『ゼノブレイド2』クリア後のやりこみを強化する大型アップデートが来週配信。「整合性」よりも「楽しさ」を重視


任天堂とモノリスソフトは、『ゼノブレイド2』の大型アップデートを来週配信すると発表した。更新データ(Ver. 1.3.0)となる次回のアップデートは、以前から告知されていた2周目を正式に導入する形だ。本編をクリアすることで選べるようになる「アドバンスドニューゲームモード」では、ただ2周目を遊べるようになるだけでなく、さまざまな要素が盛り込まれるという。

その代表として「ヨシツネ」「ベンケイ」「サタヒコ」といったキャラクターをブレイドとして仲間にできるという追加要素だ。そして彼らのブレイドである「カムイ」「ザンテツ」「ラゴウ」「オオツチ」も同様。これらのキャラクターはゲーム本編のシナリオに大きく絡んでくる組織イーラのキャラクターだ。コアクリスタルから同調させることが可能であるという。また「ホムラ」や「ヒカリ」といった主要キャラクターも2周目では傭兵団による遠征に加えることができるようになるとのこと。

主要キャラクターの縛りを緩慢にすることで、シナリオには矛盾が出てくることが予想できるが、モノリスソフトの高橋哲哉氏は「ストーリーの破綻よりもゲームとしての楽しさを優先した」と今回のアップデートについての方針をプロダクションノートにて綴っている。モノリスソフトといえば『ゼノ』シリーズを代表に重厚な設定や世界観といったシナリオやストーリーテリングがファンの支持を得てきたが、『ソーマブリンガー』『ディザスター デイ オブ クライシス』『ゼノブレイド』ではゲームプレイの楽しさや遊びやすさも同様に重視されており、ユーザー目線でのゲーム作りをする姿勢を感じさせる。

さらに2周目では育成におけるコンテンツ強化もなされている。たとえば、高レベル帯になるとスキルポイントが余りがちであったドライバーのキズナリングに裏キズナリングが追加。ドライバーをさらに強化できる楽しみが増えた。そして宿屋からドライバーのレベルをダウンさせることでボーナスEXPを得ることもできるようになった。ボーナスEXPは特殊アイテムと交換することもできる。キズナリングの強化・レベル下げの導入によってブレイドだけでなくドライバーの育成する動機付けが高まった。新たな楽しみを増やすやりこみ要素の強化といえるだろう。

2周目に引き継がれる要素は以下のとおり:

・ドライバーのレベル
・ドライバーとブレイドの装備品や成長要素
・同調したブレイド
・獲得していたアイテムやゴールド
・街の発展度と傭兵団のレベル
・イベントシアターの内容、ユニークモンスター討伐の状況

なお、クエスト、キズナトーク、スキップトラベルポイント、傭兵団任務のクリア状態はリセットされるとのこと。

2周目要素に加えて、既存要素が調整される点にも言及しておきたい。登場シーンはスキップできるものの、同調時には短くない演出を見る必要があったブレイド同調にスキップの選択肢が追加。レアブレイドが登場しないと嘆きながらクリスタルを割り続けるプレイヤーのストレスがやや緩和されるかもしれない。さらに同調させたブレイドを一覧からロックするシステムを実装され、アクシデントによる予期せぬ別れを防止できるようになるだろう。ほかにもミニマップ拡大時にスキップトラベル画面で設定した各アイコンの表示が可能になるほか、ゲームの難易度にイージーモードが追加(ゲーム中にいつでも変更可)。アクセサリー、アシストコア、ブレイドリストなどのソート項目に新たなものが追加されるようだ。

『ゼノブレイド2』においてはシーズンパスといえるエキスパンション・パス購入者向けの追加コンテンツ以外にも、昨年12月22日にXボタンによるマップ表示呼び出しや「TIGER!TIGER!」にEASYモードを追加。1月19日にはボイススキップを追加するなど快適さを向上させるアップデートを続けてきた。そしてここにきて2周目を追加する大型アップデートが配信される。

『ゼノブレイド2』はマルチプレイ要素のない一切ないRPGであるが、精力的なアップデートがなされてきた。エキスパンションパックの配信は2018年秋まで予定されており、それまではこうしたアップデートが続けられていくのだろう。高橋氏は、エキスパンションパック所持者向けの新規ブレイドとそのクエスト、バトルコンテンツについては具体的な日程が決まり次第、またあらためて告知すると締めている。