昨今のインディーゲームの価格は安すぎる?SteamSpy管理人が、市場に見合わない価格設定を懸念

 

Steamデータを収集し公表するデータベースサイトSteamSpyの管理人Sergey Galyonkin氏が、自身のブログにて、昨今Steamで販売されているインディーゲームの価格について懸念を表している。氏は、最近リリースされたインディーゲームの平均価格は8.72ドルであり、セール時には4.63ドルまで下がってきているにもかかわらず、平均のダウンロード数では過去最低の2万1000本まで下がっている現状を報告。こうした傾向はインディー開発者がアメリカ的な「リッチになるか死ぬか」という発想になりつつあるところからきていると指摘。ゲームが多く売れなかったとしてもそこからしっかりとした収益を得ることが重要であると力説している。

Galyonkin氏が危機感を示すのは、市場の動きを間近で見ていることにほかならない。昨年氏は2015年4月と2016年4月の24日間のインディーゲームのリリースデータを比較し、リリース数が約1.6倍になっているにもかかわらず、売り上げと収益が落ちていることを指摘していたが、そうした傾向は2017年になっても続いているという。インディータイトルのリリース数は増加する一方でありながら、ダウンロード数が落ちているという現状がある。そうした状況を考慮し、ダウンロード数がふるわなかったとしてもある程度の収益を確保できるような価格にするべきであるというのが氏の言い分だ。またGalyonkin氏は『The Witness』に約4000円の価格をつけたJonathan Blow氏を称賛し、そうした価格設定であるにもかかわらず46万本を売り上げた実績もあると語っている。

年が経つほどにインディーゲームのレベルは上がっており、質の高い、予算がかけられたタイトルが多くなってきている。ユーザーから見れば非常にありがたいが、開発者とすればそれほど競争が激しくなってきているという見方もできる。ひとりでゲーム開発をおこない約15ドルという価格でゲームを数百万本売るという『Stardew Valley』のような安く多く売る「インディードリーム」を追ってしまいがちであるが、一定の価格を設定し“死なないこと”を優先すべきなのかもしれない。Steamタイトルの数字を追い続けているGalyonkin氏だからこそ、そうしたインディードリームを追いすぎる開発者を危惧しているのだろう。


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)