アトラクチャーは8月31日、『ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution』を発表した。PC(Steam)向けに配信予定で、配信開始時期は未定。
『ANLIFE』は、仮想生物の営みをシミュレートする作品だ。本作には一般的なゲームと違い、ゴールなどは設定されていないという。本作でプレイヤーは創造主となり、物理エンジンベースの世界で活動する「モーションを自己学習していく仮想生物」を創り上げ観察。仮想生物たちが進化していく過程を楽しめるという。
仮想生物たちは、ダーウィンの提唱した自然選択(あるいは自然淘汰/Natural Selection)の仕組みに基づいた営みを見せてくれるという。プレイヤーは、世界の創造主として物理法則や自然環境を調整。資源を豊富にして生命種を増加させたり、逆に氷河期をつくり淘汰圧を強め、種を選別したりできるという。
またプレイヤーは、仮想生物に対して「突然変異を引き起こす」「反重力といった特異な要素を生物の遺伝子に盛り込む」といった行為も可能。発生させた生物を「人工生命動物園」に送ることもできるそうだ。ほかにも、特定の種をひいきして繁殖させるようなプレイも可能。それぞれの仮想生命が生き抜こうとする箱庭のなかで、進化実験をおこなう作品となっているわけだ。
本作開発の中心となるのは、開発元アトラクチャー代表の中村政義氏だ。同氏は2009年に本作の前身となるシミュレーター『anlife』を開発。同作は当時ニコニコ動画といった動画配信サイトで話題となったという。そして同氏が別に開発したシミュレーターは、ドワンゴの川上量生氏が紹介するかたちで2016年にNHKの番組にて取り上げられた。その際には宮崎駿氏が「極めて なにか生命に対する侮辱を感じます」とコメントし話題となった。
なお、宮崎氏によるコメントは、人工知能によるモーションの生成を「ゾンビゲームで使えそうな気持ち悪い動き」として川上氏がプレゼン。比較的リアルな人間型モデルによるデモンストレーションが提示され、宮崎氏が否定的な意見を述べたという流れだった。
一方で、本作での仮想生命はより可愛らしいデザイン。『ANLIFE』開発の動機としては「地球上の生命が遺伝や自然淘汰といった仕組みで進化していく深遠なるプロセスを、デジタル空間で再現して新たな生命を誕生させること」と述べられている。やはりややマッドサイエンティスト感はあるものの、興味深い題材だろう。
『ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution』はPC(Steam)向けに配信予定。価格および発売日は未定だ。
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