宇宙の万物になれるゲーム『Everything』のトレイラーがアカデミー賞のノミネート候補作品に、ビデオゲームの映像では初


クリエイターのDavid O’Reilly氏は、自身が開発したタイトル『Everything』のトレイラーが、アカデミー賞のノミネート候補作品となったことを明らかにしている。これはドイツのウィーンにて開催された国際映画祭「VIS Vienna Shorts」にて、同作がアニメ部門のJuly Prizeを受賞したことから発表された。今回の受賞により、『Everything』のトレイラーは第90回アカデミー賞にて、短編アニメ賞のノミネート作品に選出される可能性がある。

『Everything』は今年3月に発売されたタイトル。山になるという奇妙なゲーム『Mountain』の開発者としても知られるO’Reilly氏は、今作では「宇宙に存在する万物になれる」コンセプトを打ち立てている。プレイヤーは微生物から動物、はては惑星から銀河にまでなることが可能で、気が向くままにそれらを動かすことができる。

約10分30秒の映像では、Alan Watts氏のナレーションと共に、極小から極大へと移り変わる『Everything』の壮大なゲームプレイが披露されている。ゲーム内でもその声を聞くことができるWatts氏は、1973年に死去したイギリスの哲学者だ。実は本作はジョークゲームではなく、前作『Mountain』と同様に、さまざまな哲学的テーマが織り込まれた作品でもある。開発者O’Reilly氏はGamasutraのインタビューなど複数の場で、『Everything』は我々が見ているものすべてが生きているというテーマを持っており、ゲーム内ではそれぞれ万物にある関係性や視点を描いていると説明する。

なおO’Reilly氏はアイルランドの映画監督でもあり、『Mountain』『Everything』以外では3Dアニメーション作品を手がけている。今回の発表に関してO’Reilly氏は、ビデオゲームの映像がアカデミー賞のノミネート候補作品になることは初めてだと伝えている。