『Apex Legends』人外キャラは毒ガスのダメージをあまり受けない。ひっそり実装されていた特殊な仕様

 

先月24日より期間限定イベント「失われた財宝」が開催中の『Apex Legends』。同イベントの開催に際しては、新アイテムや期間限定モードの実装のほか、複数のレジェンドに向けたバランス調整も実施された。そんな中、実は密かに仕様が変えられたアビリティが存在することはご存知だろうか。パッチノートにも記載されていなかった、シークレットな調整。現在『Apex Legends』のコミュニティを中心に、その“こっそり”施された調整が注目を集めている。

RedditユーザーのBloonH8TR氏は7月5日、コースティックのNoxガスについて、その効果に特殊な仕様が存在していることを報告。その内容は、ガスを吸い込ませた際の与ダメージがパスファインダーとレヴナントに対してのみ減少するといったもの。あわせて投稿されたビデオクリップには、上述の仕様を実際に検証する様子が収められている。映像の冒頭、射撃訓練場に集まるのはブラッドハウンド、レヴナント、そしてコースティック。つまりブラッドハウンドとレヴナントを実験台に、ガストラップの発動によるダメージ値の差異を確認しようというわけだ。一体どれほどの差があるのだろうか。


ガストラップを発動させ、検証を開始するBloonH8TR氏。ガスが放出され、レヴナントとブラッドハウンドにみるみるダメージが入っていく。両者ともにかなり咳き込んでおり、非常に苦しそうだ。しかし体力バーを見れば一目瞭然、ダメージの入り具合が全く違う。ガス効果が切れると同時に死亡するブラッドハウンド。それに対し、レヴナントはガスの持続時間が終了してもなお5分の1ほど体力を残している。またパスファインダーを実験台とした次のシーンにおいても同様の結果が確認でき、やはりレヴナントとパスファインダーのみガストラップ1個分のダメージではダウンしないようだ。

なぜレヴナントとパスファインダーのみがガスを耐え、今回比較対象に抜てきされたブラッドハウンドは倒れてしまうのか。ここで3者の継続ダメージ値を見てみよう。コースティックのガスによるスリップダメージは毎秒4から1ずつ値が上昇していき、最大10となる。持続時間は12秒で、その間常にガスを与え続ければ、敵の体力を合計で100以上削ることが可能だ。しかし、レヴナントとパスファインダーの場合はどうだろうか。まず基本ダメージが4からではなく、3から開始している。そして最大7のダメージで止まっていることが前述の映像でも確認できるだろう。


一方のブラッドハウンドは、先述したガスの仕様どおりにダメージを受けている。つまりレヴナントとパスファインダーは、ガスによるスリップダメージ自体を軽減しており、その結果、他のレジェンドよりも合計のガスダメージを大幅に抑えているというわけだ。この仕様についてはこれまで公式から一切触れられておらず、先月公開された「失われた財宝」のパッチノートにも記載されていない。そのため、具体的にいつ頃パスファインダーとレヴナントにガスダメージの軽減効果が付与されたのか、その時期も不明である。

今回発見されたさりげない変更を巡っては、『Apex Legends』のコミュニティ内で多くのコメントが寄せられている。その中では、いつ頃該当の仕様が実装されたのか、その時期について考察するユーザーも現れており、実は今回のように話題としてあがる前からレヴナントとパスファインダーはガスダメージを軽減していたのではないかとの声も見られる。レジェンドのバランス調整含むアップデートとしては、先月24日に実施されたものがもっとも近い。しかし少なくとも同アップデートの内容を記載したパッチノートには、毒ガスの仕様変更については言及されていない。となると、今回発見された仕様が最近実装されたものだと断定することは難しいだろう。さらにその前のアップデート、具体的にはシーズン5の開始時、もしくはそれ以前からガスの仕様が変更されていた可能性も考えられる。つまり毒ガスを巡る特殊な仕様は、これまでユーザーが気づいていなかっただけで、実はかなり前から実装されていたのかもしれない。

そのほかコミュニティ内に寄せられたコメントの中では、なぜレヴナントとパスファインダーだけにガスダメージ軽減効果が付与されているのかという素朴な疑問も投げかけられている。これについては両者がロボットだからという説があがっている様子。確かにレヴナントおよびパスファインダーのボディは金属製。呼吸器が存在しないことを考慮すると、ガスダメージを抑えられる仕様は理にかなっていると言えるかもしれない。一方で、それならダメージを完全に無効化できないとおかしいといった声も。こちらについてはコースティックのガスはNox(窒素酸化物)ガスであるため、金属をも溶かし得るとの見解を示すユーザーも現れるなど、今回発見された仕様を巡っては、興味深い考察が多く挙がっている。


ただしコミュニティ内では今回のガスの仕様を単なるバグと見なす動きもあり、狙って実装された仕様ではないだろうと意見するユーザーも出現。やはりゲームバランスに関係する仕様にもかかわらず、これまでのパッチノートにその旨が一切記載されていない点を疑問に思うユーザーは少なくないよう。確かに、一部のレジェンドのみガスによるダメージを軽減できるという仕様は、戦闘面にも大きく絡む重要事項。今回の場合、相対的にパスファインダーおよびレヴナントが有利になる場面も想定される。こっそりと実装するにしては大きすぎる変更とも捉えられるだろう。そうした点を踏まえると、バグである可能性も決して否定できなさそうだ。

ちなみに筆者が該当の仕様を実際に検証したところ、確かにレヴナントとパスファインダーのみ、受けるガスダメージ量が他のレジェンドと比べて少なくなっていた。またガストラップだけでなく、ガスグレネードによるダメージも軽減されるよう。こちらはダメージを受け続けるとレヴナントとパスファインダーであってもダウンするものの、その後のHP量にひらきがあった。具体的には両者の場合、ガスが消えたあと4分の3ほどの体力が残っていたのに対し、それ以外のレジェンドはダウン後4分の1ほどの体力しか残っていなかった。なお、この現象についてはBloonH8TR氏も同様の報告を寄せている。


果たしてレヴナントとパスファインダーに施された特殊効果は仕様か、はたまたバグなのか。真相は現時点で不明だが、もし後者であるならば近いうちに修正される可能性は高いだろう。いずれにせよ、メカニカルなレジェンドのみがガスダメージを抑えられるという事象それ自体からはどこかユーモアさえ感じられる。今後修正される可能性も考慮し、今のうちにロボットキャラクターの特権とも言える仕様を味わっておくのもいいかもしれない。なお現在開催中の「失われた財宝」は、日本時間の7月8日までの開催となっている。やり残しのないよう、期間限定イベントをたっぷり楽しんでおこう。