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オープンワールドの大都市といえば、自由の代償としてそれなりのルールがある。街中で悪さをすれば警察に追われる。危険な場所に踏み込めば敵に襲われるし、何かを奪おうとすれば監視の目をかいくぐらなければならない。では、そんな街に「透明人間」が現れたらどうなるのか。

NTE: Neverness to Everness』(以下、NTE)Ver.1.3で登場した新キャラクター・残虹は、異能によって自身を透明化できる。透明化中は移動速度も50%上昇。発動中にもクールタイムが進むため、効果時間いっぱいまで使えば解除後すぐに再発動でき、ほとんど透明のまま街を走り続けることすら可能だ。

字面だけ見ても、悪用の匂いしかしない能力である。というわけで今回は、残虹を連れてヘテロシティを歩き回り、「透明人間になったら試したくなること」を片っ端から試してみた。

さらに今回は、9月9日に実装予定の新キャラクター・リンコも体験できた。相棒「さだちゃん」の力を借りて空へ飛び出し、そのまま滑空するという、こちらも街遊びに悪用できそうな能力の持ち主である。

せっかくなので残虹を中心にしつつ、Ver.1.3で復刻するナナリや潯も含め、「キャラクターの異能を街へ持ち出したら、どこまで無茶ができるのか」もあわせて考えてみたい。なお本稿には、一部先行体験コンテンツが含まれるため留意してほしい。


万引き、強盗、逃走。透明人間なのでだいたいできる

まず試したのは万引きである。『NTE』ではコンビニやドラッグストアなど、街中の一部店舗から商品を盗むことができる。通常なら店員の視線を確認し、死角やタイミングを見計らって商品に手を伸ばす必要がある。

しかし残虹なら、透明になって商品へ近づき、そのまま持っていけばいい。真正面から店員の横を通り抜けて商品を拝借し、そのまま退店できる。トイショップのDSD堂では「浅緋祈-青色彼方」という巨大なフィギュアまで盗めるため、“マメに万引き”して自宅をフィギュアだらけにすることも可能だ。

にくきゅう銀行へ潜入するトレジャーハント「にくきゅう大強盗」でも、透明化はしっかり有効だった。敵や監視に発見されず移動できるうえ、財宝は透明状態のまま拾える。金庫や鍵を開ける際には透明化が解除されるものの、それ以外はかなり自由である。

さらに悪事を働いたあと、警察から逃げる際にも使える。本格的な戦闘状態へ入る前に透明化すれば、警察から発見されている状態を抜け出し、そのまま物陰などへ移動。手配度が下がるのをじっくり待つことができる。

万引きが楽になる。強盗も楽になる。警察からも逃げやすい。「透明人間ならできそう」と思った犯罪方面の悪用は、おおむねそのままできてしまうのである。

大都市を自由に走り回り、物や車を盗めて、悪さをすれば警察に追われるタイプのオープンワールド自体は珍しくない。ただ、そこに「ほぼ好きなタイミングで透明になれる」という能力を持ち込むと、お馴染みのルールが途端にゆるくなる。

店員の死角を探す必要はない。監視を避けてこそこそ移動する必要もない。「見つからないように悪さをする」のではなく、そもそも見つからなくなればいいのである。ヴィランである残虹だからこそ、やけに馴染む光景だ。


横着したり、記念撮影したり。透明化は街遊びにも便利

透明化が便利なのは犯罪だけではない。たとえばホラー系の探索コンテンツである異象空間「名もなき病院」。ここには探索中に捕まるとスタート地点へ戻される、包帯を巻いた厄介な異象がいる。

ただ残虹なら透明化したまま、その横を素通りできる。ドアを開けてもアイテムを取得しても透明化は解除されないため、雰囲気の怖さはともかく、探索自体はかなり気楽になる。

また、こちらから攻撃せず本格的な戦闘状態へ入っていなければ、街中の敵の近くでも透明化できる。普段なら近づいた瞬間に襲われる異象やヤンキーの目の前まで歩いていき、じっくり観察したり、自撮りでツーショットを撮ることも可能だ。

攻略が楽になるだけなら「便利なスキル」で終わるところだが、普段は近寄れない危険な相手の横まで入り込み、記念写真を撮れてしまうあたりが『NTE』らしい。潜伏用の能力を、そのままどうでもいい街遊びへ転用できるのである。

透明化中は移動速度が50%上昇するため、単純な街移動にも使いやすい。筆者が試した限りでは、透明状態でのダッシュは原付より速かった。車やバイクを降りたあとの細かな移動などでは、思っていた以上に重宝する。

残虹の透明化は、難しい場面を攻略するためだけの能力ではない。街に存在する「ちょっと面倒なもの」に横着し、普段できない距離まで敵へ近づき、ときにはまったく役に立たないいたずらへ使う。能力ひとつで、街との付き合い方そのものが少し変わってくる。


透明でも勝てない、校門のおじさん

ここまで店員、監視、警察、怪異と好き放題してきた残虹だが、透明でも勝てない相手がいる。絵空町にある学校・クレイモン学園の門番である。普通は死角から侵入するのだが、残虹なら透明化で素通りできるのでは――と近づいたところ、普通に見つかり、そのまま押し戻された。

残虹の透明化を見破る特殊能力でも持っているのか。しかも潯の時間停止なら普通に突破できるため、「システム的に通れない」のではなく、「このおじさんだけ透明人間が見える」と考えたくなるのが余計に不気味である。

ほかにも「カメレオンの落とし物」は、透明状態でも通常と同じく死角から触れる必要があるなど、残虹だけですべての街遊びを突破できるわけではない。そして、この「何でもできるわけではない」ことが案外重要なのだ。


壁走り、時間停止、そして滑空。異能を組み合わせればもっと無法

Ver.1.3では残虹だけでなく、過去にピックアップされたナナリと潯も復刻する。さらに9月9日からは、新キャラクター・リンコも登場予定だ。残虹が「見つからない」という方法で街のルールを無視するキャラクターなら、この3人もまた、それぞれ別方向からかなり無茶をする。

ナナリは重力を操り、壁や天井に吸い付いて走ることができる。普通なら階段を探し、地道によじ登らなければならない上下の移動でも、建物そのものを走行ルートへ変えてしまう。

残虹は地上での細かな移動や監視の突破に強い。一方、目的地が建物の上など高い場所にあるなら、ナナリの方が圧倒的に話が早い。「道を探す」という街のルールそのものを無視できるキャラクターだ。

一方の潯は時間停止である。時間を止めて危険をやり過ごせるほか、残虹では止められてしまったクレイモン学園の門番も突破可能。残虹が「自分を認識させない」のに対して、潯は「周囲そのものを止める」という、さらに強引な方向からルールを無効化する。

そしてリンコは、また違った方法で移動の常識を崩してくる。リンコは相棒「さだちゃん」の巨大な手とシンクロし、パチンコのように身体を空へ射出。その後は両手を羽根のように広げ、ゆっくりと滑空できる。射出角度はある程度調整可能で、自由に空を飛び回れるわけではないものの、通常のグライダーより高く、遠くへ移動できるのが特徴だ。

実際、アッパレタワーの先端から飛び出してみると、かなり時間はかかるものの、遠く離れた異象管理局付近までそのまま到達できた。「あのビルから飛んだらどこまで行ける?」「ここからあそこまで届く?」と、街中の高所が発射台になるような能力だ。グライダーがただ安全に降下するためのものだとしたら、リンコのスキルは両手のゆらゆらと揺れるモーションも相まって、「空を飛んでいる」という実感を与えてくれる。

そして当然、筆者が考えたのは観光ではなく悪用である。リンコの射出は戦闘状態では使えない。警察から全力で追われている最中に、その場で突然空へ逃げることはできなかった。しかし、こんなときこそ残虹の出番だ。

まず残虹で透明化し、警察から発見されている状態を解除。そのまま距離を取って警察が探索している状態まで持ち込めば、リンコへ交代して空へ飛び出すことができる。

高速道路など、直線的に逃げ続けるしかない場所なら特に相性がいい。警察の目の前から姿を消し、少し離れたところで今度は空へ射出。そのまま上空をゆっくり滑空しながら手配度が下がるのを待つ。いかにも透明人間と空飛ぶキャラクターを揃えたチームらしい逃げ方である。

面白いのは、誰も万能ではないことだ。残虹は見つからなくなるが、その間は攻撃できない。リンコは遠くまで飛べるが、戦闘中には射出できない。だからこそ、「この能力ならどうだ」「こいつと組み合わせたらもっと無茶ができるのでは」と考え始める。

ひとりの異能で街を攻略するだけではない。それぞれ不完全な異能を組み合わせ、街のルールに別方向から穴を開けていく。この遊び方こそ、キャラクターが増えていく『NTE』ならではの面白さなのかもしれない。


新キャラが増えるたび、昔からある街をもう一度試したくなる

残虹の透明化をしばらく悪用していて、最終的に面白いと感じたのは、「透明になる」という能力そのものだけではなかった。

万引き、強盗、警察、自撮り、学校。今回試したものの大半はVer.1.3で新しく実装されたシステムではなく、以前からヘテロシティに存在していたものだ。それでも透明化という能力がひとつ加わるだけで、「ここならどうなる?」「これは見つかる?」と、昔からある街をもう一度触りたくなる。

ナナリや潯、リンコまで並べれば、「壁を登れば?」「時間を止めたら?」「ここから飛んだら?」と問いはさらに増え、やがて「透明になってから飛んだら?」と能力同士を組み合わせる発想まで出てくる。同じコンビニも学校もビルも、使うキャラクターが変われば別の実験場所になるのである。

オープンワールドゲームに新しい遊びを増やす方法は、新しい街やアクティビティを追加することだけではない。『NTE』では、新しいキャラクターをひとり追加することでも、既存の街に新しい遊び方が生まれる。戦闘で使うための異能を、そのまま街へ持ち出せるからこその面白さだろう。

残虹を手に入れた人は、戦闘での強さを確認する前に、一度そのまま街へ出てみるのもいいかもしれない。まずはコンビニでポテトチップスを盗むあたりから。そしてリンコがやってきたら、今度はそのまま空へ逃げてみよう。

ちなみにリンコの滑空でクレイモン学園へギリギリ飛び込むこともできたが、少しでも高度が落ちると門番に見つかってしまった。くれぐれも、校門のおじさんを侮らないように気を付けたい。

NTE: Neverness to Everness』は、PC(公式サイト/Steam/Epic Gamesストア/Google Play Games)/Mac/PS5/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。残虹とナナリの限定ボードは9月9日6時59分まで開催中。リンコと潯の限定ボードは9月9日から9月30日6時59分まで開催予定となっている。

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