ホラーパズルゲーム『Poppy Playtime』Steam版のプレイヤー数が突如急増。評価分かれる無料化とDLC配信がきっかけか

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デベロッパーのMOB Gamesが手がけ、2021年10月からSteamにて配信中のホラーパズルゲーム『Poppy Playtime』が、この5月に入って突如大きな賑わいを見せているようだ。それまで3桁で推移していたピーク時の同時接続プレイヤー数が、一気に1万人を突破している。

『Poppy Playtime』は、架空のおもちゃメーカーPlaytime社の製造工場跡を舞台にするホラーパズルゲームだ。PC版のほかにiOS/Android版も配信されている。Playtime社は業界トップのおもちゃメーカーだったが、ある日工場内の従業員がみな忽然と姿を消してしまい、それ以来廃墟となっている。プレイヤーは、その失踪事件の真相を探るべく工場内を探索することとなる。

薄暗い工場内には、製造ラインや倉庫などさまざまなエリアが存在。おもちゃ工場らしくポップな装飾が施され、かつては楽しげな雰囲気であったことがうかがえるが、今となっては逆に不気味。プレイヤーは序盤にGrabPackと呼ばれる装備を入手し、これを駆使してパズルを解いていく。

GrabPackは伸びる腕のようなアイテムで、離れた場所にあるスイッチを押したり、オブジェクトを掴んで動かしたりできる。左手は青色、右手は赤色をしており、その使い分けも重要だ。また、伸ばした腕は電気を通すワイヤーにもなっているため、電源から電気を引っ張ってきて機械を動かすためにも利用可能。そうしてパズルを解き部屋を進んでいくが、やがてプレイヤーの背後には恐ろしげなおもちゃの影が忍び寄ることとなる。

Image Credit: SteamDB

本作は、PC(Steam)版が2021年10月に、モバイル版は今年3月にリリースされた。Steam版の同時接続プレイヤー数の日々のピークを見てみると、配信からずっとおおむね1000人以下で推移している。TwitchやYouTubeでの実況配信における盛り上がりは昨年から存在したようだが、プレイヤー数に大きく反映されるまでには至っていなかった様子である。

そうした状況が、今年5月に入って一変する。5月6日ごろになって本作の実況配信での視聴者数が突如爆増し、それにつられるようにしてプレイヤー数も増加。Steam版の同時接続プレイヤー数のピークは、もっとも多い日で約1万4000人にまで達した(SteamDB)。

ちょうどこのタイミングには、本作のチャプター2がDLCとして配信開始されている。工場内に新たなエリアやおもちゃが登場し、またGrabPackには緑色の手が追加された。さらに、ゲーム本編にあたるチャプター1が無料化。DLC配信により実況配信がふたたび活発になり、時を同じくして無料化されたことで、多くのプレイヤーを呼び寄せることになったものと考えられる。今のところ、同時接続プレイヤー数は右肩上がりとなっており、今後どこまで伸ばすこととなるのか注目される。

このように大きな盛り上がりをみせている本作であるが、現時点のSteamでのユーザーレビューのステータスを見てみると、すべてのレビューでは「やや好評」、最近のレビューでは「賛否両論」となっている。必ずしも大絶賛を受けているというわけではない様子である。

この微妙な評価の背景には、ゲームそのものへの批評というよりも、開発元MOB Gamesへの不信があるようだ。原因のひとつは、先述したチャプター2のDLCの価格にある。追加チャプターのDLCは各4.99ドルで販売するとストアページ上で予告されていたが、実際には9.99ドル(日本国内価格1010円)で販売されたのだ。現在は4.99ドルという予告の記述は削除されている。

また、チャプター1の無料化に際して、それまでに有償(4.99ドル/520円)で購入したユーザーに対して、何らかのかたちで補償するような施策を特におこなわなかったことについても不満の声が聞かれる。バグなど技術的な問題を除けばゲーム自体はおおむね好評のため、開発元の価格戦略や説明不足が招いたややもったいない状況といえる。

『Poppy Playtime』は、PC(Steam)およびiOS/Android向けに配信中だ。

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