サバイバルホラー『夕鬼』2021年春発売へ。1990年代日本、終わらない夕焼けの世界に囚われた少女の怪奇譚

 

コーラス・ワールドワイド合同会社は11月25日、サバイバルホラー『夕鬼』を2021年春に発売することを発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)およびPlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One。
 

 
『夕鬼』は1990年代日本を舞台にした一人称視点のホラーゲームだ。主人公は、気づかぬうちに自ら心に殻を作ってしまった小学5年生の少女。あるとき彼女は無理やり誘われた肝試しに参加したことで、ツンと呼ばれる幽霊に取りつかれてしまう。夕焼けに照らされた異世界で強要される命がけの「遊び」。影しかない人間や目玉の化け物といった化け物から、少女は日々逃げ延びることとなる。やがて怪異は、異世界だけでなく現実世界にも出現するように。そして、少女自身にもある異変が生じてゆく。

本作は、脱出に必要なアイテムを探す「かくれんぼ」のような前半パートと、手に入れたアイテムを持って逃げる後半パートの「鬼ごっこ」に分かれているという。チェイスの前によくマップを把握して脱出経路を把握しておくことが重要となりそうだ。幼い主人公は敵を倒す手段をもたないため、敵の特性に応じてさまざまなステルスを使い分ける必要があるようだ。目の見えない敵は息を止めてやり過ごすことが可能。また耳の聞こえない敵からは身を隠しながら歩き、時には走りぬけることも必要となるという。ただし大人ほど速く走れないため、相手との間合いを見極めることも重要だろう。追いつかれる前にロッカーやベッドの下、押し入れなど、どこか身を隠す場所に逃げこもう。
 

 
本作には「学校」「病院」「日本家屋」という3つのロケーションが登場。どこか見覚えがあるような懐かしさと、何かがいるかもしれない怖さを併せもった舞台で、5章からなる物語が展開されるという。病院の扉を開けたはずが日本家屋につながり、ふすまを開けたのに学校へとつながるなど、各エリアが不規則に接続する奇妙な空間が広がっているようだ。不気味さながら美しくもある斜陽の世界は、PC/PS5/Xbox Series Xで稼働時は4K解像度と60fps動作に対応して描かれるとのこと。シナリオをクリアすると、もうひとつの異なるストーリーが出現し、周回プレイ要素も備えているようだ。

本作は、TAIPEI GAME SHOW INDIE GAME AWARD 2020 受賞のノベルゲーム『夕鬼零』と世界観を共有している。SteamVRおよびNintendo Switchにて『夕鬼零』をプレイしておくことで、よりいっそう『夕鬼』の世界観や物語を理解することができるとのこと。『夕鬼零』はレトロな雰囲気が好評を博していた一方、登場人物の描写不足に惜しさを感じるとの声もあった。『夕鬼』におけるストーリーテリングが強化されているかどうか、注目しておきたいところだ。
 

 
なお本作は11月29日に開催される『デジゲー博 2020』および『AKIHABARA GAME SHOW』にてプレイアブル出展を予定している。PC版を4K環境でいち早く体験できるチャンスなので、興味があれば足を運んでみるといいだろう。『夕鬼』はPC(Steam)およびPlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに、発売予定だ。