Unityのゲームプレイ映像撮影技術CineCast発表。シネマティックな映像をリアルタイムで簡単に撮影、初対応タイトルはCo-opホラーFPS『GTFO』

Unity Technologies1023日、米国ロサンゼルスで開催された開発者向けカンファレンス「Unite Los Angeles 2018」のキーノートにて、現在開発中の新機能CineCastを発表した。Unityが提供するプロシージャル・カメラ制御システム用アセットCinemachineを用いて、シネマティックかつダイナミックなゲーム内フッテージを、ゲームプレイ中にリアルタイムで作成してくれる機能である。ゲーム内に設定した無数のカメラから、適切なものを適宜選択してくれる映像ディレクターのような役割を担ってくれる。イメージとしては、撮影クルーがゲーム内にスタンバイしていて、自動的かつリアルタイムで最適なポジションから映像を撮影してくれるようなものだ。またカメラワークを手動でコントロールしたいときは、いつでも自動から手動に切り替えられるという柔軟性の高さも強みである。

今回のキーノートでは、CineCastを導入する初めてのタイトルとして選ばれた『GTFO』を用いた実演ショーケースが流された。『GTFO』は10 Chambers Collectiveという、PAYDAY』フランチャイズのゲームデザイナーが率いるスウェーデンの9人チームが手がけるUnity製の4人協力ホラーFPS。今年6月にはUnityの技術ショーケースとして、光の反射を通じてのみ視認できる影状の敵対モンスターを描いてみせたりと、Unityの最新技術を積極的に取り入れている

Unity Technologiesのクリエイティブ・ディレクターAdam Myhill氏は、本件に関するプレスリリースにて、『GTFO』がステルスや激しいアクションシーンなどゲームのトーンが次々と切り替わるマルチプレイタイトルであることから、CineCastのポテンシャルの高さを披露する作品として適しているだろうとコメントしている。

GTFO』を用いた実演内容は、本稿上部にあるキーノート動画の55分地点より確認できる。CineCastの仕組みとしては、まずマップ上の各所に設定された無数のカメラが、それぞれ何を画面内におさめられるのかを把握。続いて各カメラが、その時々で置かれた状況化において最適なショットをおさめられるかどうか計算する。またストーリーマネージャーという機能が、今どのプレイヤーがアクションを起こしているのか、今マップ上で何かが起きているのかを確認し、何をカメラにおさめるべきかを判断する。こうしてCineCastはどのカメラでシーンを映すのが、そして、どのように場面転換するのが最適なのかを、その都度割り出してくれるわけだ。もちろん、場面によってはカメラの切り替えを自動から手動に変更することもできるし、上述した最適なカメラやカメラアングルの選出方法も開発者の好みにあわせて変えることが可能だ。

また今回の実演では、CineCastで映し出される映像は完全リアルタイムというわけではなく、あえて3秒間遅延させているとのこと。一方、各カメラを制御するCinemachineの方は、遅延なしのリアルタイムで動かしているという。これによりCineCast3秒後の展開まで事前に把握して、アクションを逃さないよう直前にカメラを変更することが可能になる。撮りたい内容・撮り方を指定すれば、あとはCineCastが最適なカメラを選んでくれるのだ。

CineCast開発者だけでなく、e-Sports大会のキャスター、視聴者、一般ゲーマーにとっても有益な機能となりうる。ゲームプレイトレイラーやカットシーンの作成、リプレイカメラ機能の実装、e-Sportsの観戦モードとしての活用など、幅広い用途が想定されているからだ。とくに1マッチに何十人ものプレイヤーが参加するバトルロイヤルゲームのe-Sports大会は現状、アクションを逃したり、状況把握をしづらかったりといった課題を抱えている。CineCastはそうした課題の解消に貢献し得る機能なのである。

まずは2018年内にSteam版が発売予定の『GTFO』にて実装されるCineCast2019年早期にはその他タイトル向けのベータ運用が開始されるとのことだ。

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