評価転落したモンスター狩りゲーム『Dauntless』開発元にてスタッフの大半がレイオフ。開発チームが改善を誓った矢先に

デベロッパーのPhoenix Labsは1月28日、大幅な人員削減を実施し、従業員の大半が同スタジオを去ることになったと発表した。これによる運営中タイトルへの影響は後日公表するという。

同スタジオは、カナダ・バンクーバーに拠点を置くデベロッパーだ。Riot Gamesの元スタッフらを中心に2014年に設立され、これまでにはオンライン・アクションRPG『Dauntless（ドーントレス）』と、ファンタジー農場運営＆アドベンチャーゲーム『Fae Farm（フェイファーム）』をリリースしている。

今回Phoenix Labsは、大幅な人員削減を実施したことをLinkedInやRedditなどを通じて公表した。具体的な人数は不明ながら、開発スタッフの大半（majority）が影響を受けたとしており、大規模なレイオフとなった模様。同スタジオの運営において何らかの変更がおこなわれ、その一環としての措置とのこと。

同スタジオでは、2023年から2024年にかけても複数回のレイオフが実施されており、昨年には開発中だったすべての新作プロジェクトが中止されたと報告。中にはあと数週間で発表できる作品もあったとされるが、同スタジオは既存タイトルである『Dauntless』と『Fae Farm』の運営に注力する方針を示していた（Game Developer）。

ただ、今回開発スタッフの大半が解雇されたとなると、両作品の今後についても不安視されそうだ。Phoenix Labsは、両作品への影響に関して今後数週間のうちに詳細を公表するとしている。

特に影響が心配されるのは『Dauntless』だろう。本作は、基本プレイ無料のオンライン・アクションRPGだ。最大4人での協力プレイに対応し、世界を食い尽くそうとするベヒモスと呼ばれるモンスターが存在する空に浮かぶ島々を舞台に、プレイヤーはスレイヤーとなって強大なベヒモスの討伐を目指す。

本作は、PC（Epic Gamesストア）/Nintendo Switch/PS4/Xbox One向けに2019年にリリースされ、その後PS5/Xbox Series X|S版も展開。そして昨年12月にはPC（Steam）でも配信開始された。本作はシーズン制にて運営され、当初多くのプレイヤーを集めることには成功したものの、コンテンツの品質やバグなどにより評価は伸び悩むことに。また、PC（Steam）版のリリースにあわせて多くのゲームシステムが変更。ユーザーの少額課金を促す要素が導入されるなどし、大きく評価を落とした。本稿執筆時点で、Steamユーザーレビューは約1600件のうち16%が好評とする「圧倒的に不評」ステータスとなっている（関連記事）。

これを受け開発元Phoenix Labsは、ユーザーの信頼を取り戻すべく改善に取り組んでいくと表明。その最初のステップとなる新シーズンが今年1月17日に開始される予定だったが、突如延期された。当初同スタジオは、可能な限り最高の体験を届けるためと説明していたが、後日予期せぬ事態が発生していると述べており、どうやら今回のレイオフが背景にあった模様である。

もうひとつの作品である『Fae Farm』は、2023年にリリースされ高評価を獲得。同作は売り切り型のタイトルであり、発売後にはDLCやパッチが配信されているが、基本的な開発は完了しているものとみられる。

一方で『Dauntless』は、運営型タイトルとして継続的に開発が続けられてきた。Phoenix Labsにとって、収益の柱として期待されている作品でもあるだろう。ユーザーから厳しい評価を受け、これから立て直しを図ろうというタイミングで大規模なレイオフが実施。開発スタッフの大半が解雇されたとのことで、本作の今後には注目が集まりそうだ。詳しい情報は後日発表される。

『Dauntless（ドーントレス）』は、PC（Steam/Epic Gamesストア）/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに基本プレイ無料にて配信中。そして『Fae Farm（フェイファーム）』は、PC（Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store）/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに配信中だ。