Steam版『ウィッチャー3』2018年10月以降の売上が5000万ドルを突破。旧作ながらSteamの収益配分変更ラインに到達する

 

CD PROJEKTは2月21日、Steam版『ウィッチャー3 ワイルドハント』の2018年10月1日以降の売り上げが5000万ドル(約56億円)を突破したことを発表した。これにより、Steamにおける同作の収益配分が変更される。同作は2015年5月に発売されたタイトル。4年半近くが経過した今でも親しまれているシリーズ屈指の人気作であり、2019年12月にNetflixオリジナルドラマ「ウィッチャー」が公開されてからは、Steamにおける同作のプレイヤー数が大幅増加。ローンチ時を超える賑わいを見せた(関連記事)。

ドラマ公開月の2019年12月には、米国における同作パッケージ版売り上げが前年同期比554%増を記録。小説版の同数字も562%増という人気の再加熱ぶりであった(VentureBeat)。売り上げが増えた要因としては、同年10月に発売されたNintendo Switch版の存在が大きいが、そちらを除いてもなお大幅な増加率となっている。

また2018年10月以降のSteam版売り上げが5000万ドルに到達した結果として、今後Steam版『ウィッチャー3』から生じる収益のCD PROJEKT取り分が80%になるとも報告されている。これは、Steamを運営するValveが2018年12月に適用したSteam配信契約の変更に関わる話である。通常、Steamでリリースされるゲームの収益分配率はValveが30%、パートナーが70%となっている。ただし、2018年10月1日以降、Steamにおけるゲームの収益が1000万ドルに達すると、その後の収益に対するパートナーの取り分は75%に変更。5000万ドルに達すると、その後の収益に対するパートナーの取り分は80%になると定められている(関連記事)。「2018年10月1日以降のSteam版売り上げ5000万ドル突破」という今回の発表には、このような意味合いが込められているのだ。

好調ぶりを伝えるニュースが続くCD PROJEKT。2月20日には、同社の時価総額が欧州で2番目に高いゲーム会社になったとも伝えられている(GameSpot)。1か月前の68億ドルから80億ドルにまで上昇しており、ゲーム会社として欧州1位のUbisoft(約96億ドル)に近づいている。先述したようなドラマ版「ウィッチャー」効果や米国での売り上げ増の知らせが、株価にも影響しているのだろう。なおNintendo Switch版『ウィッチャー3』は、最新アップデートによりPC(Steam/GOG)版とのクロスセーブに対応している(関連記事)。

人気再加熱のきっかけとなったNetflixオリジナルドラマ「ウィッチャー」は、2月にシーズン2の撮影が開始。映画「ドクター・ドリトル」に出演したCarmel Laniado氏が、新キャラクターのVioletとして起用されると報じられたり(Deadline)、ヴェゼミルやランバートといった登場人物のキャスティングに関する噂が広まったりと、同作に関する話題は尽きない。さらにNetflixでは「ウィッチャー」のアニメ映画プロジェクトも進行中であり、「ウィッチャー 狼の悪夢(The Witcher: Nightmare of the Wolf)」として、若かりしころのヴェゼミルの過去が描かれる予定だ。