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高評価チルい海中箱庭シム『Life Below』はサンゴ礁を“都市”のように育てるゲーム。専門家も監修のリアル生態系づくり、その作り込みを訊いた
都市建設型の海洋シミュレーションゲーム『Life Below』を試遊してきた。

9月17日から千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)の「Norwegian Games」ブースにて、海の生態系を築いていく都市建設シミュレーションゲーム『Life Below』が試遊出展された。本作は海洋生物学の専門家の知見も取り入れられつつ開発されたという。
『Life Below』は海底にサンゴ礁を築き、滅びゆく海に生態系を取り戻していくシミュレーションゲーム。Megapopが開発し、Kasedo Gamesが販売を担当する。プレイヤーは謎に包まれた「リーフハート」の力を借りて、エネルギーを運ぶサンゴや資源を生み出す貝殻を海底に配置していく。そうして整えた礁にはサンゴガニやアンコウ、シュモクザメなど40種類以上の海洋生物を呼び寄せ、自分だけの海中の楽園を育てていく。リラックス系の箱庭ゲームでありつつも、物語と環境問題への目線もしっかりあわせ持つ作品だ。

なお、本作はすでに2026年5月26日にPC(Steam)向けに発売されており、日本語にも対応している。今回の出展は発売から約4か月を経て、改めて日本のプレイヤーに本作を手に取ってもらうための場でもあったと言えるだろう。弊誌も会場で本作を試遊することができたので、本稿では実際のプレイを通じてその内容を紹介していこう。
ゲームを開始すると、ちょっとしたムービーとダイアログでプレイヤーが海中環境の守護者となる経緯が示される。なかなか興味深いストーリーと設定も用意されている本作であるが、ネタバレへの配慮もかねて、本稿では詳しく触れず、序盤のゲームプレイの解説と感想を中心に進めよう。本作ではまずマップの中心に海底環境の心臓となる「リーフハート」が存在する。このリーフハートはサンゴ礁を維持するためのエネルギーを大量に生産してくれるほか、プレイヤーが管理できる範囲、つまり「都市」の規模も定義する施設だ。のちに研究でこのハートをレベルアップさせることで、エネルギー生産量が大きく増加し、サンゴ礁のエリア規模も拡大するというわけだ。

ハートが生産するエネルギーを消費しつつ資源を生み出すのが「二枚貝」や「芽吹きサンゴ」だ。これらは一定時間ごとに「サンゴマター」や「パール」のような資源を生産し、内部ストレージに蓄積させていく。こうして蓄積された資源は、クリオネのような見た目をした「水の妖精」たちがハートに運ぶことで、新たな施設の建設に使えるリソースとなる、というわけだ。また、ハートの生み出すエネルギーを施設に伝えるための電線のような役割を持つ「ムーンサンゴ」なども存在する。ムーンサンゴはそれ自体が微量ながらもエネルギー生産能力を持つため、ハートがアップグレードされるまでは基本的にムーンサンゴ頼みで施設の増加と釣り合うようにエネルギー生産量をあげていくことになる。
ここまでは実にオーソドックスな都市建設シミュレーションといった感じだが、本作の独自性が出てくるのはここからだ。研究で新たな施設や能力をアンロックするために「生物多様性」というリソースが必要になってくる。この生物多様性はその名の通りサンゴ礁に多種多様な生物を住まわせないと獲得することができない。そのためプレイヤーは魚のエサを生産する「藻類サンゴ」や、魚たちの住処となる「イソギンチャク」を研究・建設し、クラフトした「ルアー」で魚を呼び寄せて定住させることになる。なお、最初に来てくれるのはイソギンチャクとの共生で知られる、オレンジ色も鮮やかなカクレクマノミたちだ。定住してくれている間はサンゴ礁を優雅に泳ぎ回っている姿が見られるため、観賞魚が好きな方にとってはたまらないビジュアルだろう。

今回の試遊ではこの後研究でリーフハートを進化させ、資源の貯蔵量上限を拡張する「ストレージサンゴ」の建設に差し掛かったあたりで切り上げることとなってしまった。しっかりとリソース管理が求められる都市建設シミュレーターとしての基本は外さず、その上で海中という独自の設定を活かしたシステムやビジュアルが魅力的な作品であった。
最後に、会場で本作のゲームディレクターを務めるLise Hagen Lie氏に話を伺うことができたので、そのミニインタビューをお届けする。

――本作は、どのようなプレイヤー層にとって一番魅力的なゲームに仕上がっていると思いますか?
Lise Hagen Lie氏(以下、Lie氏):
プレイヤーの皆さんの反応を見ていると、一番楽しんでくれているのは腰を据えてじっくりと没入感のある体験をしたい方々ですね。実際、いわゆるリラックス系のゲームが好きな方に多く遊んでいただいています。その一方で、戦略性を求める方にもしっかり楽しんでもらえています。もともと私たちが想定していたのも、没入感がありつつちょっとした戦略的な歯応えもほしいという層でした。発売後はフィードバックを受けて、よりリラックスして遊べる要素も追加しています。ですから今は、どう遊ぶかをかなり自由に選べるようになっています。
――都市建設ゲームのファンに向けて、本作ならではの特徴を教えてください。海底という舞台だけでなく、ゲームの仕組みとしてはどのような違いがあるのでしょうか。
Lie氏:
一番の特徴は、生物多様性をゲームに組み込んだ点だと思います。たとえば、ひとつのゾーンに同じサンゴだけを置くことはできず、配置する構造物そのものに多様性を持たせる必要があります。後半になるとどんな魚や生き物を呼び込むかにも関わってきて、種類が多いほど多くの生物多様性が得られます。新しい生き物を探し迎え入れることをゲームの仕組みに取り込んだ点は、本作ならではだと思います。
また、地形はプロシージャル生成になっています。キャンペーンを始めるときに名前を付けるのですが、その名前がシード値になっているんです。たとえば「AUTOMATON」と名付ければ、同じ名前を入力した人は誰でも同じ地形で遊べます。そのうえで、エネルギーのネットワークをつなぐにはどう配置すればいいか、ゾーンをハザードから守るにはどうすればいいかといった戦略を練ることになります。
あと、もうひとつ面白いのが「Wildlife View」です。実際に中に入って、いろいろなものを間近で見られるんですよ。こうやって魚を追いかけることもできます。
――ちょっとした水族館のようですね。
Lie氏:
そうなんです。資源をどんどん集めて戦略的に遊ぶこともできますし、水族館の魚を眺めるように、のんびりと自分の世界を作っていくこともできます。どちらの遊び方をするかは、プレイヤー次第です。

――試遊でも、生き物を増やすことが研究の開放につながっているのは印象的でした。
Lie氏:
そうですね。生物多様性は現実の海でもとても重要なものなので、ゲーム全体に組み込もうとしました。本作のメカニクスはすべて、現実のサンゴ礁の仕組みをベースにしています。もちろん抽象化しているので1対1で同じというわけではありませんが、かなり近いものになっています。たとえば岩の表面にしか建てられないというルールは、現実のサンゴが育つのに硬い土台を必要とすることに基づいています。
開発中は海洋生物学のアドバイザリーボードに協力してもらいました。「これはどういう仕組みなんですか?」「あれは何ですか?」「これって理にかなっていますか?」と、ずいぶん初歩的な質問をたくさんしたんです(笑)。そこで何が正しいのかを教えてもらい、それを「どうすればゲームにできるか」と考えていきました。ほかの都市建設ゲームでおなじみの仕組みも取り入れていますが、それはサンゴ礁の成り立ちをプレイヤーに理解してもらいやすくするためでもあります。そのわかりやすさを土台に、本作独自の要素を織り込んでいます。
――本日はありがとうございました。
『Life Below』は、PC(Steam)向けに配信中。ゲーム内は日本語表示に対応しており、Steamではデモ版も配信されている。
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