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「新作ゲームは定価で購入しない層が62%」との調査レポート。年齢層が上がるほど定価購入から遠ざかる傾向も
コンテンツ消費が活発なユーザーの62%が定価でゲームを購入しない可能性が示されている。

海外メディアIGNを運営するIGN Entertainmentは4月30日、統計レポート「Generations in play: 2026 Audience Insights Report」を公開した。この中では、コンテンツ消費が活発なユーザーの62%が定価でゲームを購入しない可能性が示されている。
本レポートはIGN Entertainmentがマーケティング企業のKantarおよびカリフォルニア大学バークレー校と共同で制作したもの。米国・英国・オーストラリアの6250人を対象にアンケート調査をおこなっている。回答者はコンテンツの消費が活発な人に絞られ、ゲーム・SNS・ストリーミング・YouTubeのいずれかを週10時間以上利用しているか、あるいは週に4本以上映画を鑑賞しているかという条件が設定。X世代(1965〜1980年生まれ)、ミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)、Z世代(1997~2012年生まれ)の3世代間でどのような傾向の違いがあるのかを分析している
レポートでは特に、ゲームの購入に関する統計が注目を集めている。回答者のうち62%が定価でゲームを買わないというのだ。レポートにおいてはそうした背景にサブスクリプションサービスの台頭が示されている。また世代別で見ると、普段定価で新作ゲームを購入しないという回答者の割合はZ世代では58%、ミレニアル世代では62%、X世代に至っては80%におよぶ様子。ちなみにサブスクリプションサービスでプレイするという回答者はZ世代では29%、ミレニアル世代では33%、X世代では21%。新作は基本プレイ無料ゲームをプレイするという回答者はZ世代で32%、ミレニアル世代で30%、X世代で46%となっている。

この結果について、海外メディアThe Games BuinessのChristopher Dring氏はVideo Game Chronicleに向けて見解を語った。Dring氏は、現代は消費者がよりゲームに限らずより多くの娯楽を手にしている供給過多の状態にあるとし、さらに新作ゲームでは発売時には未完成な状態の新作ゲームも多いとの見解を示している。そのため、ゲームを発売初日に定価で買おうとする意欲はかつてと比べて薄れている可能性があるそうだ。一方で、ゲームの寿命が長くなり、大作ゲームが何年、何十年と売れ続けることは珍しいことではなくなったとしている。
発売されるゲームが多すぎると指摘される近年では、発売時期が被ったゲームとのセールスの“共食い”が起きてしまっているとの分析も存在する(関連記事)。ゲーマーにとってみても、購入した作品を十分に遊び切れないケースも多いとみられる。一方、各ゲームプラットフォーマーは定額課金でゲームが遊び放題となるようなサブスクリプションサービスを提供しているほか、発売から期間が経った際にはセールで大幅な値引きがおこなわれるのが一般的。そうしたサブスクリプションサービスやセールなどを利用し、“コスパ重視”でゲームを楽しもうとするユーザーが多くなってる可能性はあるだろう。
このほか今回のレポートでは回答者の年齢層が高まるにつれて、定価で新作ゲームを買わない割合が増加していることがうかがえる。仕事や家族との時間などゲームに使える時間が少なくなるにつれて、よりプレイのハードルが低い基本プレイ無料ゲームを遊ぶ割合も増加していくのかもしれない。

なお米国においては、Z世代ではゲームに費やす週あたりの金額が、2024年と比べて2025年1月~4月の期間でおよそ25%減少。米国における雇用市場の冷え込みや学生ローンの存在、高いクレジットカードの滞納率などが原因だという(関連記事)。
また市場調査会社CircanaのアナリストであるMat Piscatella氏は昨年11月、ゲームの消費において富裕層と貧困層が二極化する「K字経済」が発生しているとの見解を述べていた。フルプライスゲームを購入するのはお金に余裕のある層であり、あまり裕福でないユーザーは基本プレイ無料型タイトルや低価格帯ゲームに移行しているとの考えだ(関連記事)。年代間の考えの違いというよりは、経済的な状況の違いが、直接消費傾向の差として現れている可能性はあるだろう。今回のレポートにおいてもっとも定価で新作ゲームを購入する割合の大きかったZ世代についても、今後の傾向の変化は注目される。
ちなみに、日本のマーケティング機関SHIBUYA109 lab.が2023年におこなった調査では、Z世代の半数以上の回答者が、スマートフォン向けタイトルなどを中心に暇つぶし程度にゲームをプレイしていると回答していた。近年ではいわゆるキャラガチャのないゲームなど基本プレイ無料作品にもさまざまなタイトルが展開されており、課金体系やジャンルが多様化する中で、改めてプレイのハードルが低い基本プレイ無料作品が存在感を強めている可能性もうかがえる。
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