釜男が山を登る高難度アクション『Getting Over It』最速クリア記録が1分53秒へと更新。繊細かつ豪胆なハンマー回しで頂点へ


『Getting Over It with Bennett Foddy(以下、Getting Over It)』にて新たな最速クリア記録が誕生した。新たな記録を刻んだのはLumonen氏で、タイムは1分53秒438。これまで世界記録を保持していたDistortion2氏の1分56秒360から約3秒タイムが短縮されている。

『Getting Over It』は、下半身が釜にすっぽり収まった男が登山用のハンマー(Yosemite hammer)を使って険しい山を登っていく横スクロール型のアクションゲームだ。操作としては、マウスもしくはトラックボールを、弧を描くように動かすことでハンマーが回る。そのハンマーの反発を利用し山を登っていくのだ。その独特の操作に加えて、プレイヤーを邪魔せんとばかりのいやらしい障害物の数々、一度のミスにより進行状況が大きく後退するなど、緊張感のあるゲームプレイが特徴。しばしば実況者の落胆を味わえる内容が、ゲーム実況との相性もよく、TwitchやYouTubeでも人気を博しているタイトルだ。

ゲームプレイにおいては操作に大胆さと繊細の両方が必要となる。コントロールに抑揚をつけることが求められ、ほかの横スクロール型のアクションゲームと比較してもかなり難易度は高い。しかしながらLumonen氏は1分53秒にてこのゲームをクリアするという偉業を成し遂げた。プレイ映像を見ると、その疾走感もさることながら、閉所での巧みな操作が光る。本作ではひとつの引っ掛かりが数秒のロスにつながる。そうしたミスを最小限に抑えることで3秒の更新を果たした。

*Distortion2氏のプレイ

コミュニティでは、さらなる記録更新を望むべく対抗者の出現が待たれている。となると、前回記録を更新したDistortion2氏に期待がかかる。しかしながら、Distortion2氏は前回記録を更新した際に「やったぜ!次はアンイストールの時間だ。こんなクソゲー消してやる。乗り越えた(Getting Over It)からな。」と鮮やかにゲームをアンイストールしてしまった。Distortion2氏はその後も『Getting Over It』をしばらくプレイせず、現在は『モンスターハンター:ワールド』に夢中。先日短時間のみ同作を再開しプレイしていたが、気だるそうに遊んでおり最速記録を競う姿勢は見せていない。現時点では氏が新たなに記録を更新する可能性は低いだろう。一方Lumonen氏はアンインストールせず(少なくとも動画では)モチベーションも高いので、氏の記録更新に期待するのがよさそうだ。

日本人ランナーとしては、Tanaka氏が2分9秒224を記録し世界ランキング7位にランクインしている。この記録も圧巻であるが、氏の今後の活躍にも注目したい。