人気オープンワールドRPG続編『Kenshi 2』UE4の採用を発表。前言を撤回し、美しいゲームを目指す

 

イギリスのインディースタジオLo-Fi Gamesは9月27日、現在開発中の『Kenshi 2』のゲームエンジンにUnreal Engine 4を採用すると発表した。今年3月に開発のスタートが発表された同作の舞台は、『Kenshi』から1000年前の「旧帝国」。前作の世界の歴史や伝承がさらに明かされるという。

『Kenshi』

開発発表時にはLo-Fi Gamesは、前作と同じくObject-Oriented Graphics Rendering Engine (OGRE)を採用すると公表。まったく異なるエンジンを使用すると今まで築き上げたすべてが壊れてしまい、完成に“さらに100万年かかってしまう”可能性があると語った。また同じコードを使うことで、グラフィックよりもゲームプレイに優先度順位をおくという決断をしたとファンに説明していた。

しかしそこから半年が経った9月27日、開発計画が大幅に変更される事になり、ゲームエンジンにUnrealを使う事が決定されたと発表。「簡単に素晴らしいグラフィックを提供できる」「パフォーマンスが上がる」「長期的な作業工程の軽減。エンジンのバグや性能に左右される事がなくなるため、ゲームプレイに注力できる」といったメリットをあげている。そのほかデメリットとしては「エンジンの移行は大仕事であり、短期的に作業量が増える」「エンジン自体のコントロールがしにくくなる」「MODのサポートが複雑になる。Unrealは難しいエンジンで、制限もある。まだエンジンの全容を理解していないので、どのような影響が出るのかはこの時点では分からない。」などあげている。

またもうひとつあげられているのが、前作『Kenshi』UE4への移行の懸念だ。というのも、Lo-Fi Games は続編開発にあたり培った技術を、『Kenshi』にも反映させていく意向を表明していた。今もなお多くのプレイヤーが遊ぶ同作をサポートすると強調してきたが、エンジンが変わることで前作サポートが難しくなる。そこで前作をUE4に移植することを開発元は検討しているが、移行の作業量は『Kenshi 2』を開発する作業量よりさらに多く、複雑で続編の開発が大幅に遅れてしまうとのこと。

そこでLo-Fi Gamesは
1.「Kenshi」をUnrealエンジンに移行し、「Kenshi2」の開発を大幅に遅らせる
2.「Kenshi2」の開発を優先し、「Kenshi」に関してはバグの修正を続ける
のどちらが良いか、ユーザーに意見を募っている。

開発を総指揮するChris Hunt氏は、完結された『Kenshi』を作りなおす事よりも、新しくエキサイティングな機能やコンテンツ、探検できる場所やプレイ要素のある『Kenshi 2』に注力したいと思っていると表明しているが、ユーザーの声が第一というのがLo-Fi Gamesのやり方。アンケートを受け付けており、その声の大きさで開発方針を決めると明かしている。

Steamコミュニティでは、続編開発の注力を求める声多数で、アンケートも80%以上が続編優先。前作をUE4向けに移植する、そして前作をアップデートしていくという計画は、選ばれない可能性が高そうだ。前作と同じOGREを採用すると語り、その「よさ」を守る姿勢に支持が集まっていたLo-Fi Games。前回の発表から大きくスタンスを変更することになったが、『Kenshi 2』はどのような作品になるのだろうか。


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)