UnityがHavokとの提携を発表。軽量で扱いやすい物理エンジン「Unity Physics」と「Havok Physics」をUnityに導入へ

ゲームエンジン「Unity」を提供するUnity Technologiesは3月19日、現在アメリカで開催中のGDC 2019に合わせて基調講演を実施した。この中で同社は、現在プレビュー版が提供されているDOTS(Data-Oriented Technology Stack)ベースのUnityに組み込む物理エンジンのために、Havokと提携したことを発表した。

Havokはアイルランドに拠点を置くミドルウェア開発企業で、現在はマイクロソフトの傘下にある。提供する製品はいくつかあるが、もっとも有名なのは物理シミュレーションを担う「Havok Physics」だろう。古くから多くのタイトルに採用されており、ゲーム起動時に同社のロゴを見たことがある方も多いはず。

*GDC 2019での基調講演の模様。Havokとの提携について語る該当部分は1時間50分6秒あたりから。

基調講演にてUnity Technologiesの共同設立者でありCTOのJoachim Ante氏は、物理シミュレーションのコントロールを開発者の手に戻したいと述べる。なお、現在UnityにはNVIDIA PhysXをベースにした物理エンジンが組み込まれている。新たに導入する物理エンジンは特にパフォーマンスを重視しており、最適化されたネイティブコードを生成するBurstコンパイラを使用し、すべてC#で書かれているとのことで、軽量で速く、また簡単に理解やモディファイできるものになるという。

また物理エンジンは、ネットワークゲームにおいては創造も破壊ももたらすことがあるとし、Havokとの協業にはネットワークゲームのための最高の物理エンジンをUnityユーザーに提供する狙いもあると語っている。同じく登壇したHavokのOliver Strunk氏は、ネットワークゲームは非常に複雑化しており、膨大なキャッシュを要しない軽量な物理エンジンによって、その複雑さを削減していくことが鍵となると述べる。

基調講演の中で披露された、物理エンジンのデモプレイ

両社の提携によってUnityに組み込まれる物理エンジンは、「Unity Physics」と「Havok Physics」の2種類。これにより、シンプルな作品からハイエンドなプロジェクトまで、開発者の幅広いニーズに対応するという。Unity PhysicsはUnity利用者全員に提供される基本的な物理エンジンで、Havok Physicsは必要に応じて有料で利用できるものになるようだ(Gamasutra)。なお、どちらもマルチスレッド対応のDOTSフレームワークを利用するため、この環境で書いたゲームコードは、どちらの物理エンジンにもシームレスに移行できるという。また現在開発途中のプロジェクトについて、DOTSフレームワークへの移行を希望するユーザーには、その物理シミュレーションコンテンツを移植するためのコンバーターやアップグレードプランを提供するとのこと。

Unity Physicsは、DOTSベースのUnityのプレビュー版にてすでに利用可能となっている。一方のHavok Physicsについては、今年の夏に提供開始予定だ。

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