『エルデンリング』にて「全ボス一気にノーヒットクリア」達成される。9時間以上、165体の闘い


エルデンリング』にて「本作に登場する全ボスを、攻撃を一切受けずに倒す」という挑戦が達成され、注目を集めている。9時間以上を通して達成された狂気のチャレンジが、『エルデンリング』挑戦史に新たな足跡を残したようだ。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPG。本作は広大なオープンワールドを舞台としつつ、『ダークソウル』シリーズなど同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く継承。新要素も盛り込まれている傍らで、戦闘は手強い調整であり、特にボス戦闘ではその傾向が顕著だ。また、マップの設計上でも、厳しい環境・罠・不意打ちなどがしばしば登場する。各所に配置されたダンジョンのなかには、プレイヤーの心を折らんとするばかりのほぼ即死ギミックが仕組まれていることも。プレイヤーは必然的に、幾度の死を乗り越えて、傷だらけになりながら数多の難局を突破していくわけだ。

しかし、そんな容赦ない本作にて「攻撃を食らわずして、165種の全ボス戦をクリアする」という挑戦が達成されたようだ。挑戦者は、ストリーマーのGinoMachino氏。『ダークソウル』シリーズや『エルデンリング』のやりこみプレイで知られる人物だ。

GinoMachino氏が挑戦に成功したのは、10月26日のこと。上述のツイートで同氏は「世界で初めての、ノーヒット全ボス撃破チャレンジ完了」として成功の瞬間の映像を共有。その喜びを伝えている。クリアタイムは、9時間25分10秒。『エルデンリング』でのノーヒット全ボス撃破が実際のどれほど厳しいチャレンジか、おさらいしたい。

まず、『エルデンリング』には165体のボスが存在する。これは再登場するボスについては登場ごとに1体とし、同時に複数体現れるボスや形態変化などについては、まとめて1体とカウントしたかたちだ。まずこの時点で膨大な物量であり、その中にはチュートリアルボス「ゴドリックの軍兵」から、本作屈指の難敵といわれる「ミケラの刃、マレニア」まですべてが含まれる。この時点で、全ボスを“攻撃を食らわず倒す”ことの過酷さは伝わるだろう。


今回のチャレンジにおける、ボス戦での基本戦術としては、祈祷「シャブリリの叫び」や戦技「切腹」などで攻撃力を高め、火力で押し切る方法が主体となったようだ。武器は「星獣の顎」を頻繁に用いており、同武器の戦技である「重力雷」を敵に幾度も叩きつけ、行動させないまま完封している様子がよく見られる。「能力による完封」というとお手軽に聞こえる。しかし、星獣の顎を取得するにも難敵を倒す必要があり、また重力雷で完封できるボスも限られる。そうしたボスらに対してGinoMachino氏は、ただただ的確な回避と攻撃によって対処している。単なる戦技頼みではなく、極めて高いプレイヤースキルを備えた上での、プレイ効率化戦略といえるだろう。

そして、165体のボスたちを倒していく道中も難関となる。今回のチャレンジにてGinoMachino氏は、道中で攻撃を受けることも避けている。一方で、本作のマップの随所、とりわけダンジョン内にはプレイヤーキャラを狙う入念なギミックや的配置が存在しているのだ。GinoMachino氏は、そうしたリスクも入念なルート取りと経験によって華麗に突破している。道中では、敵から発見されづらくなる「暗殺の作法」を活用するなどの工夫もしているようだ。


そして高いスキルをもつGinoMachino氏にとっても、今回の挑戦は困難だったようだ。過去にも『エルデンリング』の全ボスを別個にノーヒットで倒した例は存在した。しかし、GinoMachino氏の今回の挑戦では、一連のノーヒットプレイを一気に実施。途中で休憩をはさみつつも、 9時間以上にわたる極限の挑戦を通しで実行したわけだ。

挑戦の最後のボスとなったのは、本作のチュートリアルボスである「ゴドリックの軍兵」。全ボス撃破達成の瞬間にGinoMachino氏は、言葉に詰まりつつも感無量の様子を見せていた。その後には「今回は成功する自信がまったくなかった」とも告白している。成功する気がしなくとも、諦めずに挑むことで、今回のチャレンジが成し遂げられたのだろう。この成功をSNS上などで称賛されたほか、TheGamerなど各メディアも報じるに至った。


*挑戦最後のボス戦闘は動画8時間55分頃


なお、GinoMachino氏はノーヒット全ボス撃破を成功させると3月に発言している。実に7か月以上を経ての有限実行となった。またその間に同氏は、「『エルデンリング』を素手による殴りのみでクリアする」といった荒行さえも成功させている。そして今回の挑戦成功後も、「祝福に触れずに全ボス撃破」などさっそくほかの難関に挑んでいるようだ。GinoMachino氏のノーヒット全ボス撃破ランは、本作の挑戦史におけるマイルストーンとなった。今後も、同氏やほかの猛者たちが新たな記録を打ち立てていくことだろう。