恐竜世界を冒険するアクション『Turok: Escape from Lost Valley』7月25日に発売へ。キュートに生まれ変わった「Turok」新作


インディースタジオのPillow Pig Gamesが、『Turok: Escape from Lost Valley』をPC(Steam)向けに開発中だ。7月25日より販売される。本作は、恐竜の存在する世界を冒険するアメリカのコミック「Turok, Son of Stone」をもとにするアクション・アドベンチャーゲームである。

ネイティブ・アメリカンの血を引く主人公のTurokとAndarの兄弟は、長い眠りから覚めると、Lost Valleyと呼ばれる世界に迷い込んでいることに気づく。ここには危険な動物や恐竜が生息しており、兄弟は自分たちの家に帰る方法を求めて冒険を開始する。

「Turok」は、1950年代から刊行されてきたコミックシリーズで、NINTENDO64向けの『Turok: Dinosaur Hunter(時空戦士テュロック)』をはじめ、ゲーム化も何度もおこなわれている。ただ、いずれの作品も(ゲームボーイ向けを除き)3Dグラフィックでのリアルな描写を特徴とするFPSだったが、この『Turok: Escape from Lost Valley』では一転して2Dの手描きイラスト風。なんともキュートなアートスタイルがまず目を引く。

プレイヤーはTurokとして冒険する。マルチプレイには対応していないようなので、共に行動するAndarはCPUが操作するのだろう。本作はクォータービューを採用し、ジャングルや洞窟、雪山などの環境を進んでいく。イカダで川を下る場面もあり、敵となる動物や恐竜、原住民、そして巨大なボスに対し、ナイフや弓矢といった武器を駆使して立ち向かうのだ。原住民も、ムチやブーメランなどの武器を使って攻撃してくる。

ステージによっては、トラップが仕掛けられたエリアを突破したり、原住民に手を貸したり、また捕らえられたAndarを救出するようなミッションも用意されているようだ。本作には公式サイトが存在せず情報が限られているが、複雑なシステムを用いず手軽に楽しめるアクションゲームとなることがうかがえる。

実は本作は、ゲームエンジンUnityの開発元Unity Technologiesが2018年に主催した「Universal GameDev Challenge」コンテストの最終選考まで残ったことを受けて制作されている。このコンテストは、Universal Studiosが持つIPの世界を再構築し、最終的にUnityでゲームとして仕上げるというもの。

作品のモチーフとして使用できるIPは「Turok, Son of Stone」のほかに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ジョーズ」「ギャラクティカ」「ヴォルトロン」があり、コンテストのファーストラウンドでは、制作するゲームのゲームデザインや物語、技術的な目標などについてプレゼンをおこなう。そして、これらの原作の制作者らによる審査を経て勝ち進んだチームは賞金を獲得。最優秀賞のチームは、Universalとゲーム開発のためのコンサルタント契約を結べる特典もあった。

『Turok: Escape from Lost Valley』のアイデアをプレゼンしてセカンドラウンド
に進んだPillow Pig Gamesは、UnityやUniversal、またマイクロソフトやインテルからの指導を受けながらプロトタイプを制作し、最終審査に臨む。結果的に最優秀賞には選ばれなかったが、その後も開発を続け、Universalを販売元として製品としてリリースする運びとなった。本作は、Steamにて7月25日発売予定となっている。

ちなみに、このコンテストで最優秀賞を獲得したのは「ヴォルトロン」をテーマにしたRTSゲーム『Voltron: Cubes of Olkarion』。こちらも7月25日に、早期アクセス販売が予定されている。上の映像で見られるほかの作品も、いずれリリースされるかもしれない。