新作『007 First Light』の発売控えるIO Interactive、「『ヒットマン』は見捨てない」と開発継続宣言。シリーズ作が途絶えていたのは“忙しすぎたから”

IO InteractiveのCEOを務めるHakan Abrak氏は、海外メディアインタビューにて、同社の『Hitman(ヒットマン)』シリーズを今後も継続していく意思を改めて明らかにした。

『007 First Light』の発売を5月27日に控えるIO Interactive(以下、IOI)。同社CEOを務めるHakan Abrak氏はThe Game Businessの動画インタビューに応じ、『007 First Light』についての裏話のほか、同社の看板タイトルである『Hitman(ヒットマン)』シリーズの今後の展開について語った。Abrak氏は「安心してくれ(Rest assured)」と伝えたうえで、シリーズを継続する意思を伝えている。

『Hitman』シリーズはIOIが手がけるステルス暗殺ゲームだ。2000年に発売された『Hitman: Codename 47』を皮切りに数多くの続編が制作されている。主人公は後頭部にバーコードを打たれたスキンヘッドの暗殺者「Agent 47」。サンドボックス型の広大なマップを自由に移動し、多彩なアプローチで標的を暗殺するゲーム体験が同シリーズの持ち味となっている。2016年以降はリブート三部作が展開されこちらも高い評価を受けているが、『Hitman 3』(2021年)およびリブート版をセットにした『HITMAN World of Assasination』(2023年)を最後に新たな動きは止まっていた。

対談のなかでAbrak氏は『Hitman 3』以降、シリーズに長い空白期間が生じた理由を説明した。決して同シリーズを軽視しているわけではないとしたうえで、この時期にIOIが“2つの完全新作”を手がけていたことが原因だと明かした。そのうちの1つが5月27日に発売予定の『007 First Light』だ。『007 First Light』は映画「007」シリーズを題材とする、三人称視点のアクションゲーム。「00(ダブルオー)」部隊からスカウトされた海軍パイロットのジェームズ・ボンドが「殺しのライセンス」を手にするまでの起源に迫る、完全オリジナルストーリーが描かれる。

また『Hitman』の開発が途絶えていたことについて、『007 First Light』と『Hitman』とではゲームプレイが大きく異なることも、開発が難航する要因となったようだ。スパイと暗殺者を主人公にした2作品は、自由なアプローチで敵を倒すという点で、一見同ジャンルのゲームに思える。しかしAbrak氏によるとこれらは似て非なる作品とのこと。過去『007 First Light』のメディア向けイベントでも、グローバルブランドマネージャーのLaurine Deschamps氏が、同作はストーリー重視であり、スピーディーで勢いに満ちた作品であるとして、『Hitman』との違いを強調していた(弊誌インタビュー記事)。そんな『007 First Light』を開発するにあたっては、ゲームのコア部分を一から作り直す必要があったそうだ。

『007 First Light』

そしてIOIが開発しているもう1つの作品が新規IPとなる『Project Fantasy』だ。2023年2月に開発が発表され、同社初のオンラインRPGとなることが伝えられた。タイトルの通り「ファンタジー」を題材としており、こちらも『Hitman』とはまったく異なる方向性の作品だ。こうした異色の2作品の制作を同時に進めた結果 、『Hitman』の新作を開発する余裕がなくなってしまった様子。Abrak氏はこうした状況を「野心的過ぎた結果(It’s the curse of being ambitious)」と振り返っている。

ただし現在は状況も落ち着きつつあり、『007 First Light』は発売まで3週間を残すのみで、『Project Fantasy』についても開発はかなりのところまで進んでいるとのこと。そうした状況を踏まえて、Abrak氏は『Hitman』の開発に再び深く携われることを心待ちにしていると語る。「安心してくれ(Rest assured)」と停滞したシリーズに対するファンの心配を払拭したうえで、『Hitman』を新たにアップグレード/革新する作業に取り組むのが待ちきれないと制作への意欲を伝えた。

最新作の正式発表こそされなかったものの、同社CEOの『Hitman』に対する並々ならぬ思いからはシリーズを継続する強い意思がうかがえる。Abrak氏は昨年12月にも米紙Varietyに対して「『Hitman』シリーズは当然続ける(So of course there will be more ‘Hitman’)」と宣言しており、今回改めてシリーズ継続を強調したかたちだ。

一方、『007 First Light』についても発売前からすでに続編を求める声が高まっている。そのことについてAbrak氏は、回答での確約は控えたものの、もしこの作品が成功しコミュニティからも愛されるものになったのなら“やらない手はない”と語っている。『Hitman』の“復活”もさることながら、IO Interactiveの次に打ち出すタイトルに、早くも期待が寄せられている。

IO Interactiveの最新作『007 First Light』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年5月27日発売予定。Nintendo Switch 2版は2026年夏後半に発売予定となっている。

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Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

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