偽りの幸せを捨て、異分子狩りから逃れる一人称サバイバル『We Happy Few』の大型アップデートが配信開始

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Compulsion Gamesは12月9日、Steam/Xbox Oneにて早期アクセス販売中の『We Happy Few』に向け、大型アップデート「The Clockwork Update」の配信を開始した。『We Happy Few』は『Bioshock』風のビジュアルと、戦禍の影響で荒廃した人々に「Joy」という精神高揚剤を処方し偽りの幸せを提供するディストピア的な設定が話題となったサバイバルアドベンチャーである。

本作の舞台となるのは1964年イギリスの架空街「Wellington Wells」。プレイヤーは「Joy」がもたらす偽りの幸せを捨てた「Downer」として、退廃した街からの脱出を図る。正式リリース時には複数のプレイアブル・キャラクターが用意される予定であり、それぞれ語られる物語も異なる。街並みやNPCの配置は一部を除いてプロシージャル生成され、一度死ねばスタート地点からやり直しというパーマ・デス制度を採用している。このように本作は、ローグライク色の強いゲームプレイの中で、いかに味わいのある物語を提供するか、という点に挑戦した作品である。3D空間と2D空間を行き来しながらパズルを解いていく一風変わったアクションアドベンチャー『Contrast』を生み出したCompulsion Gamesらしい作風といえるだろう。

現在公開されている早期アクセス版ではストーリーは一部しか実装されておらず、操作できるキャラクターも限られている。あくまでクラフトやサバイバルといったゲームプレイの基本部分に触れることが中心となっている。そのゲームプレイの面でも、NPCの挙動や空腹値の減り具合などプレイヤーからはバランス調整を求める声が多かった。今回のアップデートでは、そうしたリクエストのいくつかに応えている。以下の文章では主な変更点をまとめてみた。

・チュートリアルの追加
これまでのバージョンでは、プロローグで主人公が警察官(通称:Bobby)に襲われたあとに何が起こったのかが描かれていなかった。今回のアップデートではその空白を埋めるチュートリアルが追加される。あわせてゲームのスタート地点となるシェルターも改装されたことで、より物語に入り込みやすい導入内容となった。

・会話モードの追加
続いてクエストNPCとの交流時には「会話モード」に切り替わるようになった。本作には特定NPCとの会話がトリガーとなるクエストが存在し、会話中にクエストNPCを攻撃したり、他のNPCに攻撃されると会話を最後まで聞き取れず、進行が困難になる問題をはらんでいた。「会話モード」の導入により会話ひとつひとつがカットシーンのような演出になり、会話中はNPCに攻撃を仕掛けられなくなった。プレイヤー以外の外的要因にも邪魔されずに済むため、安心して会話に聞き入ることができる。

・クエスト追跡システムの改善
NPCとの会話などから始まるクエストの根本的な実装方法にも改善が見られる。これまでは担当したレベルデザイナーによってスクリプトの作りが異なっていたため、どれかひとつのクエストで問題が生じても、それを他のクエストに適用することが難しかった。今回のアップデートからは共通のクエスト管理システムが導入され、クエスト進行関連のバグが発生しにくくなったという。

・ビジュアルとアニメーションの改善
ビジュアル面でも、街の外観、家屋の内装、ライティングに手を加え、より美しい世界を堪能できるようになった。ディテールが増えたことで、環境から読み取れるストーリー・テリングの厚みが増したということでもある。街並みだけでなくNPCの挙動についても改善されている。これまではぼんやりと街中を徘徊するだけだったが、きちんと生活感のある行動を取るようになった。プレイヤー自身のアニメーションも追加されたため、ゲーム全体として、より生き生きとした世界を味わうことができる。

なおアップデート適用後はこれまでのセーブデータを利用できなくなる。皆平等にニューゲームからやり直しということで、貧困と麻薬、そしてプロパガンダにあふれたディストピア都市に舞い戻るのには絶好の機会といえるだろう。

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