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「ホラーゲームは稼ぎやすい」という時代は終わったのか、開発者ら議論白熱。競合の数と成功率、両軸で考えるとどうなる
ホラーゲームの作りやすさ・稼ぎやすさに関する議論が海外掲示板Redditにて生じている。

ゲームジャンルとして根強い人気を誇る「ホラー」。昨年には『SILENT HILL f』といったAAAタイトルに加えて、『R.E.P.O.』や『ミメシス』などのタイトルもヒットを記録。いわゆる“フレンドスロップ”と呼ばれるマルチプレイ型のゲームプレイとの相性の良さなども露わになった。そんな今日において、ホラーゲームの作りやすさ・稼ぎやすさに関する議論が海外掲示板Redditにて生じている。
RedditユーザーのFickle-Artichoke-514氏は、開発者向けコミュニティ「r/gamedev」にて、「ホラーゲームを作れ」というアドバイスは時代遅れではないかと提言をおこなった。同氏によれば、ゲームマーケティングコンサルタントのChris Zukowski氏をはじめ多くの人物が、稼ぐためにはホラーゲームを作るのがいいと長年にわたって言い続けてきたと説明。実際にZukowski氏は、「14 Reasons why every indie game developer should make at least one horror game(どのインディー開発者も最低1本はホラーゲームを作るべき14の理由)」という記事(リンク先の記事にショッキングな画像が登場するため注意されたい)を2023年10月に公開しており、作りやすさやヒットのさせやすさなどさまざまな観点からホラーゲーム開発を推奨している。
一方でFickle-Artichoke-514氏は、データを見る限りはホラーゲームが簡単に作れるとは思えないとの考えを述べた。というのも、同氏がGames-Stats.comを用いてSteamのゲームについて調査したところ、「ホラー」タグの付いたゲームの推定収益の中央値はそれほど高くなかったという。そして、中央値にあたるようなホラーゲームを見てみるとかなり出来が良く、到底自身が2週間で作れるようなものではないと思ったそうだ。
この投稿に対して、開発者やゲーマーからは多数のコメントが寄せられた。たとえばローグライクRPG『Tangledeep』などを手がけたImpact Gameworksの創設者Andrew Aversa氏は、Zukowski氏が今年1月に公開した別の記事を紹介。この記事では、昨年にリリースされたタイトルのジャンル別の傾向が分析されている。これによると、2025年にリリースされたホラーゲームのうち3.2%がレビュー数1000件に到達しており、2024年の1.81%と比べて大きく伸びたことも分かる。

コメントをおこなったAversa氏は、RTSではレビュー数が1000件以上の作品はわずか0.9%しかなかったことにも触れている。そうした制作の難しいジャンルと比べれば、ホラーゲームが依然として比較的ヒットしやすいこともわかるデータだ。
また、一人称視点ホラー『Caput Mortum』などを手がけたWildArts Studioは、テーマとなっている「ホラーゲームを作れ」とのアドバイスが、本来の意味を失ってしまっていると主張した。WildArts Studioいわく、これはホラーゲームを作れば稼げるという意味ではなく、初心者開発者にとってよい入口であるという意味だという。初めての商業作品としてRPGやオープンワールドのクラフトゲームなどを作るのは非常にリスクが高く、プロジェクトを完成させることすら難しいと説明。それに対して、ホラーゲームはいくつかの巧みなアイデアさえあれば、初心者レベルのスキルをもってしても格好いいものを作れるとしている。Zukowski氏の記事では平均収益の高さについても触れられているとはいえ、WildArts Studioとしては参入障壁の低さが主なメッセージであると捉えているわけだろう。
実際にそうしたハードルの低さが影響してか、過去にはSteamのホラーゲームが増加傾向にあることも確認されていた。Steamの作品総数自体が急増した2024年において、「ホラー」タグのついたゲームは前年比+60.66%と、他ジャンルと比べて目立った急増を見せていた(関連記事)。ただし、これは同時に競合となる作品が増えることも表している。前述したZukowski氏の統計が示すように、ホラーゲームがヒットする割合は他ジャンルよりも高い水準にあるとはいえ、開発者にとって自身の作品が埋もれてしまうのではないかという懸念を生む状況にも繋がっているのかもしれない。
また別の調査では、対象をインディーゲームに絞った上で、その収益性について分析していた。ゲームマーケターのDmitrii Afanasev氏はVideo Game Insightsのデータをもとに、2024年にSteamでリリースされたインディーホラーゲーム778本について集計。その結果、500件を超えるレビューを獲得したのはわずか56本であったという。そして、そのうち59%のゲームが20万ドル(約3200万円)以上、2%が100万ドル(約1億6000万円)以上の収益を上げたと推定している。インディー作品としての成功の基準は一概には言えないものの、注目を浴びたタイトルでは収益が見込める一方で、そこに達するには狭き門をくぐる必要があるともとれる。

いずれにせよ、そうした過去数年のデータを見るに、参入のしやすいジャンルでありつつも、商業的な成功のしやすさはまた別の話といえるかもしれない。少なくとも、現実は「ホラーゲームを作れば売れる」と言えるほど甘くはないのだろう。もっとも、一口にホラーゲームといっても、ジャンプスケアのあるコテコテのホラーから、アクション要素を重視したもの、『Lethal Company』『R.E.P.O.』に代表されるCo-opホラーまで形態はさまざま。開発規模によっても違いはあり、今日ではそれらを一括りにしてホラーを語るのも難しくなったのかもしれない。
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