『EVOLVE Stage 2』が9月3日をもってサービス終了。「基本プレイ無料化」につまずくマルチプレイゲームたち


2K Gamesは公式サイト上にて、Turtle Rock Studiosが『Evolve Stage 2』の専用サーバーの運用を、2018年9月3日をもって終了することを発表した。これをもってPC向けにサービスが提供されていた『Evolve Stage 2』は、プレイ不可になる。PlayStation 4およびXbox Oneユーザーは引き続き、Peer-to-peerネットワークを利用した『LEGACY EVOLVE』として同作をプレイすることが可能であり、PCユーザーもまた特定の手順を踏むことで『LEGACY EVOLVE』を楽しむことができるという。2K Gamesはプレイヤーに対し、9月3日まで仮想通貨やゲーム内通貨を使用するように呼びかけている。

『EVOLVE』は、2015年2月にリリースされた4vs1型の対戦マルチプレイヤーシューターだ。1体のモンスターと4人のハンターが戦う非対称対戦システムを採用、『Left 4 Dead』を生みだしたスタジオTurtle Rock Studiosが開発を担当している。しかしリリース後は有料コンテンツの多さが批判を受け、またバランス調整などでも苦しみ、プレイヤー人口は減少の一途を辿る。2016年7月にはPC版のF2P化が発表され、『Evolve Stage 2』へと生まれ変わったものの、プレイヤー数低下の歯止めはかからず、同年10月には開発を終了することを発表していた(関連記事)。

それからしばらくは運用が続けられていたが、F2P版発表の2年3か月後に、サービスは終了することとなる。以前にもお伝えしたように、無料化された『EVOLVE Stage 2』は、出だしこそは1万を上回るユーザーが同時にゲームを遊んでいたものの、月を追うたびにその数字は落ち込んでいき、2016年12月からはプレイヤーは平均400人前後で推移しており、人口に恵まれた状態ではなかった。そう考えれば、開発を終了してプレイヤー数が低迷してもなお、2年3か月サービスを運営していたのは、2K Gamesなりの誠意だったのかもしれない。

500人程度のプレイヤーが存在する

昨今では、マルチプレイゲームのプレイヤー数争奪戦は熾烈を極めており、『EVOLVE Stage 2』のほかにも『Battleborn』が基本プレイ無料化に転向。一時的にはプレイヤー数は回復するものの、翌月には基本プレイ無料化する前の数字よりも落ち込み、開発を終了した(関連記事)。最近では、『PUBG』が一世を風靡する前から根強い人気を得ていたバトルロイヤルゲーム『H1Z1』が基本プレイ無料化に転向。一時的にプレイヤー数は回復したものの、やはり基本プレイ無料化前よりも落ち込んでいる。ただし『H1Z1』に関しては、PC版は1日の平均プレイヤー数が5000人規模とまだまだ人気があること、そして最近リリースされたPS4向けベータ版が人気を博しヒットの兆しを見せていることもあり、まだまだ今後動きを見せそうなフランチャイズではあることを付け加えておきたい。

追加投資なしにテコ入れをするという意味では、有料販売タイトルの基本プレイ無料化は「最後の一手」にはなりえるだろう。ただしSteamで展開されているたいとの基本プレイ無料化には、依然として輝かしい成功例が出ていないのが現状だ。基本プレイ無料タイトルの充実が進んでいる背景もあり、プレイヤーを集めてマルチプレイタイトルを成功させるのが、より困難な時代になりつつあるだろう。

【UPDATE 2018/6/4 11:00】
最終段落の結論について、表現を修正しました。