調合シミュレーター『The Chemist』開発中。ボロアパートにて、フラスコを割り謎の液体を生み出し家賃稼ぎ


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第478回目は『The Chemist』を紹介する。

『The Chemist』は現在開発中の調合に特化したシミュレーターだ。プレイヤーは貧乏な化学者。ボロアパートの家賃の支払い困窮した矢先、調合を使った金儲けを思いつく。適切な契約を選び、調合をすることで謎の液体を生み出し、出荷することでお金を稼いで貧乏生活から抜け出そう。

はじめにまず、インターネットにて契約を受注しなければならない。ボディーソープ、シャンプー、キッチンクリーナーなど求められる商品のバリエーションは多彩。受注すれば次に選ぶのは調合する液体選びだ。イーストや果糖、ポリ酢酸ビニルから塩素処理水、硫酸まで用意されている液体を購入する。任意の液体を複数フラスコに注ぎ、フラスコからフラスコに液体を移すことで調合する。正しい分量を確認しつつ、フラスコの中身を移し替えていく。

本作には物理演算が導入されており、フラスコを床に落とせば割れてしまい、勢い余ってパソコンにぶつけても同様に壊れてしまう。壊れてしまえば、調合した液体は台無しになってしまうので注意が必要だ。液体が注ぎ込む時も入れすぎないように慎重にフラスコを傾けていくことが重要になる。うまく液体同士を混ぜられれば、次は機械を使っての本格的な混ぜ合わせだ。混ぜ合わせが終わったのちには製品をダンボールなどでパッキングし出荷口へ投げ込めば、納品終了。受注→調合→醸造→出荷を繰り返し、お金を稼いでいこう。途中でイライラが募った場合には、おもむろにアイテムを床に投げつけて壊してみるのも一興だ。

受注できる製品はソープ系だけでなく、食べ物も用意されている。実現可能であるかどうかはさておき、硫酸とトマトピューレで醤油を作ってみてもいいし、果糖を素材に石鹸を作ってみてもいい。受注とは別に研究を進めることで新たな発見をするかもしれない。美容にいいモーターオイルやおいしいひげそりクリームを作ることもできる。素材の液体は200種類以上あるといい、さまざまな組み合わせが楽しめることだろう。

ゲーム中は繰り返し調合をするだけではないようで、ゲーム中にはさまざまなイベントが発生するという。天候も随時変化し、調合は室内作業ながら天候や気温の影響を大きく受けるとのこと。ゲームプレイのスタイルによってシナリオやエンディングは分岐するという。基本的な作業は繰り返しになるもののランダム性を取り入れており、奥深さと刺激あふれるシミュレーターになりそうだ。

開発を手がけているのはトルコのインディースタジオTensixFour Games。『The Chemist』は同スタジオの処女作になるとのこと。開発にはUnreal Engine 4が採用されており、同エンジンの物理演算が発揮される作品になるようだ。対応プラットフォームはPCで、発売日は10月12日。あと一週間強でアパートの一室を舞台にした奇妙なシミュレーターが遊べるようになる。現在デモ版が配信されているので、気になる方はそちらをプレイしてみてもいいだろう。