Steam版『クロノ・トリガー』第5回アップデート実施。5か月をかけ多くの課題を改善し、一連のアップデートは一旦完了

 

スクウェア・エニックスは8月3日、Steam版『クロノ・トリガー』の第5回アップデートを実施したと発表した。第5回のアップデートでは、操作性に関連した多岐にわたる部分が改善されている。第4回目アップデートにて搭載予定であったキーバインドが実装されたほか、ギャラリーメニューが実装。アイテムウィンドウの仕様やキーボードでの名前入力など、各種細かい機能が調整されている。具体的な変更内容を、以下転載する。

■キーバインド機能の実装
ゲームパッド、キーボード、マウスでの操作について、キーバインド機能の実装など、操作性の向上を行いました。

・ゲームパッド使用時、メニュー画面やタイトルメニューの[設定]>[操作設定]>[ゲームパッド設定]から、一部操作のボタン設定を変更できるようにしました。

・キーボード使用時、メニュー画面やタイトルメニューの[設定]>[操作設定]>[キーボード設定]から、各操作のキー設定を変更できるようにしました。

・マウス使用時、右クリックでキャンセル操作ができるようにしました。なお、左クリックで決定、ドラッグでキャラクターやカーソルの移動ができます。また、PC側でマウスの操作設定を変更した場合は、ゲーム内にも適用されます。

・ゲームパッドやキーボードの操作設定は、すべてのセーブデータで共通して保存されるようにしました。

■ギャラリーメニューの実装
タイトルメニューに「おまけ」を追加しました。ゲームをクリアすると、以下の項目が解放されます。

・ムービー
 ゲーム中のムービーシーンを見ることができます。

・イラスト
 クロノ・トリガーの様々なイラストを見ることができます。

・サウンド
 ゲーム中のBGMを聴くことができます。

・エンディング
 一度見たエンディングを確認・再生できます。

※「エンディング」は見たことのあるエンディングだけが解放されます。その他の項目はすべての内容が一度に解放されます。

※アップデート前のクリア状況は反映されません。「おまけ」及び各エンディングを解放するためには、アップデート後に再度エンディングを見ていただく必要がありますので、ご了承ください。

■各種機能の調整
・アイテムの選択ウインドウの領域を、所持しているアイテム数に合わせて可変になるようにしました。これにより、意図的にアイテムの間に空欄を入れることはできなくなります。

・設定画面内に「移動」設定を再度実装しました。「ダッシュ」に設定すると、通常移動でダッシュ、キャンセルボタンを押しながら移動で歩きになり、「歩き」に設定すると、その逆になります。

・設定画面で「初期設定」を選択した際に、確認ダイアログを表示するようにしました。

・名前入力時に、ゲーム画面に直接キーボードで名前を入力できるようにしました。

・名前決定時に確認ダイアログを表示するようにしました。ゲーム内に表示できない文字が含まれていた場合は、ここで確認できます。

・中国語(簡体字)について、端末に搭載された標準フォントから、よりゲームの世界観に合わせたフォントへ変更しました。

■不具合の修正
・特定のグラフィックボードを搭載しているPCで、ゲームが正常に起動できない場合がある不具合を修正しました。

・特定の画面サイズでプレイしている場合に、一部のグラフィックやエフェクトが正常に表示されない不具合を修正しました。

・細かな不具合を多数修正しました。

 

Steam版『クロノ・トリガー』は、2018年2月に発売されたPC向けの移植作品。1995年にリリースされたヒット作が電撃配信され注目が集まったが、フィルターのかかったようなグラフィックに不評が集まっていたほか、スマートフォン版を準拠としていたゆえに操作の最適化不足に不満があがっていた(関連記事)。スクウェア・エニックスはすぐさまこうした声に反応し、改善していくことを約束した。

実際に4月からアップデートが実施されており、第1回目にはオリジナル版のドット絵を楽しめるオプションが追加されたほか(関連記事)、第2回では戦闘におけるユーザーインターフェースを改善。第3回は全般的なユーザーインターフェースを改良したほか、第4回でも引き続きユーザーインターフェースを調整。そして第5回にてキーバインドの対応などがなされ、操作に関する課題ついても一通り手が入れられた。この第5回アップデートをもって、一連のアップデートを一旦終了することも告知されている。

いずれのアップデートも、大きくゲームの仕様を変更する派手なものではないが、ゲームを遊ぶ上では気になる仕様を、Steamユーザー向けにチューニングしている。配信当初に比べると、キーボード・マウス操作とゲームパッド操作の両方に最適化されており、プレイをすれば快適さが向上していることを感じられるだろう。配信開始時点にユーザーの望むような形で販売されたかったというのは残念ではあるが、5か月にわたりゲームを改善し続けたスクウェア・エニックスに対しては、Steamコミュニティでも称賛が集まっている。これでSteam版『クロノ・トリガー』にプレイヤー数が大きく増加するということはないかもしれないが、ユーザーにとっては記憶に残る改善ではあった。なんらかの形で、次につながるアップデートになるのではないだろうか。