したりと戦闘システムが一新されている点も特徴だ。このほかオリジナル版になかった場所や入ることができなかった探索場所も追加。オリジナル版では戦闘のなかった怪物が敵として立ちはだかったり、新たな怪物が追加されたりと、新要素も盛り込まれている。
先述の通り、本作の前情報からはリメイクにあたってのオリジナル版からの変化などに関して、一部ネガティブな意見も見られていた。たとえば「コンバットトレーラー」と銘打たれた映像では、原作が戦闘を重視したゲームではないにも関わらず主人公が“無双”する場面が披露(関連記事)。このほか、キャラクターデザインの変化によりオリジナル版からキャラの印象がかなり変わったといった声もみられた。Bloober Teamもそうした声を認識していたようで、スタジオCEOがインタビューにてファンの不安を実際の作品で払しょくしたいと答える一幕もあった(関連記事)。
一方で発売に先がけて公開されたメディアレビューでは、多くのメディアから高評価を獲得(OpenCritic)。さらに昨日10月6日の先行プレイ解禁後にはSteamユーザーレビューにも高評価が多く寄せられており、本稿執筆時点で約2700件中95%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスとなっている。前情報からの懸念をひっくり返す勢いで好調なスタートを滑り出したといえそうだ。レビューにおいてはグラフィック刷新やTPS視点になったことなどによる没入感の向上や、原作が持つ雰囲気を保ちつつサイレントヒルの街並みが現代向けに再構築されているといった評価がみられる。また戦闘システムの一新により、戦闘面でも遊びやすくなったといった意見も集まっている。20年以上を経て傑作が丹念にリメイクされた点に、シリーズファンから喜びの声も寄せられているようだ。
なお前情報から懸念されていた要素として、先述したキャラクターデザインのオリジナル版からの変化については、主人公ジェイムスのキャラモデルが当初のトレイラーから変更された様子もみられる(関連記事)。コミュニティーの反応も取り入れつつ開発されたと思われ、そうした点も好評に繋がったのだろう。先述のとおり本作は現在先行プレイの段階であり、明日10月8日の発売後の反響も注目される。
『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版はPS5/PC(Steam)向けに10月8日予定。現在デジタルデラックス版の特典として先行プレイを実施中だ。なお本作コンソール版は、1年間のPS5時限独占が予定されている。