ソニーがPS4向けタイトルの性的表現に独自の規制を設けていることを明らかに。 MeToo運動や動画配信サービスの影響か

国際的に著名な報道メディアの一つである、ウォール・ストリート・ジャーナルは4月16日、ソニーはPS4向けタイトルに対し、独自の規範をもって性的表現を規制する方針を設けていると報道した。同紙によると、米国やカナダにおけるレーティング審査団体ESRBや、欧州の審査団体PEGIの審査基準とは異なる規範を作成しているとのこと。そして性的コンテンツが含まれるタイトルを提供することで、同社が法的、社会的措置のターゲットになることを懸念していると、ソニー本部の関係者は述べたという。また、今回の規範について、クリエイター達がPS4に向けてバランスの良いコンテンツの提供を可能にするため、そして、若者の成長を阻害しないためにガイドラインを作成した、とも述べているようだ。

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ソニーによる性的表現の規制に関する話題が挙がったのは今回が初めてではない。昨年の6月にはPS4/PS Vita向けローグライクRPG『オメガラビリンスZ』が“プラットフォームホルダー”からの要請により、北米およびヨーロッパでの発売を中止した件については弊誌でも取り上げた。また、昨年11月にはPS4/Nintendo Switch向け恋愛ADV『ノラと皇女と野良猫ハートHD』にて、PS4版はNintendo Switch版と比較して、キャラクターの下着や肌が露出しているシーンに大幅な修正が施されていたことが明らかになった(IGN Japan)。最近では、『デビル メイ クライ 5』の欧米版にのみ、一部の性的シーンに光を用いた修正が施されていたことが記憶に新しい。こうした動きは、ソニーが性的な表現を独自の方針で規制しているのではないかといった憶測を呼んでいたが、今回改めてソニーが性的コンテンツに対し、独自の線引きをおこなっていることを明らかにしたという形になる。

ソニーが性的表現の規制を独自に設けた理由としては二つの社会的要因が絡んでいると報じられている。一つは、米国を発端にSNSでの拡がりをみせた#MeToo運動の影響である。この運動はセクシュアルハラスメントや、性的暴行などを受けた人々が “MeToo(私も)”といった意味の文言のハッシュタグを用い、被害体験を告白、共有するといった内容であり、女性を性的な被害に遭わせることは許されないといった気運がいっそう高まった。

故に、ゲームにおける性的表現が表立って、問題として取り上げられる恐れも高まったのではないかと考えられている。なお、現在ソニーから性的表現に関する書面化したガイドラインは公開されていないが、その理由に関してソニー本部の関係者は、このようなポリシーが#MeToo運動によってある意味いきなり導入されたため、そもそも書面化したガイドラインがないからだ、と述べている。この発言から、#MeToo運動が今回の件と関係していることは明白である。

もう一つの要因として、動画配信サービスを通して、個人がゲームプレイ映像を世界に発信することが可能となったことが挙げられている。だれもが世界へ配信できるようになったということは、例えば、性的表現に対して他国より厳しい規制が施される地域があったとしても、動画配信サービスを通して規制が緩慢な地域のゲームプレイ映像を視聴することができるようになったとも言える。ソニーが性的表現に対し、独自の方針で規制をおこない始めた背景には、こうした社会の変化があると報じられている。性的表現の規制にまつわる情報は、開発者とプレイヤー、双方とってセンシティブな話題であるが故に、ソニーには今後、より一層慎重な判断が求められるであろう。

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