四肢麻痺のゲーマー、『SEKIRO』の強敵を撃破。真正面から敵に向かっていく堅実なプレイ

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発売以降、その難易度の高さが頻繁に話題になっているフロム・ソフトウェアのアクション・アドベンチャー『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』(以下、SEKIRO)。そんな『SEKIRO』後半に登場するボスである「破戒僧」を、難病である四肢麻痺を患いながらも難なく撃破する動画が投稿された。

投稿者兼プレイヤーであるのはLimitlessquad氏。手元カメラつきで、運動障害をものともせずに華麗にコントローラーを操り破戒僧を撃破している。破戒僧は霊体と実体で2回戦う機会があるボスであるが、動画で戦っている実体版の破戒僧には第三形態まで存在し、3回忍殺を決めなければ倒すことはできない。ただし、ある程度操作に慣れが必要なものの、第一形態と第二形態には落下忍殺を決めることができることが知られている。この場合はほぼ戦うことなく第三形態に移行させることができるため、戦闘の難易度を大幅に下げることが可能だ。しかし、Limitlessquad氏は動画でそのような小細工に頼ってはいない。微妙に変化・追加される3形態分のモーションを覚え、弾きタイミングを把握し、危険攻撃に冷静に対処し、真正面から破戒僧を打ち倒している。

Limitlessquad氏のYoutubeチャンネルには『SEKIRO』の動画がもう一本、「怨嗟の鬼」を撃破する動画も投稿されている。怨嗟の鬼は破戒僧よりもさらに終盤に登場するボスであり、クリアするためには倒す必要がない、寄り道ボスでもある。その難易度は折り紙付きで、多くのプレイヤーが『SEKIRO』最強のボスとして挙げるだろうラスボスと遜色ない強さを誇る。剣戟アクションとでもいうべき『SEKIRO』の戦闘を凝縮したようなラスボスに対し、怨嗟の鬼はどちらかというと『Bloodborne』を彷彿させるような巨大な獣との高速戦闘を味わえるボスだ。動画では危なげなく撃破しているものの、Limitlesssquad氏も流石に苦戦した様子で、動画の投稿コメントでは「このボスは強かった。時間はかかったけど、倒せた時はとても嬉しかった」と感想を述べている。

運動障害を抱えながらも活躍しているゲーマーはLimitlessquad氏に限らない。片側不全麻痺を患っているhalfcoordinated氏は、コントローラーをほぼ左手のみで操作するプレイスタイルを確立させている。左スティックを手のひら、右スティックを親指の腹で操作しつつ、親指や人差し指でボタン操作を行っているのだ。驚くべきことにhalfcoordinated氏はスピードランナーとしてもよく知られており、素早く精密な操作が要求されるようなアクションゲームで優れた記録を多く残している。halfcoordinated氏はAGDQやSGDQといったスピードランイベントにも度々顔を見せるほか、自身のTwitchチャンネルでも手元カメラ付きで日常的にゲーム配信を行っている。偶然か、それとも氏のゲーム嗜好的には必然か、現在は『SEKIRO』の初見プレイをよく配信しているようだ。

高難易度ゲームのアクセシビリティに関しての話題が尽きない中、Limitlessquad氏やhalfcoordinated氏が自らの境遇を歯牙にもかけずに、自らのプレイスタイルを持ってゲーマーとして活躍する姿には、筆者もいちゲーマーとして尊敬の念を抱かずにはいられない。

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