『ペルソナ3』の屈指人気曲の曲名が“タイプミス”で台無し。歌い手が思わず噴き出す年始の一幕

 
画像は『ペルソナ3 ダンシング ムーンナイト』のもの

『ペルソナ3』の人気楽曲が奇妙な形で脚光を浴びているようだ。同作を代表する曲のアレンジの名前がひと文字間違っていたことにより、ファンの笑いを誘っている。『ペルソナ3』コミュニティでは、年末年始にほっこりとした時間が流れていた。


発端となったのは、この年末年始に『ペルソナ』シリーズのサントラが海外の音楽配信サービスに追加されたこと。国内Spotifyユーザーは以前から楽しめていた『ペルソナ3』『ペルソナ4』『ペルソナ5』などの珠玉の音楽が、SpotifyやApple Music向けにようやく欧米にも開放されることになり海外ユーザーを喜ばせた。ラインナップとしては『ペルソナQ』シリーズといった派生作品や『ペルソナ2 罪罰』サウンドコレクション、アレンジサントラにライブCDなども配信されており、ファンとって嬉しいものだろう。そうした中で、英語ネイティブのユーザーたちが曲名の違和感に気がついたようだ。

指摘されたのは、「Burn My Dread -Last Battle-」だ。同曲はオープニング曲「Burn My Dread」をアレンジした人気サウンドトラック。作中の重要シーンで流れるBGMとなっており、川村ゆみ氏の力強い歌声とLotus Juice氏の鋭いラップが、ゲーム内演出とあいまってプレイヤーのボルテージをあげていく。『ペルソナ3』の中でも、屈指の人気を誇る楽曲である。しかしSpotifyやApple Musicではそんな名曲の名前が「Burn My Bread -Last Battle-」になっていたようだ。Dreadが、Breadになっていたのである。「Burn My Dread」は日本語で“恐怖を燃やせ”。銃口をこめかみに当ててペルソナを召喚するなど、恐怖に立ち向かう作中の表現に絡めているのだろう。しかし、誤植によりBurn My Breadと表記されており、“パンを焼け”という意味になってしまった。決戦中にパンを焼く主人公を想像するとかなり奇妙。このシュールなフレーズが笑いを誘っているようだ。


実は、このBurn My Breadという曲名は、国内でサントラが発売された際に作曲家の目黒将司氏自身が誤植してしまったという逸話が伝えられている(みんなで決めるゲーム音楽ベスト100まとめwiki)。初回版のみの誤りでありのちに修正されたようだが、音楽配信サービスでは誤植が残ったまま配信。日本国内でも「Burn My Bread -Last Battle-」という名前のままで長らく配信されていた。海外に配信されたことで、改めてツッコミが入ったのだろう。


この誤植には、同曲を歌うLotus Juice氏も反応。「俺のせいじゃないし関係ないけど、アトラスに伝えとくよ」とコメント。その後「実際にパンを焼きながらBurn My Dreadを歌う動画なんて作らないからな!笑」と振ったのち、その後世界情勢を絡めて「痛みを和らげるために、やはり俺がBurn My Dreadを歌いながらトーストを焼くべきなのか。いやしかし食べ物は無駄にしたくないんだ」とおちゃめに語っていたりと、ファンをほっこりさせている。


実はBurn My Breadのフレーズは今回の誤植が発覚する以前から国内外にてちょっとしたネタになっていた。「Burn My Dread -Last Battle-」を流しながらトースターでパンを焼くという動画がYouTubeに投稿され人気を博している。Juice氏のジョークは、こうした動画にかけているのだろう。ユーザーたちもJuice氏を盛んにいじっている。こうした声が届いたのか、SpotifyやApple Musicにて「Burn My Dread -Last Battle-」の楽曲名は先日修正された。

日本のサントラの誤植によって生まれたBurn My Breadネタであるが、14年の時を経てまたしても国内外でイジられることとなった。『ペルソナ3』は、それほど世界で長らく愛されている作品なのだろう。『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』『ペルソナ5 スクランブル』のサントラの一般販売を待ちわびながら、SpotifyやApple Musicにて改めて『ペルソナ』サウンドを楽しむとよさそうだ。