新生『Prey』海外リリースから1週間でRTA記録が10分台に到達。宇宙遊泳と接着剤でグリッチ三昧


Arkane Studiosが開発し、Bethesda Softworksがパブリッシングを担当する新生『Prey』のRTA(リアルタイムアタック)記録が早くも10分台に到達した。本作は5月4日に海外リリースされたばかりの作品。ゲームのスピードラン記録を管理しているspeedrun.comによれば、5月8日に記録が1時間を切ったことを境にルート開拓が一気に進み、以降10分台でゲームを踏破するスピードランナーが続出している。本稿執筆時点での世界記録はArctc氏による10分36秒。クリア条件はやり込み度を問わない「Any %」、計測時間はロード時間を含まないIGT(ゲーム内時間)となっている。

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新生『Prey』の通常プレイ時のクリア時間は15時間から20時間が目安となっており、サイドクエストを消化し、テキストアイテムを熟読しながら進めば、それ以上のボリュームがある。決して短くはないキャンペーンの大幅な時間短縮を可能にしているのは、天井すり抜けによる宇宙遊泳と、接着剤の塊を放つ「グルー・ガン」の活用である。

本作の舞台となる宇宙ステーション「Talos I」の構造は、居住区やロビーといった複数の区画が一続きとなったもの。ステーション内部を行き来するだけでなく、各所に設置されたエアロックを通じて外部から他エリアに向かうことも可能だ。現状はグリッチにより天井や壁をすり抜け、エリア外・宇宙空間に飛び出すことが簡単にできてしまう。しかもグリッチによりエリア外に出た場合でも、手を伸ばしてエリア内のアイテムを拾える。そのためエリア外に出ることでステージの大半をスキップし、エリア内に戻らないままキーアイテムを拾い、次の目的地に向かうという芸当が可能となる。

普段着のまま宇宙に飛び出すArctc氏

天井や壁のすり抜けをさらに容易にしているのが「グルー・ガン」の存在である。こちらは接着剤の塊を放つことでエイリアンの動きを止めたり、足場を作ったりできる便利なツールだ。序盤から入手できるため、天井のすり抜けポイントへの到達や、エリア外でのトリッキーな移動などRTAでは全編を通じて使用されている。天井まで届く足場をつくりやすいということは、グリッチ探しが容易に行えるということ。すり抜けポイントさえ見つけてしまえば、実行するのは容易い。もちろん簡単というのはスピードラン基準での話であり、コツを掴むには練習が必要だ。10分台に到達するまでの1週間、RTAコミュニティによる徹底的なバグ・グリッチ検証がなされたことは想像に難くない。

新生『Prey』の国内リリースは5月18日(PC/PlayStation 4/Xbox One)。それまでにグリッチが修正されない限り、RTA記録は10分を切っていることだろう。いまのうちに海外スピードランナーのRTA動画を研究し、国内版の最速クリアを目指そうではないか。