“90%OFF”激安RPG『オリアカ:ライト』の開発者、「安すぎて疑わしい」という意見に悲しむ。本当に90%OFFなので、お手頃RPGとして楽しんでほしい
いかにして90%OFFというコンセプトが生まれたのか、その狙いや今後について開発者に直接伺った。

Qookka Gamesは4月1日、モバイル向けの新作RPG『オリアカ:ライト』をリリースした。対応プラットフォームはiOS/Android。
『オリアカ:ライト』は、「三国志」をベースにしたファンタジーRPGだ。本作は、2022年4月にリリースされた『オリエント・アルカディア(以下、オリアカ)』のモバイル向け正統続編となっている(関連記事)。弊誌では、リリースに先駆けて3月中に行われたクローズドβテストに参加し、90%OFFのプレイ体験についてレポートした(関連記事)。そこでは、完全無課金の範囲でも『オリアカ』のキャラクターたちを育成する楽しみが感じられ、すべての課金要素が通常の10分の1の価格で購入できることの心理的ハードルに対するポジティブな影響を身をもって体験したのだった。
今回、本作の開発者に向けたインタビューにて、いかにして90%OFFというコンセプトが生まれたのかや、その狙い、今後について開発者に直接伺うことができたので本稿にてレポートする。
どうして90%OFFにしたの? なぜできたの?
――まずは、自己紹介をお願いします。
村人Y氏:
こんにちは、『オリアカ』および『オリアカ:ライト』のディレクターを務めている村人Yです。ざっくり言うと、「価格を思い切って10分の1にした人」です(笑)今日は『オリアカ:ライト』をどういう気持ちで作ったのか、いろいろお話できたら嬉しいです。よろしくお願いします。
――『オリアカ:ライト』を開発したそもそもの発端についてお聞きします。市場ニーズを踏まえたものなのか、それともユーザーの声を受けての企画だったのでしょうか。
村人Y氏:
正直に言うと、この企画ってちょっと“逆張り”とも言えるかもしれません。今のスマホゲームは全体的に、どうやって売上を伸ばすか、どうやって課金してもらうか、という方向に寄ってると思うのですが、私たちは逆に「できるだけお金をかけずに楽しめるゲーム」を作りたいなと思ったのが発端ですね。課金と楽しさの関係についてはずっと気になっていて、「課金したい人は気持ちよく課金できるし、したくない人もちゃんと楽しい」っていう、“もっと気軽に遊べるRPG”を実現できないかと考えました。発想としては、「どうやって稼ぐか」じゃなくて「どうやってプレイヤーの負担を減らすか」がテーマでした。
そうして生まれたのが『オリアカ:ライト』です。簡単に言うと、ゲームを「小さくした」のではなく、価格のハードル・プレイ時間・操作の複雑さといった要素を、全体的に下げた設計になっています。
――そこから「90%OFF」にした理由が気になります。半額などではなく、いきなり90%OFFなんですね。
村人Y氏:
「90%OFF」という具体的な数字については、社内にいる“Steamセール大好きマン”の一言がきっかけです。「70%OFFとかじゃ物足りなくない? いっそ90%OFFでよくない?」っていう、かなり勢いのある発想から始まっています。ちなみに、日本のゲームプレイヤーとして「90%オフ」というスローガンを聞いて、あなたは最初にどんな反応をしましたか?
――正直にお伝えすると、結局は普通のソシャゲくらいの課金が必要なんじゃないかと疑ってしまいました。実際はそんなことないのですが、一見して信じがたかったです(笑)
村人Y氏:
やっぱりそうですよね。私たちは市場で「お得なゲーム」のポジションを目指しているのですが、「90%オフ」を掲げてプレイヤー騙しているのではないかと思っている人もいるみたいです。実際に『オリアカ:ライト』をプレイしてくれたお客様は納得してくれているのですが、嘘つきと思われてしまうとちょっと悲しいです。もう少し的確にこのゲームを言い表せるスローガンは、今後も模索していきます。

――90%OFFという価格設定はリリース直後の一時的なものでなく、今後も継続していくということだと思いますが、収益は賄えていますか。
村人Y氏:
この点については、よく聞かれますね(笑)結論から言うと、ちゃんと長く続けられる前提で設計しているので、安心していただいて大丈夫です。根拠はいくつかありまして、その中でも一番大きいのは、本作が完全新作ではなく『オリエント・アルカディア』をベースにした作品であることですね。前作でゲームとしての土台がかなりしっかり作り込まれてるので、それを“もっと気軽に触れる形”にするというアプローチが取れています。
そして、「なんでこんなに安いの?」っていう点については、最初は少し疑われるかもしれませんが、一回触ってみて“軽く遊べるRPG”という感覚を体験していただけたら嬉しいです。私たちとしては、「RPGってこんな軽いノリでも遊べるんだ」と感じてもらえたら、それだけでかなり成功だと思っています。
90%OFFだから、気楽に楽しみたい人が定着している
――ユーザー層についてお聞きします。ユーザーには『オリアカ』既プレイヤーと、完全新規プレイヤーがいると思いますが、実際はどのような人々が遊んでいますか。
村人Y氏:
現在のユーザー層は、大きく3つのタイプに分かれています。まずは“ガチャRPGが好きな人”。同じようなゲーム体験を約10分の1のコストで楽しめる点に魅力を感じていただいています。公式Discordサーバー上でも「初めて図鑑コンプ狙えそう」みたいな声があって、結構面白いなと思いました。
2つ目は、前作のファンです。『オリアカ』のキャラや世界観は好きだけど、時間的にがっつり遊べなかった方々ですね。今回は時間がかかる要素をかなり軽くしているので、もう少し気楽に楽しんでもらえるかなと思ってます。
そして3つ目は、“安さに惹かれて来た人”。「お金を使うことが“損”ではなく“得”に感じられるゲームは初めて」っていうコメントがあったのが結構印象に残ってますね。皆さんに共通してるのはやっぱり「気楽さ」ですね。お金も時間も重くないから、思い出したときにちょっと触るくらいでもゲームとして楽しんでもらえるのが大きいと思います。
――4月1日のリリース以降、ユーザーから受け取った反応で特に印象的なものはありましたか。
村人Y氏:
反応は結構たくさんいただいていて、しかも面白い反応が多いですね。でもやっぱり、最初はみんな「本当に90%OFFなの?」と半信半疑で(笑)「それってマジ?」とか、「ちょっと触ってみるか」から始まって、実際に遊んで「ほんとに安いわ、これ」っていう反応へ変わっていく流れは、見ていて面白いです。
それから、SNSへの「お願い!90%OFF!」投稿募集キャンペーンの反応もかなり良かったです。“日常で90%OFFにしたいもの”を募集したんですけど、家賃90%OFFとか、体重90%OFFとか、上司の無駄口90%OFFとか(笑)皆さんの発想力には想像以上に自由で、めちゃくちゃ盛り上がりました。
今後はどのようなゲームになっていく?
――前作『オリアカ』があることで開発面にはどのような影響がありましたか。良かった点、悪かった点をそれぞれ教えてください。
村人Y氏:
『オリアカ』があることによって開発が楽になるわけではありませんでした。新旧のプレイヤーに最大限の新しい体験を提供したいと思っている一方で、90%OFFの価格設定がゲーム内容やマネタイズの部分に少なからず影響を与えましたので。前作の運営も継続しているため、両立させるのが大変ですし(笑)
良い点としては、さきほどお話したようにゲームの土台がしっかりしているところです。『オリアカ』の方のプレイヤーからは「ギルドの活動がまるで仕事出勤みたい」といった意見があったので、そういったフィードバックは『オリアカ:ライト』の方のギルドデザインにしっかり反映しました。なので『オリアカ:ライト』の方では、ギルドへの出勤にかかる強制感は薄まっています。
悪い面は、『オリアカ』自体が4年前のゲームなので、現状は『オリアカ:ライト』のプレイヤーに新しい体験や新鮮な遊び方を提供できていないことです。新しいゲームは毎日世の中に出てきて、私たちも強いプレッシャーを感じています(笑)これについては、今後のアップデートや新しい運営イベント、遊び方で改善していく予定です。
――『オリアカ』と並行して運営していくことになると思いますが、『オリアカ:ライト』では今後どのような独自のアップデートや改善を予定していますか。
村人Y氏:
現時点では詳しく明かせませんが、ギルドや育成に関してのアップデートをいくつか予定しています。ここで一貫して重視しているのは、「無理に課金を促す仕組み」ではなく、プレイヤー自身が納得して価値を感じられる体験です。『オリアカ:ライト』は、RPGを安くしたものというより、RPGをより気楽に楽しめるゲームとして提示していきたいからです。

――運営型ゲームとして、コンテンツアップデート以外にもさまざまなリアルタイム感のある施策を講じていると思います。現在はユーザー向けに、どのような施策を進めていますか。
村人Y氏:
現在の運営方針はシンプルで、「すべてのプレイヤーがコミュニティに深く参加できる環境を作ること」を軸にしています。ユーザーコミュニティを単なる告知を受け取る場ではなく、プレイヤー同士が気軽に交流したり、意見や攻略情報を共有したり、助け合える“居場所”のような空間にしたいと考えています。その中で特に力を入れているのが公式Discordサーバーです。内部は大きく「攻略」「編成共有」「雑談」といった複数のコーナーに分かれていて、プレイヤー自身が自分に合った場所を見つけられるようにしています。
その中でも「攻略」は特に力を入れている部分で、「百円RPGチャレンジ大会」というテーマを軸に、プレイヤーのレベルやスタイルに応じて参加しやすいよう、複数の攻略コーナーを用意しています。気軽に書き込める「一言攻略」から、より詳しくまとめた「メモ攻略」や「動画攻略」など、それぞれのスタイルで情報共有や交流ができる形です。結果として、自然とプレイヤー同士のやり取りも増えていて、特に「一言攻略」はかなりいい盛り上がりを見せています。
もちろんXも重要な交流の場として活用し、公式アカウントからのお知らせやイベント情報の発信に加え、気軽に参加できるキャンペーンなども展開しています。できるだけ、「やらされてる感」ではなくて、自然にゲームの一部として関われるように意識しています。
――最後に、本作が気になっているプレイヤーに向けてコメントをいただけますか?
村人Y氏:
『オリアカ:ライト』は、RPGを安くしたというより、RPGをより気楽に楽しめるゲームだと思っています。プレイヤーの皆さんが楽しんでいただけることは、4年前から今まで変わらない願いです。何か疑問があれば、私たちのDiscordチャンネルや公式X(Twitter)に気軽にご意見をお寄せください。村人Yはいつでも皆さんとの交流を楽しみにしています!

――ありがとうございました。
『オリアカ:ライト』は、iOS/Androidにて基本プレイ無料で配信中だ。
[聞き手・執筆:Kei Aiuchi]
[聞き手・編集:Aki Nogishi]
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