『エルシャダイ(El Shaddai)』Steam版の開発は続いている、10周年にあわせてのリリースなるか


国内のゲームクリエイター竹安佐和記氏は12月7日、Steam版『エルシャダイ(El Shaddai)』制作の進行状況を明らかにした。Twitterを通じて随時情報を発信していくとしている。
 

 
『エルシャダイ』は、2011年に PlayStation 3/Xbox 360向けに発売した3Dアクションゲームだ。竹安氏の創作作品群「神話構想」シリーズのひとつで、創世神話をモチーフとしたストーリーが展開。天界の評議会による大洪水計画を阻止するべく、人間であるイーノックが堕天使たちを捕縛すべく戦いに身を投じる様が描かれた。発売後に開発チームが解散したため物語は未完となったものの、小説や漫画などのメディアミックスを交えてストーリーを補完。2017年には世界観を同じくするゲーム『ザ・ロストチャイルド』が発売されるなど、独自にシリーズを展開してきた。

もっとも本作の名を知らしめた一因が、発売前に公開されたプロモーションビデオの一幕だ。鉄鎧を着込んで地上への戦いにおもむこうとするイーノックに対し、案内役の大天使ルシフェルが「そんな装備で大丈夫か?」と問いかける。「大丈夫だ、問題ない」と自信満々で降り立つイーノックだが、あえなく一瞬でタコ殴りに遭ってしまう。するとどこからともなく天の声が響く。「神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと――」との言葉とともに時間が巻き戻り、場面はふたたび地上へ飛び立つ直前のシーンへ。またしても「そんな装備で大丈夫か?」と問われたイーノックは「一番いいのを頼む」と素直に頼み、独特の白い鎧に身を包む。もういちど舞い降りたイーノックは見事に敵を返り討ちにし、得意満面で勝利する。
 

 
幻想的で美しいアーティスティックなビジュアルスタイルが採用され、天使や神が登場するといった高尚な題材ながら、真面目ながらもおかしなセリフがかわされるイーノックとルシフェルのシュールなやりとりが特徴の本作。そのギャップが笑いを誘い、発表当時は一躍話題に。ニコニコ動画などを中心にネットミームと化し、上記のルシフェルのセリフは2010年度ネット流行語大賞年間大賞金賞を受賞した。また2018年のエイプリルフールには、同シーンの切り抜きなど本作を題材としたフリー素材を公式配布し、独自の展開を見せている。

竹安氏は2018年、国内ゲームメディアGame*Sparkのインタビューにて本作のSteam版制作に言及。実現に向けて動いてはいるものの、当時の開発環境とのギャップもあり難航している旨が語られた。以来、本件に関する続報は途絶えていたものの、このたびのツイートで改めてプロジェクトが進行中であることが確認できたかたちだ。現在は対応プラットフォーム変更にともない言語切り替えに対応したオプション、オプション代替を兼ねたランチャーを開発しているとのこと。PC版は少なくとも英語・日本語2言語の音声・字幕に対応するようだ。またリプライ欄では来年の『エルシャダイ』10周年に間に合わせたいとの意思が語られており、リリース時期は2021年4月となる可能性が高い。
 

 
今後、Steam版『エルシャダイ』の情報は竹安氏Twitterにて進行状況が語られるとのことだ。