オープンワールド『サブノーティカ:ビロウゼロ』が怖かった。クランク搭載携帯ゲーム機Playdateをつい触ってしまう。『ソニックフロンティア』感想。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。362回目です。あと2か月すれば2023年です。


カノジョの制裁がいつも豪快

クランク搭載携帯ゲーム機Playdateを、暇を見つけては触っています。対応ゲームにはクランクをメインに利用するものもあれば、そうでないものもありますが、やはりガッツリ活用しているゲームに興味が惹かれる。これまでのところ『Crankin’s Time Travel Adventure』がお気に入り。『塊魂』のクリエイターとして知られる高橋慶太氏の作品です。

本作では、デートの約束に寝坊した主人公の“時間”にクランクを使用。前に回せば主人公が家を飛び出して進み、逆に回すと主人公が逆戻りする。主人公以外の時間はクランクに関係なく進んでいくことが肝で、迫ってくる障害物に合わせてクランクを回し、主人公が取るさまざまな姿勢を制御して、上手く避けなければならない。クランクを繊細であったり、勢いよく回したりする必要があり結構難易度高めですが、ほかのゲーム機では得られないユニークなゲーム体験となっています。
by. Taijiro Yamanaka


ホラーゲームとしての『サブノーティカ:ビロウゼロ』

今週は以前投げ出してしまっていた『サブノーティカ:ビロウゼロ』を新規セーブデータでプレイ。本作の舞台は異星に広がる大海原。プレイヤーは体力・食料・水分を管理しながら、水中での生活をしつつ、惑星からの脱出を図るのだ。サバイバルクラフトゲームでありながら、その本質にはホラー要素も含んでいるのが良いスパイスとなっている。

本作でプレイヤーが酸素管理を怠ると待ち受けるのは死。高性能な機械を作るための資源は海の底にあり、プレイヤーはつねに溺死リスクと隣合せになる海底へ駆り出されることとなる。大海原には広大な「何もない空間」と、洞窟や沈没船の中などの「窮屈な空間」が存在する。ただ何もなく、だだっ広い海中は逃げ場のない孤独感を演出している。プレイヤーの十数倍はある巨大生命体の鳴き声が海の底から響き渡り、時折魚影を見せると未知なる存在への恐怖心を掻き立てる。水中探索を続けるうえで洞窟や沈没船などに入ると、その環境は一転。閉塞的で迷路のように作り上げられた空間が多数存在し、プレイヤーの恐怖を煽るように“ぎちぎち”と沈没船が水圧で崩壊するような音が混じる。酸素の減りも早くなるため、閉塞的な空間での溺死リスクと戦いながらの探索を余儀なくされてしまう。

広大な海底の不気味さ、そして洞窟と沈没船の窮屈さ。別々の恐怖演出が使われた、ホラー作品としても楽しめた。
by. Mayo Kawano


割と酔う

『ソニックフロンティア』始めました。かなり期待をしていたのですが、発売前のプレイ動画を見ていると不安も大きめ。一体どんなものが出てくるのかドキドキしていましたが、結果的には普通に面白くて拍子抜けしました。

舞台をオープンフィールド化して、ギミックを置きまくった「ソニック」という感じ。フィールドは広いですが結構ギミックは多めに用意されている。コレクション要素も多い。フィールド探索が大変楽しいゲームになっております。「ソニック」の真髄といえばハイスピードアクション。そのアクションが生かされたギミックが多く、テンポ止めない配慮を至るところで感じます。コンセプトの部分はビジョンがあって、そのやりたいことがしっかり表現できている感触です。事前のプレイ動画での不安材料だった戦闘要素もちゃんとスムーズに導入されているところも大きい。

ただし、UIが微妙に不親切だったり、落下時のMISS表示含めてシュールな演出が多かったり、キャラのかけあいがややチグハグだったり、日本語フォントがやや汚かったりと、気にしだすと割と無数にツッコミどころがあるのです。が、やはりソニックを走らせる爽快感が常に担保されているのは大きい。島ごと遊園地みたいになっているところが特に好きです。粗っぽい部分は割とあるので、プレイ前の期待度の高さによって、評価が分かれそうな作品ではあるとは思いました。
by. Ayuo Kawase